覆面駒のルールの補足
WFP作品展登場ルール一覧 には覆面駒の説明が下記の通り記載されています。
本記事では
について説明します。
これは、覆面駒では「成・生を選択できる駒が生を選択して動いたこと」と「そもそも成ることができない駒が動いたこと」を区別できないということです。具体例で説明します。
もし初手34▲成とすれば、後ろに動けて成れる駒は飛車しかないので、33飛が34飛成と動いたことが確定します。受方は15玉と逃げるしかありません。
上図は打歩詰の局面になっています。これは失敗です。
もし上図で34龍が生の飛車だったとすれば、16歩、25玉、37桂で詰ますことができます。しかし、初形で「34▲生」として、「後ろに進むことができる駒で、不成ができるのは飛車しかないから▲=飛」と主張することはできません。覆面駒では、「34▲生」という棋譜表記ができません。
実際の将棋盤の3三の地点に、何と書いてあるか掠れて全く読めない先手の駒があるのをイメージしてください。先手がいま、3三にあるその駒を中指で引いて3四の地点に移動させました。この動作から考えられる可能性は下記の2通りです。
3三飛を不成で3四に移動させた
3三金(小駒成駒)を3四に移動させた
先手の動作からは、飛車を不成で動かしたことは確定しません。金やと金などの成れない駒を3四に引いた可能性があり、両者を区別できません。
以上から、覆面駒において手順表記上「生」を指定できないのは、自然なルール設定であることが分かります。
ちなみに、例題の解答は下記の通りです。
25歩、15玉、27桂、14玉、15歩、25玉、34▲成 迄7手
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