私が放たれるとき世界は響いてひとつになる
vol.103【ワタシノ子育てノセカイ】
自分を愛で満たすとき、朝日のように希望が輝く。
闇の中で差し込む光は、内なる自分が気づく希望。一筋の光は愛という私が創りだす。ほかの誰かじゃなく、私が光を照らしているんだ。
自分を愛する私は、他者も愛せて、世界を愛せる。あなたと私の世界を照らす、生きる灯が愛なんだ。
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ところで私には「実子誘拐」で6年以上離れて暮らす、10代のふたりの息子がいる。
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「お母ちゃんの声が聞こえてきたで」2024年11月15日、12歳の次男が嬉しそうに教えてくれた。
私は兵庫県の丹波市長選で前川しんすけ候補を応援していた。選挙戦の応援は人生初。辻立ちのお供をしたり、肖像権フリーで動画にでたり、ホーホケキョって鳴けなくても、うぐいす嬢をしたり。
前川しんすけが市長になった丹波市は、日本を変える、と私は信じたから。
それこそ兵庫県は日本を変える大選挙中で、丹波市もしかりだった。既得権など、とにかく「これまでの日本」と「これからの日本」を選ぶ節目。つまり「過去を掴んで社会を沈める」か「未来を掴んで社会を創るか」のシンプルな二択となる。
結果、現職の林氏が当選した。選挙中に県内22市長合同で表明をだした市長である。ちなみに丹波市における知事選の得票数は、1830票差で稲村氏より斎藤氏の方が多い。
ついでに市長選の得票数は、新人候補者3名で23,387票、林氏は8638票。投票率は66.17%。なんせ「変わらない」選択をした市民により、変わらない自治がまたスタートする。
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世界は自然体で、社会は人工体でできている。世の構造の二律背反を理解していると人間は生きやすい。秩序だった日常から脱却して、カオスを味わう瞬間が人間には欠かせないから。
カオスと日常は、ハレとケともいう。
整理整頓された論理性で人が動かないのは、生き物としての相反する行為だから。人間は感情で動く生き物だ。心が動くと体が動く。とはいえ体が動けば心が動く営みが、日常生活ではたぶん多いので、とりあえず何でもやってみればよい。
挑戦と失敗が、人生であり「私」となるから。
人を動かすなら心を、私を動かすなら体を。子育てという人を育てるスキルでもある。
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日本の教育は子どもたちの体を縛る。整列して登下校、長時間の黙する座学。体の縛りは心の縛りだ。
心身を縛った結果「先生、トイレ行っていいですか?」になんら疑問すら持たない狂気的なマインドを育てあげている。日本で生まれて育つと、排泄というこれ以上にない当事者性ですら、他者へ許可を求めるカラッポな人間となれる。
子どもたちを動かす心を縛りつける教育を、よかれと信じて3世代くり返した帰結が2024年の日本だ。
教育の礎は親権制度で、現行法は「単独親権制度」という家制度の残がい。「個」ではなく「家」を重んじる。個人はカラッポでよく、集団にしがみつくから、個である「私」が育たない。
私がないと、主体性がなく、当事者性がないので、身の回りで起きてることに無関心でいられる。
たとえば選挙で投票にいかない。または主体性のない投票をする。カラッポな自分に私を埋め尽くされて、不安でカラッポゆえにしがみついている集団が、自分の一部であるとわからないから。沈没する船にしがみついているのに、船の修繕をしようとする者の応援をできないだけでなく、全力の邪魔を無意識にできてしまうんだ。
日本人の自己肯定感の低さが世界屈指なのは、教育がきちんと機能している証拠。少子化もしかり。「私」がないのに「私の子」があるはずがない。
教育とは、ほんとうに、ほんとうに、尊い。
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2024年の夏。全国2,811件の教育機関へ共同親権の種まきをした。ついでに署名型のクラウドファンディングを約2ヶ月して、社会の動きを確かめた。数値を出すために集中したのは2週間。
署名数は3,745名で、金銭支援は1,021,200円/213名となった。
私は特段のコミュニティに属していないので、日本国というコミュニティに投げたカタチとなる。主催は子育て改革のための共同親権プロジェクトだけどコミュニティではない。代表と私の「想い」を日本国という世に放った数値といえる。
日本に絶望した7年前、初めて声をあげた4年前とは、社会の反応が大きく違った。
日本社会がおかしい、と感じて動く日本人が増えたらしい。あきらめずにいれば人生はどうにかなるらしく、あわよくば同じ世界を眺める誰かと、巡り逢えるのかもしれないな。
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共同親権制度という人間が人間らしく生きられるシステムづくりは今、地方自治のフェーズになった。
77年ぶりの国創りとなる世紀の法改正は、苦笑いすらできない結果で、国に任せたら国がどうなるかを国が表明してくれた。ゆえに民の力で国を動かしていく時代へ、明らかに移ったと感じている。とはいえ日本は民主主義の国らしいので、主権はもともと国民やけど。
親と子が親子という生き物として自然な営みを、身近な地方自治にて取り戻せたら、日本は根底から地響きするように生まれ変わるはずなんだ。
共同親権の種を蒔いた今秋、社会に鳴り渡り人々に響く音を、私は確かに味わい心震えた。「日本は変わる」と確信したんだ。そして似たような音を前川しんすけ候補に感じた。そしたらやっぱり地響きした。
だけど丹波市には、ちょっと早かったみたい。都市と地方の差は20-30年はある。何をもっての差かは議論があるが、日本と世界との差は約50年。また日本は戦後より約80年間、ほぼ同じ社会構造の礎で2024年にいたるんだ。
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タロジロが親から贈られる子育てと、タロジロのルーツを息するように搾取する社会は、タロジロを育ててくれた社会でもある。
地域社会のみなさま、母子の時間を失ったタロジロを、7年間も育ててくださり、ありがとうございます。いつか一点の曇りなく、感謝できる日がくるように、自分を磨いてまいります。
タロジロ、お母ちゃんの愛を育ててくれて、ありがとう。