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レタスとキャベツは見分けられなくてもいいんだよ


レタスとキャベツが見分けられなくて泣いているみなさん、涙をふいてください。もうそのようなことで悩まないでください。


どちらでもいいのです。
レタスでもキャベツでも。


結果的にあなたが手に取ったもの、それがレタスだった。あるいはキャベツだった。それだけのことなのです。

ただそうは言っても、レタスとキャベツの安易な見分け方にすがろうとするものが後を絶ちません。巷には危ない情報もあふれています。


「軽い方がレタスで重い方がキャベツ」

「セロハンで包装されているのがレタスで、テープが巻いてあるのがキャベツ」

「芯の部分が白と赤ならレタスで、白か黄ならキャベツ」


確かに上記のような違いはお互いにあるかもしれません。しかしあなたはキャベツとレタスを間違ってしまったら人生が終わってしまうのですか?

「さあ!この中からレタスを選びな!」
「……おばあちゃん。この中に、レタスはいない…!」

「本当にそれが答えだね?」
「…うん!」


「大当たり〜!!!!」


このような『千と千尋の神隠し』的な局面があなたを待ち受けているというのですか。不正解だったらお父さんとお母さんはずっとキャベツのままなのですか。

いいえ、多くの人はそうではありません。レタスとキャベツを間違えても、きっとご両親は人間のままの姿。あなたも八百万(やおよろず)の神々が疲れを癒す湯屋で働き続けることはないでしょう。

あなたの人生は終わりません。

ただどうしてもレタスとキャベツを見分けたい方に今回はヒントを与えましょう。


サインを見逃さないこと。


たったそれだけです。特別な力は何も必要ありません。彼らは必ずと言っていいほどサインを放っています。そしてそのサインを読み取ってあげればよいのです。


それではゆっくりと目をつぶって。
はい、深呼吸。
頭をからっぽにして、宇宙をイメージ。

はい、果てしなく続いています。

レタスとキャベツが浮いています。

徐々に、徐々に、一つになっていくのがわかりますか。

もうすぐですよ、もうすぐ。

はぁぁい、一つになりました。


「キャタス」の誕生です。
「レタツ」でもいいです。


おつかれさまです。目を開けてください。
それではサインを感じてみましょう。




これはレタスです。ここにはレタスがあるという大きなサインを感じますね。税込み価格まで伝わってくる非常に雄弁なサインです。



キャベツですね。きゃべつと言うべきかな。どうですか。産地まで伝わってきているんじゃないでしょうか。それほどのパワーあるサインです。


驚いている方が多いようですね。そうなんです。必ずと言っていいほどサインがあるのです。お野菜を売っているお店は「レタスとキャベツどっちでショー」をさせたいわけでは決してありません。レタスを求める人にはレタスを売ってあげたい、キャベツを求める人にはキャベツを売ってあげたい。そのためにお店、レタス、キャベツが一体となってサインを放っています。ですからそれを受け取ってあげてください。


しかしながら冒頭でも申し上げた通り、レタスでもキャベツでもどっちでもいいことを忘れないでください。レタスとキャベツはつながっているのです。
それでは実際の事例についてもお話をしましよう。


ロールキャベツ的なものはキャベツを使わなければいけない

こんな風に思ってしまったことはありませんか。みなさんにご紹介したいお友達がいます。


ロールレタスです。
➡︎レシピ
 

包んでくれるのはキャベツだけではありません。レタスだってあなたにそっと寄り添い、包み込んでくれます。あなたさえ拒絶しなければ。


回鍋肉(ホイコーロー)を作りたいのにレタスを買ってしまった

いいんですよ、レタスを使っても。火力の調節がキャベツとは勝手が違うので戸惑うかもしれません。食感もいつもの回鍋肉と何か違う。だけどその「違い」を楽しんでみましょう。失ってしまったワクワクが蘇ってきませんか?➡︎レタスを使った回鍋肉のレシピ


レタス、千切り、ダメ

千切りはキャベツの専売特許ではありません。あなたが望めばどんな野菜も千切りにできるのです。「レタスのちぎりサラダを大きな口を開けて食べるのは恥ずかしい」。そんな愛すべき恥ずかしがり屋さんには、小ぶりなレタスの千切りがオススメですよ。


レタスで「なければいけない」
キャベツで「なければいけない」
そのような強迫観念から解き放たれましょう。
レタスとキャベツはつながっています。



私もかつてはレタスとキャベツを見分けることに必死でした。しかしある事件がきっかけで気づいてしまったのです。どっちでもいいんだと。
実際、事件が起きた時には多くの人に迷惑をかけてしまいました。だけど巻き込んでしまった人が見えない力でつながっていく瞬間に立ち会うことができたのもまた事実です。
そして私の中で、レタスとキャベツが一つになっていったのです。

「キャタス」の誕生です。
「レタツ」でもいいです。


このような若い時の原体験がもとになり「レタスとキャベツで世界が一つになる会」を発足させました。おかげでこのような機会を頂くことも多くなり、みなさんには非常に感謝をしています。今後ともわたくし、木原かなこをよろしくお願いいたします。

どちらでもいいのです
レタスでもキャベツでも



そしてありがとう
わたしの彩りサラダ


-おわり-

photo by Serge Costa


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