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大河ドラマ「光る君へ」第四十三話「輝きののちに」所感

分かった

 本編とはあまり関係ありませんが、ここ何話?十何話かの違和感の正体が分かった気がしました。えっと、まひろと道長の今更感の恋だのホワイト道長だのではなく、もっとぼやっとした違和感です。
 一話四十五分(正味四十三分)の中での話のテンポや展開が「ものすごくおっそい割に中身があったか謎」と「それもそれも全部突っ込む?」みたいなのがあるんです。少なくとも私はそう感じました。あと、前回とその回のつなぎが「一秒後です」か「三年経ちました」かがバラバラ。この話のピッチの不安定さが見難いのだと思いました。あとは、キャラに対する言動の原因(なんでこんなことしたか)がちょっといい加減な時があって、目につくから、何だか乗り物酔い(人生でほとんどしたことないのですが)のような気持ち悪さがある気がします。三半規管が追いつかないって感じでしょうか。
 はい、こっからちゃんと本編いきます。多分今回はテンポが前者、つなぎは後者。

火事やら皇女やら

 いや、もう一個ありました。「設定の統一感がないこと」です。いつだったか「顔が見えん云々」で御簾を越えた敦康親王さま。今回高倉殿では御簾のみの字もないところで普通にあっていますがな。別のシーンでは二人きりやったがな。この間の大騒ぎは何やったんやって。あの時だけ「御簾」がそんな変な感じになったんかって。
 閑話休題。奥様LOVEな頼通くん、結婚に穏やかな幸せを見出しつつある敦康親王さま、皇女さまを産んで幸せそうな妍子中宮さま。道長と三条天皇だけがお互いを牽制しあってギスギスしています。
 道長は火事を口実に、三条天皇に攘夷を迫りました。んなら一条帝にも言わんといかんかったんではなかですか?道綱兄貴もびっくらぽんですね。
 この時の「聞こえん。もっと大きな声で言え」を、最初見た時はただの嫌がらせかと思っていました。この作品で日常声を張ることが少ない道長ですから。三条天皇の言い方が絶妙ですね。名演です。備前の国の云々の時に、道長も私たちも「ガチで聞こえてなかったんだ」となります。道長の言い方も何だか呆れた感じだったのが、一応驚きます。心の中はガッツポーズでしょうけれど。三条帝も一条院と同じく甥っ子で娘婿ですからね?クリーンでもホワイトでもない道長です。

行成くん

 本当にクリーンっていうのはこういう人のこと言うのよね。道長は責任転嫁しているだけっぽい。道長のやり方についていけない感が出てきてしまった行成くん。あれ?そんな感じか?と思っていました。史実では隆家が先では?と思っていました。そして現実太宰府に行けないと分かったあと、何だか道長を恨む感じの表情。やっぱり、そんなか?

人事のピタゴラスイッチ

 あれがこうなって、こうこっちに転がって、そこに別ルートできたこれで方向転換させられて……。
 ロバート実資さん(最初に登場した時よりぽちゃったと思ったのは私だけ?)が一番これに振り回されたり振り回したりした主軸な感じがしました。三条天皇に上手いこと言われる道具に使われた息子さん、蔵人やったことないのに蔵人頭はダメでしょ。実資さんの知らないところで敦明親王さまが友達を推したもんですから、あっさりなかったことにされて怒っていました(息子さん出家しなかったようでよかったよかった)が、そんなあなたも隆家に太宰府行きの原因を作ったのでしょうよ。行成をがっかりさせちゃいましたよ。このあと、実資と行成がタッグ組んで道長を恨むってことあるのかな。裏を知っている視聴者はあれだけれど、この人事の両方に関わっているのは道長ですからね。でもね道長。少なくとも太宰府の経緯は行成にちゃんと言ってあげたほうがよかった気がするな。相変わらず言葉が足らない。「そういうこと」ってどういうことや!

ん?逆じゃない?

 まひろが彰子皇太后に言った「(道長は)陣の定めに出ることを望んで長年関白を辞退してきたと聞いている。何もかも自分のものにしようと思っているとは思えない。」という理由説明。逆じゃない?陣の定めも、関白同然の仕事も独り占めできるのが内覧でしょうよ。
 もう一個。実資「(道長の)お考えは分かります」と前置いた上で「責め立てて帝を弱らせるのはどうか」「そもそも民の顔など見えていないでしょ」「幸せって何よ?その理想論が仕事?」「志を追いかけるものが力を持つと志そのものが変わっていく」云々。えっと、全部分かります。そして、全部そうだと思います。私の心のうちを全部言ってくれたのではないかと思うくらいです。先週の川辺のシーンでも、民の話なんて一個もしなかったし、約束って何だったっけも確認しなかったし。特に最後のなんて、権力者の権力自己目的化ってことでしょう?あるあるだし、一番気にかけて欲しいところなのに。これが「何を言っているのかわからん」くらい、道長は何か大事なものを失っているのでしょう。

ききょう!

 一番分からんというか、納得いかないのが、ききょうちゃん。あれだけの女房ぶり納言ぶりを描いておいて、歴史にない恨みに塗れたききょうちゃんがこの何話か嫌でしたが、今回急に鎮静化。ただ紫式部日記に清少納言の悪口書くシーンをさせたかったためにキャラ変して戻して利用されただけな気がする。
 せめてもうちょっと鎮静化のきっかけを描くとか何かなかったんでしょうかね?それか、どなただったか私がよく拝見するnoterさんの記事にあった「実は裏でずっと仲良かった。二人の作戦で日記に悪口書いてみんなに見せつけておくことで、誰かを守った」みたいな設定にして欲しかった。
 何ででしょう。希望通り穏やかに生きようとするききょうさんが見られたのに、ちょっとだけモヤが残りました。勿体無い。

その他

・宇治十帖を書いているまひろ。これは最後何かに使われるのかしら。
・懐かしの偏つぎ。
・道長が偏つぎの時に言ったことが正解だと思う。帝王学は別。
・道兼〜!息子が蔵人頭になったよ〜!
・倫子さま悲しいね。息子は一途に北の方愛しているのに。「娘が産んだ子が帝になるかも知れぬのですよ」なんて、もう道長の心どうでもいいって思おうとしている感じ。でもたまには自分を見てほしい。切ない。
・双寿丸、いってら。結局何だった?この九十年代トレンディドラマ感、大河には似つかわしくないね。
・鎌倉殿の大姫の影響で、賢子ちゃんがいつか毀れてしまうのではという不安が拭えないのは私だけ?(大姫も名演でしたね)
・まひろの胸で娘が泣くのは無理。
・BSトゥエルビで放送している「花子とアン」のメンバーをよく見てみると、今回のキャストがボロボロ出てくる。
・前回までゆったり展開だったかと思うのですが、最終盤で捲りにかかった感じ。
・サムネに困る回があります。今回のように。今回本当は「へんつぎ」が欲しかった。

今日もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

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