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大河ドラマ「光る君へ」第四十一話「揺らぎ」所感

双寿丸≒道長?

 なんのためのキャラかよく分からん。強いて想像すれば「昔の道長(三郎)を思い出す」ため、かぁ?道長は全然クリーンにやっているのに、まひろ的には「みんなを泣かせて……あいつ、変わっちまったな」的に、道長への気持ちに「揺らぎ」が生じる……って感じですかい?う〜ん、必要か?

言動が過ぎる三条天皇と言葉が足りない道長

 ご本人はさっさと地盤を固める為の取引のつもりなのでしょうが、道長たちはあんまりこの帝好きじゃないし、道長はさっさと譲位させる気で、本当に大事な人はとってあるって感じ。そういうことを、言葉の端々に滲ませてしまう三条帝だから、あっさり警戒されてしまう。二十五年待ったというのもわかりますが、焦りなさいますなと申し上げたくなります。女御さまの件だって、後々皇后にしたい気満々なのがすごい。
 一方道長の方は、言葉が足りないですよね。昔馴染みの公任は分かってくれるし聞きたいことズバッと聞いてくれますが、息子たちには全部が全部を言っているわけではない(長男だけには言っている)からして、出家事件にまで発展した感が否めません。まぁ、明子女王さまのお血筋は、先走って感受的になる感が否めませんが。息子二人が挨拶に来たとき、やはり時代の天皇の時代に活躍してもらわないといけないのだと言っておけば、出家騒動にならなかったと思いますよ。ワンチャン、蔵人頭の話がポシャった時でも、「帝が代われば蔵人頭は変わるんだぞ。」と一言が欲しかった。「帝に借りを云々」じゃ分からんよ。ホウレンソウは親子でも大事。「分かってくれる」は親の妄想ですよね。
 それにしても「院の四十九日であろうと内裏に移る」と言うのも、やっぱり過ぎた感じがしてなりません。血筋による継承を行ってきた天皇家ですから、気に食わない年下の先代だったとしても、ここはちょっと配慮があって然るべきだったかと思います。道長も、一回言っただけ(いや、俺は言いましたからね)で素直にこれをやらせてしまうことで、三条天皇の人となりの欠点を世間に晒しているように見えました。帝、先代を大事にしないと祟りがあるかも。
 道長、今度の甥っ子にも苦労させられるね。でもその前に、息子たち全員とちゃんと喋れ。

全部お前のせいだかんな、と言っている。

「お前との約束を守るためだ。」
 これ、男に言われたらブチ切れそうです。分かんないから聞いたんでしょうよ!ってか、違うそうじゃないでしょ!下々の者たちのために何をした?やっぱり言葉が足りない道長と、もうダメンズウォーカー(古いな)に見えてきたまひろちゃんです。

清少納言は嫌な人? いや、そうはならんやろ。

 文学って、こんなにも理解されていないものなのですね。因果関係が無茶苦茶です。
 その一。清少納言が本当に定子さまに惚れ込んでいたなら、こんな物言いはしない。それは主人である定子さまの品格を貶める行為だと分かっているから。
 その二。たとえ清少納言が激おこ(これも古い)でこんな失礼な物言いをしたとしても「得意げな顔をした酷い方」にはならんだろうよ。ちなみに、紫式部日記には「漢文の素養も足りない」とか「得意げに漢字を書き散らしている」みたいな記述。この頃清少納言が内裏に来たことがあるかどうかも謎です。今回のやり取りではこれは生まれませんね。もうちょっと嫌味な歌でも書き残すとかすればよかったのに。まぁ、史実にない歌は詠めませんものね。まひろちゃん、色々間違ってますよ。
 ちなみに、脚本家さまは「清少納言と紫式部は雲泥(紫式部が雲ね)」と公言して憚らないそうなので、それを歴史サイドではなく文学サイドからなんとかしてもらいたかったですが。この一条朝の二代女流作家の片方を貶めても、何の得にもならないものを。

急に、御簾問題。

 と、思ったのは私だけでしょうか。これまで、全然成人男性が御簾なしでお話ししていたのに。御簾を越えてこられてちょっとびっくりな彰子中宮さまに、いつの間にか御簾の後ろに瞬間移動していたギャルちっくな妍子女御さま。狩がお上手になりそうです。それに、妻より私の方が好きでしょと言い切るその危うさ。すっごいね。

国母誕生は

 もう遅くに来た反抗期にしか思えない。兄弟たちを集めたのは、自分に対して強く当たり始めた父親に反抗するためか。変身した彰子中宮さま、でもなんか変。っていうか「仲間」云々の話は、元を辿っていけば武士の部下への訓示を参考に中宮が動いたという話になってしまう。

その他

・公任が儀式に詳しい。そうだよね、元左大臣の息子。
・頼宗と顕信、着物を逆にして欲しかった。昔の頼宗の着物の色を違う方が着ているとわけわからんなる。
・顕信くんは、これだけ権力を焦って思い込みの激しい馬鹿な子だったというキャラ付け。可哀想。
・歌の披露以外は、基本的にグレーだった中宮彰子さまん家。全体の華やかさもトーン抑えめでした。美帝一条も出てこないし。
・頼む、心情と歴史と文学史の辻褄は合わせてくれ。今更もう無理か。

今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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