覆面駒習作6
問題
ルール説明
【覆面駒】
種類が不明の駒。着手の合法性、攻方王手義務を満たせる可能性があれば、それを満たしているものとして手順を進めることができる。駒種が確定すると通常の駒に戻る。
[補足]
・透明駒と異なり所属・位置は判明している。
・手順表記上「成」は指定できるが、「生」は指定できない。つまり、移動についての情報と、駒が裏返ったという情報は与えることができる。
・初形が合法局面であることが仮定される。つまり、駒の枚数が正しいこと、行き所のない駒や二歩がないこと、(受先形式でない場合)受方玉に王手が掛かっていないことを推論に含められる。
また、特に指定のない限り標準駒数であることも推論に利用できるが、ルールから明らかでない限り双玉・単玉両方の可能性がある。
・フェアリー駒を使う作品の場合、特に注釈がなければ通常の駒以外に、初形に存在するフェアリー駒にもなれる。
解答
21▲(=飛)、12玉、24桂、同金、22▲、13玉、12飛成 迄7手
初形で受方玉に王手は掛かっていないはずなので、22▲は飛、香、歩のいずれかです。
初手は21▲とします。香・歩の場合は行きどころのない駒になるため、飛車を不成で動かして王手したことが分かります。
受方は12玉と逃げるしかありません。ここでもし持駒に飛車があれば11飛で詰みますが、覆面駒なので11▲と打っても13玉と逃げられてしまいます(11▲=金)。また、22▲と打つのは13玉、11飛成、24玉と逃げられます。
もし24の地点が塞がっていれば、上記の手順で詰みます。
そこで、3手目は24桂と打ち、同金と取らせて24の地点を埋めます。24桂に13玉は、11▲と離して打って早く詰みます。12▲では金の可能性があるため、14玉と逃げられるので注意が必要です。
3手目24桂には同金が最善ですが、予定通り22▲(=飛or金)と打って詰みに向かいます。
覆面駒のルールに 手順表記上「成」は指定できるが、「生」は指定できない。という記載があります。本局の初手21▲がこのルールに反していないか気になるかもしれませんが、この場合は問題ありません。
このルールは、「21▲生」のように手順表記で不成を指したと主張することはできないという意味です。本局の「21▲」という表記だけでは、成・生が選択できる駒を生を選んで21に動かしたのか、そもそも成ることができない駒を21に動かしたのかを区別できません。「21▲」という着手の情報、初形の合法性、行きどころのない駒の禁則を使って、21飛生と指したと推論したわけです。
手順表記上「成」は指定できるが、「生」は指定できない。というルールを説明する記事を書きました。よろしければ下記よりご覧ください。
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