体質からあなたを知る~ワータさん編~
アーユルヴェーダを知ると自分自身のことが前よりも分かりやすくなります。
体質によって、見た目、行動、気質などに違いがあり、その特徴を知ると客観的な自己理解が深まります。
また、あまり好きになれなかった自分の癖や気質があったとしても、体質が理由だったと分かることで受け入れられるようになり、自己受容も深まると思っています。
今回はワータ体質の方の体と心の特徴、体に合った食事や運動、気を付けるといいことなどを書いていきたいと思います。
前回の記事でアーユルヴェーダの体質について前置き的な説明と、実際に体質を知っていただけるように、体質診断ができるアンケートを載せました。
まだご自身の体質を知らないという方は、ぜひ前の記事にある体質診断アンケートをお試しください。↓↓
性質 / グナ
ワータのお話に入る前に、アーユルヴェーダを理解する上で重要な性質について少しお話しておきます。
アーユルヴェーダでは性質のことをグナと呼びますが、ワータ、ピッタ、カパの3つのドーシャは、それぞれ違った性質を持っています。
そしてその性質が、体や心の性質の違いを作り出しています。
例えば、乾燥性は乾燥した肌を、油性はしっとりとした肌を作り出すという様に。
ワータ、ピッタ、カパ、それぞれの特徴を知るにはまず、それぞれの性質を知ることが必要になります。
性質を知れば、特徴もイメージしやすくなります。
ワータ、ピッタ、カパの性質を表現する為に使われるグナは20個あり、それぞれに対となる性質があります。
こちらに全てのグナを書いておきますね!
重性 ↔ 軽性
鈍性 ↔ 鋭性
冷性 ↔ 温性
油性 ↔ 乾性
滑性 ↔ 粗性 (ざらざら)
固体性 ↔ 液体性
軟性 ↔ 硬性
安定性 ↔ 動性
微細性 ↔ 粗性 (大きい)
純性 ↔ 濁性
ワータの性質
ワータとは、空と風の要素から出来た、生体エネルギーのことです。
空要素とは、空洞、空っぽ、という言葉から連想できるように、とても軽い性質を持っています。
次に、風とは動くものであり、風が強い日は洗濯物が乾きやすい、また熱い物をフーフーと風を使って冷ますことから連想できるように、風要素には動く性質、乾燥した性質、冷たい性質があります。
この空要素の性質と風要素の性質、2つを合わせたワータの性質も軽、動、乾、冷となり、他にも粗い性質と微細な性質を持っています。
【ワータの性質:軽性、動性、乾性、冷性、粗性、微細性】
ここからは、ワータ体質さんの特徴を挙げていきます。
性質と結びつけてイメージしやすいように、関連する性質をできるだけ書いていきますね!
体の特徴
・細身、骨格が小さい (軽性)
・痩せやすく、太りにくい (軽性)
・髪の毛や肌が乾燥している (乾燥性)
・肌が冷たい (冷性)
・口腔内が乾燥している (乾性)
・歯並びが不規則 (不規則性) ※動性が不規則性という形で表れる
・身長が高い、または低い (不規則性)
・消化力にムラがある (不規則性)
心、行動、性格の特徴
・行動が早く、よく動く (軽性)
・話すスピードや、歩くスピードが速い (軽性)
・じっとしているのが苦手 (動性)
・頭で考えるよりも、まず行動 (動性・軽性)
・新しい環境に慣れるのが早い
・仲良くなるのが早い
・熱しやすく、冷めやすい
・新しいことにチャレンジするのが好き
・アイディアを考えるのが好き
・気分が変わりやすい (動性)
・不安を感じやすい (軽性)
体に合った食事
ワータ体質さんの体に合った食事は、ワータの性質と反対の性質を持つ食事です。
なぜそうなるのかを説明するには、別の理論の話に入ってしまうのでここでは省略しますが、ワータ体質さんには、軽性、冷性、乾性があるので、重性、温性、油性の食事が合っています。
反対に軽性、冷性、乾性の食事は体には合わないということになります。
