【stand.fm 007. ビジネスにおけるシンプル思考1】書き起こし
このnoteは、stand.fmの「マサトのおもろかったらOK(仮)」の内容をもとに書き起こし、まとめたものです。
1.はじめに
僕は、経営をするうえでも、人生のなかでも、物事をシンプルに考えることをいつも大切にしています。
今日は、ビジネスをするうえで大切にしている「シンプル思考」について、お話したいと思います。
2.判断を惑わす専門用語たち
ビジネスにおける「シンプル思考」と言っても、そのシチュエーションはさまざまあると思います。
そのなかで今日は、スタートアップにおける本質を見極めるために、僕が実践しているシンプルな判断指標についてお話しします。
近年、「<ユニットエコノミクス(Unit Economics)>」ですとか、「<PMF(プロダクトマーケットフィット)>」といった、スタートアップに関する専門書や経営者の言葉などでもよく見かけます。
これらは、事業戦略上の採算性を示す指標とされている新しい概念で、いわゆるスタートアップ用語とも言えるものです。
極めて単純な物販でも無理やりこういった指標に当てはめて、経営判断をする傾向にあります。
しかし、カタカナの用語がひとり歩きして、それって、結局どういうこと?と複雑さが増していることも事実。
僕の経験上、実はそういったさまざまな言葉で複雑化されることは、ビジネスの本質を見え難くするという点で、十分に注意すべきところだと思っています。
ビジネスの判断を見誤ることがないよう、物事はいつもシンプルに考えるべきという、僕なりの考え方についてお話します。
3.僕らのシンプルな指標
「<ユニット・エコノミクス>が合う」ですとか、「<PMF>している」という指標は、
僕のシンプルな思考で置き換えますと、
そのプロダクトやサービスを単体で見た時の営業利益が黒字であるか否か
これに尽きると思います。
次から次へと登場する目先のカタカナ用語に振り回されて、事業の本質を見失ってしまうと、出血が止まらない状況に陥ったり、タイムロスしたりと、大きな損失につながりかねない。
したがって、僕らは、
その商品や事業が営業黒字であることこそを、
明確な指標と置いています。
このサービスやプロダクト、事業部あるいはこのセグメントにおいて、営業黒字かどうか、とシンプルに判断。
これは、事業の拡大を図るうえで重要な基準です。
例えば、1万円のコスト(原価は別)をかけて3千円の物を売る、といった商売が、世の中で頻繁に行われています。
3千円のモノを売って顧客を獲得し、その顧客から2回3回……と購入を繰り返し、4回目で(1万2千円)となる。
この『LTV<ライフタイムバリュー>(1顧客当たりの生涯売上額)』が、初回にかけたコスト(1万円)を上回る状態を、いわゆる「<ユニットエコノミクス>が合う」と言われていて、戦略上の利益見込みがある事業とみなされています。
これをシンプルに考えて、僕らの場合は、
ひとつの商品で営業黒字になっているか、
もしくは、
営業黒字の見込みがあるかどうか、
単純にここを見極めることが重要だと考えています。
もちろん、ベンチャーの立ち上げ期なら、当然、先行投資で赤字を掘っていくことは必然。
けれど、底なし沼のように際限のない投資だと、ただ赤字が積みあがっていきます。
例えば、底の空いたバケツに広告宣伝費を際限なく投下し、だけども水はどんどん垂れ流している状態。
これは、調達した資金を、ドブに捨てているようなものです。
信じがたいと思いますが、こんなケースはリアルに起きている。こういったベンチャーは少なくありません。
したがって、ひとつのサービスや事業の良し悪しを判断する指標は、とにかくシンプルに。
そのプロダクトが、営業黒字であるかどうか、です。
これだけを見ること、その「シンプル思考」こそが非常に大事だと思います。
4.おわりに
ベンチャー経営で大切なのは、シンプルに考えること。
このプロダクトの数字は合っているのか?
というシンプルなことと徹底的に向き合い、日々やっています。
続けることがいいことではないので、走りながら微修正を重ねていくこと。
そうじゃないと感じたら、方向転換をすること。
将来、花が咲きそうだと思えば、やればいい。
続けていても、数字が伴わければ、勇気ある撤退というジャッジをしても潔い選択だと思います。
徹底的にシンプルに、かつドライに。
見極めることも大切だと思います。
それでは、今日もありがとうございました。