介護保険法令を理解し、使いこなそう!
第4回 介護保険制度の法令リスクが高くなりやすい理由③
一般社団法人あたご研究所 代表理事
後藤 佳苗
法令を理解し使いこなすことは、自分と仲間と事業所を守る第一歩です
「介護保険制度は、法令リスクが高い」とよく言われます。
法令リスクが高くなりやすい主な理由として、
が主な理由として挙げられています。
本号では、介護保険制度の法令リスクが高くなりやすい理由のうち、
③運営基準の条例委任 について、確認を進めます。
前号で確認したとおり、介護保険の事業所や施設は、その種別等によって運営基準が異なります。
このため、勤務するサービス種別が変更となる場合(例:内部異動など)には、種別ごとに異なる知識を獲得するなどの対応が必要です。
そうはいっても、2000年の介護保険制度スタートの時点では、厚生労働省令が定め、
同じサービス種別の場合は、全国一律のルール(運営基準)でしたから、現時点に比べると大きな混乱はなかった印象です。
現時点のようになった(全国一律の基準でなくなった)のは、2011年の「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」等により、サービス事業所や施設に関する基準については、都道府県または市町村が制定する条例に委任されたからです。
そして、その後、居宅介護支援の指定監督権限に関しても、2018年4月~全国の市町村に移譲されたことは、ご存じのとおりです。
つまり、2012年度以降は、条例を制定する市町村や都道府県によって差が出る(違いが発生する)制度に転換されているのです。
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