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見渡す視界のかなたにも世界はひろがりとめどない愛がまっている
vol.105【ワタシノ子育てノセカイ】
愛があると変われる。
変われないときは愛が足りていなくて、愛より恐れに呑み込まれてしまうんだ。変わる恐れで自分を消して、消した自分を補うために、変わらない過去にしがみついて、足りない愛を消耗させる。
世界の持続とは"変化"で、未来を掴むことで、世界を愛すること。世界が変わるときは、自分を確かに愛してる。
愛してくれて、ありがと、私。
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ところで私には「実子誘拐」で6年以上離れて暮らす、10代のふたりの息子がいる。
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次男ジロウはいつのまにか6年生。2024年11月16日土曜日、わが子を通じて小学校にて鑑賞する人生最後の音楽会があった。
コロナ過で誕生した学年別の入れ替えは今年からなくなり、前方の絨毯席と後方の椅子席はそのまま。発表の学年が入れ替わるごとに、任意で前方の鑑賞者が入れ替わるシステムとなった。
6年生の登場は最後だったので、途中までは椅子席で鑑賞をしていた私。絨毯席の最前列がつどつど変わってゆく様子に、ハイコンテクスト文化の日本を感じながら、親を見つけた嬉しそうな子どもたちの表情になんだか涙がでそうになる。
子どもたちの歌声や演奏を聴いていると、今を生きている躍動感と、未来を確かに照らし導く希望に溢れていて、心が動いてどうしようもなくなる。
情緒不安定なんだか、感受性豊かなんだかわからんが、子どもたちが未来であることだけは確かなんだ。
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この夏に実施した全国2,811教育機関への実態調査を経て、子どもの権利について興味関心をもつ方々との意見交換を続けている。
11月20日の大阪報告交流会につづき、26日には「別居・離婚後の親子関係を考える地方議連」のみなさまとの意見交換会をオンラインにて開催。議連に在籍している議員さんは今や80名を超えているらしい。
全国調査して報告会を重ねた結果、調査結果を参考にして、12月議会の一般質問に挑戦する地方議員さんがはやくも登場する。香芝市議のまなべあきさんだ。
もとより子どもの権利や教育について興味関心や危機感を抱く議員さんは、もれなく親権制度の問題を地方自治に重ねる想像力があると感じる。
親権制度は国創りシステムなので、コミュニティ形成システム。
親子と近い地方自治体にはダイレクトに影響するシステムなので、共同親権制度に興味が向かない自治体は、加速度的に衰退が進むだろう。民主主義の概念となるシステムが装備されない地域のままだから。「自他を守る」という人権意識がないので社会を形成しようがない。
なので子どもという生命が絶える少子化の速度があがる。
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共同親権民法が5月に公布されるも国の動きが鈍い中、鳥取県は全国に先駆けて、県が共同親権のセミナーを12/8(日)に開催するそうだ。
総人口が全国最少の自治体だけに、子育てへの本気度が違うのかもしれない。単独親権観のこるセミナー説明文ではあるけれど、「子育て王国」を名乗るだけあり、親として心強く感じる。
鳥取県の本調査への回答数は1件で回答率は5%。全国平均の6.7%より低いけど、調査対象は県ではなく市区町村。
また12月現在、地方自治として、共同親権に興味関心をよせて本質的に子どもたちを守るための動きはほぼ見当たらない。
おそらく親子の引き離しを虐待と理解できないんだろうな。親権制度の問題は日本の常識からそれるので、話を聞いてもただバグる。
明治より約130年かけて、子どもの尊厳を貶める営みを認識できない単独親権制度の教育が、日本中の子どもたちをこつこつと育みつづける恐ろしさが、いつか伝わる国になればいいな。
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日本の政治の転換期を象徴するような知事選となった、兵庫県の自治体を本調査から観察してみる。調査回答があったのは5市。
神戸市/芦屋市
尼崎市/伊丹市/西宮市
稲村候補推しを表明した22市長の自治体と照らすと、芦屋市と神戸市は含まれていない。
芦屋市はいわずもがなの市長さんで、選んだ市民の民度に類する高い教育意識があるんだろう。神戸市はおそらく実子誘拐問題の奇妙さを知っていて、尼崎市は熱心な市議のにしふじあきこさんのご尽力で、市に意識が芽生え始めている。
伊丹市は斎藤さんの当選直後にご挨拶に赴いた自治体ゆえ、よさげな状況ヘ身を置くスキルがあるのかも。西宮市は特段の情報がないので、教育委員長か担当課長の意識が高いか、隣接する芦屋/尼崎/伊丹との情報共有があるのやもしれない。
まぁとにかく六甲山系のあっちとこっちで、兵庫県は興味関心の度合いがパックリ割れた。データとると具体的な想像ができるからおもしろい。
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共同親権制度という「親と子が親子でいられる社会」の実現に向けて試行錯誤する日々で、考えすぎてわけわからん事態に陥ったりもするけれど、正解のない問題に向き合う時間は、生きてるなってやっぱ感じる。
ゼロから創造するには自分を表現せざるを得ないから、社会秩序からの解放を感じて、私は生き物としてホッとしているのかもしれないな。
12月も意見交換を重ねながら、16日にはいよいよ国への申入れとなる。子育て改革のための共同親権プロジェクトとして、文科省と内閣府に意見を届けて記者会見も実施予定。
申入れは9月予定が12月になったけど、明治より約130年つづく社会の転換作業の一端だから、3ヶ月延長した精査期間は短いくらいかもしれない。
とはいえ親子を貶める型の社会が日々続いているわけで、命を落とす親と自分を失う子どもが後を絶たないわけで。ときどき背筋が凍るような想いにとらわれる瞬間があるけれど、私はいつも幸せがそこかしこに溢れてるって知っている。
未来という子どもたちの存在が、世界にとってはもはや奇跡やし。
◇
音楽会から3日後の19日。下校密会でジロウと再会し、いつもの時差フィードバック会がはじまる。ジロウは舞台に立って数分間、視点が定まらずに私へ目配せもなかったんだけど、一瞬にして理由がわかった。
「お母ちゃんは入場した瞬間に見つけたわ。でもお父ちゃんがなかなか見つからへんでな、長いこと探しててん」
子どもたちは、お父さんもお母さんも大好きで、どちらからも愛されたい。ジロウが話しをつづける。
「あとな、手ぇ振る親はお母ちゃんくらいやで。だいたいの親は手ぇなんか振らへんねん。だいたいやけど」
探して見つけたお父ちゃんと、手を振り目立ったお母ちゃんが、どうか12歳のジロウの愛を、育みあたためていますように。
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7歳ジロウ1年生の音楽会
#一般質問項目 #共同親権共同養育!vol.1331
— まなべあき (@GFmanabe_aki) November 29, 2024
その(3) 共同親権・共同養育に向けた体制づくり
2024 年 5 月 17 日に改正民法が可決され、2 年以内に「選択的共同親権制度」が施行
される予定であるが、行政機関・教育機関の対応準備はほとんど進んでいない。新制度… https://t.co/1G99j6Wj1l pic.twitter.com/lTSvTe9bco
\\ それいけ共同親権 //
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