このテープもってないですか?はギャグ作品と見做そう【ネタバレ感想】
全国2億4000万のオモコロ読者の皆様、こんにちは。
つめけんと申します。
今回は『このテープもってないですか?』の感想記事です。
あくまで感想であって、考察ではないのでご了承ください。
俺バカだからよォ〜〜〜考察ってあんま好きじゃねぇんだ。
それではどうぞ。
概要
「このテープもってないですか?」は、最近流行りのフェイクドキュメンタリー作品。モキュメンタリーとも言う。「フェイクドキュメンタリーQ」とか「奥様ッソ」とかが記憶に新しい。
本作は、過去放送されていた懐かしの番組を振り返るというテイストの特番形式で話が進んでいく。勿論、実際にそんな番組が放送されていた事実はない。
怖さの分析
最初は普通だった番組や登場人物たちが少しずつおかしくなっていくという怖がらせ方の作品。他にも異様な投稿映像を紹介したり、嫌なタイミングでノイズが走ったりと、不穏だなぁという感覚で怖がらせる。
そのおかしくなった人物たちの言動の支離滅裂さがあまりにもシュールで、ややギャグだった。特に最終回は酷いもんだった。
夢の中みたいな会話が延々と続くんだけど、これが恐怖というより「何これ?」感が強く、人によっては爆笑できるレベルだと思う。
ギャグマンガ日和の夢の中に入っていく話(ぼくちゃん探偵の夢推理)を思い出した。あの話は(夢の中の)会話の支離滅裂さの再現度が素晴らしいんだけども、それに近いものを今作にも覚えた。
あれは「ギャグ作品のちょっと怖いエピソード」なんだけど、今作は逆に「ホラー作品のちょっと面白い部分」で、本質的に似通ったものを感じた。
画の面白さ
放心したいとうせいこうのアップとか、面白い画がたくさんある。
ゲストのシルエットクイズです!つってベビーカーの姿が浮かび上がった時は、その画力(えぢから)に普通に笑ってしまった。
考察ポイントなんだろうけど、普通に面白い。フリオチなどない突発シュールギャグ。
あまりこう…月並みなことは言いたくないんですけど、画面端にビュティを設置すればボーボボのコマ。
「ギャグとホラーは紙一重」なんて言うけど、まさにその境界線でゆらゆら揺れる感覚があった。
個人的には2話までの「なんかおかしい」くらいの雰囲気が最も怖いんじゃないかなと思う。最終回のおかしさはちょっとやりすぎというか味がしすぎるというか、文字通りトゥーマッチで、ホラーとして見るとやや冷めるところがあった。
オモコロ原宿
制作者のTwitterで「オモコロの原宿に影響を受けて作った」なんて発言が飛び出していたことで、全てに合点がいった。
原宿編集長 ひいてはオモコロというメディアにおいて「ひたすら支離滅裂で脈絡ないことを言い続ける俺、おもろいでっしゃろ?」という姿勢はそこそこな頻度で見られる。
「シュールを盾に客から逃げるな」という金言が示す通り、この姿勢はだいぶ好みが割れるところだと思うけど、一定数、笑いの手法としてそういうのを面白がっている人がいるのも事実。
で、それをホラー作品の手法として使うとなると…こうも不気味になるとは。
個人ががむしゃらにやっていたことが別ジャンルでそういう昇華のされ方をするのは面白いですなぁ(眼鏡クイッ)。天晴。
さいごに
あんま関係ないけど、台詞覚えるの大変そうだなって思った。意味の繋がってない小難しい文章を覚えるのは、無意味綴りを覚えることの次に難しいはず。役者って凄い。