料理と利他と民芸とお笑い
長い感染症対策がとられた時期、よくポッドキャストを聞いていた
そこで勧められた本をよく購入していた
まずは中島岳志さんの「思いがけず利他」
その繋がりから土井善晴さんと共著の「料理と利他」を読んで
「あぁ、なんて素敵な考えなんだろう」と思い、文中に出てくる「河井寛次郎記念館」に行ってみなければと、お笑い遠征のついでに立ち寄ったことがある
そこにはもう人が住んでいないのに、今でも暮らしてそうな生き生きとした雰囲気があった
訪れていた人は家で過ごす時間が増えたからこそ、日々の営みを大切にしたいと思われていそうな(あくまでも推測)方々で、私と同士だな、なんて思っていた
実際に大切にしていた陶器が飾られていたり、家の奥には登り窯があって、生活と陶芸が一緒になっている、シンプルなお家だと感じた
そこで手にした「芹沢銈介美術館」のフライヤーの色とりどりさに惹かれ、また勧められた本に「芹沢銈介」が載っており、そしてお笑い行脚で静岡に行くことがあったので、浜松に住んでいる友人を誘って美術館へ行った
そこに広がる型染めの世界に一気に引き込まれ、その年私は美術館へ4回通った
そんなことを大学時代の友人に話すと、「私も民芸好き」ということになり、大阪で行われた「民藝」という展示に行くことになり、東京に住んでいる二人が、大阪で展示を見るなんて!とワクワクの旅になった(それもお笑い行脚のついで)
気づけば民芸とお笑いが繋がっていて、何か不思議な縁を感じる
私を通じて繋がっていくのだ
今年はもう少し民芸のことを勉強しなければと考え、民芸運動の中心人物「柳 宗悦」(やなぎ むねよし)の書いた本を読もうと思ったが、なんせ難読…私が読んだとしても分かったふりにしかならないと思ったので、若松英輔さんが行っている「柳 宗悦集中講座(全3回)」に申し込んだ
オンラインで行われる講義は、若松さんの柔らかい口調で展開されていき、紹介される本は全てではないが、柳さんの考えの背景やターニングポイントなど分かりやすく解説されていく
そして、それには書く講座というのもオプションでついており、せっかくだから添削してもらおうと思い申し込む
講義終了後詩かエッセイの形で提出、目安は終了後3週間と書いてあるが、遅れても大丈夫ですという安心できる一言も
1人で読むのは難解、だから講座を申し込んだが、全て理解できているわけではない
提出するとなるとテキストを読み込み、メモしたものと見比べて、言わんとしていることを探す
これにとっっっっっっても時間がかかる(そもそも締め切りギリギリに出すタイプだし)
そこで自問自答をする
「私って、良いこと書こうとし過ぎてない?」
「だけど、間違った方向にはいきたくないよね」
詩を書くとはそういうことなんだろうか
だけど、飾らない文章を心掛けるってことは芯にあるので、なんとか生み出し提出する
エッセイの方が好きだけど、詩の講座を受けていたことがあるのであえて詩にしてみる
(先日友人に詩の講座行っていた話をしたら、「なんでこんなにしゃべっているのに、知らないことがあるの!?」と驚かれる)
提出して1か月後くらいに添削が返ってくる
いつになっても赤ペン先生は嬉しい
最後のテーマは私の好きな言葉「打てや、もろ手を」を題材にした
芹沢さんののれんにも大きく書かれた言葉で、どういう意味かちっとも分かっていなかったが、この講座で少し知れた
その添削には「思いは届く」ということを感じたコメントが返ってきた
そういう言葉をもらうと、苦しんで生み出したものは間違いじゃないんだなと思えて、すがすがしい気持ちになった
受講中はすっごく熱心に全てが分かって、一言一句逃さないようにメモできた訳じゃないけど、今私の心に残っているのが、講座の全て
それを大事にしてくださいと若松さんに言われている気がして、自分の中の民芸をもう少し磨いていこうと思った次第
講座を終え、私は今もう1度「料理と利他」を読み直している
自分でも驚くほど、新鮮に読めているのは内容を覚えていないせいなのか…
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