ここで注意が必要なのは、重性の食事と言っても、チーズ、ステーキ、揚げ物のような、消化に負担がかかるものをたくさん食べることが良いわけではありません。
例えば、柔らかくなるまで煮込んだお肉、ナッツ類、お米、ギーなどを重性の食事として考えることができます。
ダイエットなどで、軽い食事(炭水化物を抜いた食事、野菜だけの食事など)ばかりを続けることはワータ体質さんには向いていません。
ワータ体質さんにおススメなのは、柔らかくなるまで煮込んだお肉のスープです。
温かく、お肉の脂も摂れるので、冷えやすく乾燥しやすいワータ体質さんにはぴったりの食事です。
あとはギーなど質の良い油を取ったり、お白湯で水分を取り体を温めると良いです。
反対にドライフルーツ、シリアル、玄米など乾燥したもの、生野菜やフルーツなど体を冷やすものは少なめに。
食べ過ぎると、乾燥肌、便秘、冷え性などにつながるかもしれません。
私は一時期冷えに悩まされていました。
その頃、2日に1回はサラダを食べていたのですが、アーユルヴェーダを知り、それからはサラダを食べることを辞めました。
そうすると徐々に冷えが軽くなっていきました。
サラダは健康に良いと思われがちですが、体を冷やしますし、生なので消火にも重いです。
体が温かくて消化力が高いピッタ体質さんだとサラダもあまり問題ではありませんが、ワータ体質さんにとっては避けた方が良いものになります。
体に合った運動
ワータ体質さんにとって適した運動は、ヨガ、ウォーキング、ストレッチなど軽めの運動です。
ワータ体質さんは体力はあまり無く、疲れやすい傾向にあります。
動くことが好きなので、運動することが好きという方も多いかもしれませんが、ワータ体質さんにとって動き過ぎは注意したいことの1つになります。
動き過ぎや過度の運動は、体に軽性と乾性を作り出し、ワータを悪化させます。
息が切れるほど激しい運動ではなく、軽く汗をかく程度の運動が体には合っています。
気を付けるといいこと
ワータ体質さんが気を付けるといいこと、それは動き過ぎないことです。
運動のところでも書いたように、動き過ぎは体の中に軽性と乾性を生み、また動性も増加させます。
ワータ体質さんはじっとしていることが苦手なので、家の中でも常に家事などをして動き続けているという話を聞いたりします。
でも1日の中で少しだけでもいいので、ゆっくりとする時間を取ってみてください。
ゆっくりとお茶を飲む、ゆっくりと呼吸をする、目を閉じて瞑想をする、そんな時間を数分だけでも良いので日々の隙間に取り入れてみてください。
軽性、乾性、動性が増え、ワータが悪化すると、心もフワフワと落ち着きが無くなり、不安や恐怖を感じやすくなったり、心変わりをしやすくなったり、緊張しやすくなったりします。
心に芯が無くなったような状態です。
ゆっくりとした時間を取り、深く呼吸をすることで心が安定してきます。
もう一つは、規則的な生活を心がけることです。
ワータ体質さんは習慣を作るのが苦手だったりします。
ですが不規則な生活は、ワータの性質である不規則性(動性)を増し、これも心の不安定さに繋がります。
不規則な生活になっているという人は、起きる時間だけは毎朝同じにするなど、少しずつ生活に規則性を持たせることで心や体が安定してきます。
最後に
お話好きで快活なワータ体質さん、寛容で優しい人が多いです。
アイディアを生み出すのが得意で、型にとらわれず柔軟な発想ができます。
好奇心豊かで、新しい物や場所にも果敢に挑戦します。
私はいつも、行動することの大切さ、挑戦することの大切さ、言葉にすることの大切さ、これらをワータ体質さんから学んでいます。
ワータ体質さんがいるから、この世界は楽しくて、面白くて、ワクワクした場所になるんだと思っています。
今回挙げた特徴や気を付けたいことなどが全てではありませんが、少しでもあなたを知るヒントや、生きやすさに繋がれば嬉しく思います♪