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2022年に読んだ本の中からオススメを紹介|京都芸術大学 通信 空間演出デザイン

こんにちは。
京都芸術大学 通信教育部 空間演出デザインコースに在籍するひじきです。

みなさんは今年、本を何冊読みましたか?
そもそも読書は好きですか?
ただでさえ課題で忙しいのにわざわざ参考文献を取り寄せて読むのは面倒くさい。課題に直結しない本ならなおさら後回しになってしまいますよね。

自分はというと、本は好きなんですが普段からまったくといっていいほど読書の習慣がなく、年に5冊も読めばいいほうでした。
ただ、課題に取り組むにあたって圧倒的な知識不足を自覚していたので、とにかく気になった本を見つけたら片っ端から読み漁りました。

結果、2022年度は参考文献も含めて約80冊、雑誌も入れるとおそらく100冊以上の本を読みました。
中には斜め読みしたものや部分的にしか読んでいないものもあります。途中で投げ出した本もありましたが、読書によるインプットが課題制作に直結していると感じた経験も多々あります。

今回は、今年読んだ本の中から個人的にオススメだと思うものをいくつか紹介したいと思います。



『まだ見ぬわかものたちに』

いきなりですが、本ではありません。
これは京都芸術大学の創設者である德山詳直が「本当の美とは、豊かさとはなにか」ということについて語った言葉をまとめたものです。

入学時に冊子として配布されるのですが、芸大生として学びとどう向き合うか、そしてその学びを人生にどう生かしたいかを問いかけています。
入学当初、この冊子を読んで自分の持つ可能性の広さを実感し、胸が高鳴ったことを覚えています。
大学での学習の前にぜひ読んで欲しいものであり、学びに行き詰ったときに読み返したくなるものでもあります。

https://www.kyoto-art.ac.jp/info/about/philosophy/pdf/young.pdf


『なるほどデザイン』

実はこちらは今年読んだ本ではないです。(いきなりの趣旨崩壊ですみません。)
「デザイン本 おすすめ」で検索すると必ずと言っていいほど紹介されている本で、今後デザインを学んでいく上で必ず押さえておくべき内容が非常にわかりやすくまとまっています。
デザインの学習をはじめる上で必ず目を通しておくべき1冊とも言えるので、あえてここで紹介しました。

「デザインについて学びたいけど、なにから始めればいいかわからない」という方はとりあえずこれを読んでおけば間違いないです。


『そもそものデザインのりくつ』

『なるほどデザイン』と被る内容もあるのですが、『なるほどデザイン』が「デザインするうえで覚えておくべき最低限のルールや考え方」に重点をおいていたのに対し、こちらは「思考の整理やデザインの前段階の情報整理」といったことからわかりやすく書かれているのが非常に印象的でした。

観察力、思考力、言語化力を鍛えるワークも実用的で、「ある程度デザインを学んだけど、なんかうまくいかない」という人にこそオススメの本です。


『「奇跡」と呼ばれた日本の名作住宅』

空間演出デザインコースに入学したものの、建築が特別好きでもなく、興味もなく、知識もない自分が課題に取り組むのは本当に大変でした。
有名建築の事例を探しても海外の建築物が紹介されていることが多く、スケールから風土からライフスタイルまで何もかも違うため、イメージしづらかった覚えがあります。

この本は名作と呼ばれる日本建築に限定して紹介されているため暮らしぶりのイメージがしやすく、また、中には実験的な建築も紹介されていて、建築に興味を持つきっかけの一つとなりました。


『いちばん楽しいマンションの間取り図鑑』

「すまいのリノベーション」という課題に取り組む際に読んだ本です。
マンションのリノベーションプランを作成するという課題なのですが、当然リノベーションプランを作った経験などなく、がらんどうの平面図を前に呆然とした記憶があります。

この本は名前の通りマンションのリノベーションに限定した事例が載っています。リノベ前の間取り、専有面積、家族構成などとともに鳥瞰図で分かりやすく間取りが紹介されていて、「60㎡」のサイズ感すらわからない自分にとってはまさに救世主ともいえる1冊です。

※すまいのリノベーションについてはこちらに書いてます。



『観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか』

1年間課題に取り組んできて自分の視野の狭さ、発想の貧弱さに何度落ち込んだことか。数えだしたら切りがありません。
視野の広さや発想の豊かさとはすなわち観察力の高さだと思っています。

この本の著者は「ドラゴン桜」や「宇宙兄弟」の編集者としても知られる佐渡島庸平さん。実体験をもとに、「観察を阻む要因」と「観察力を向上させるサイクル」について書かれています。
特に、観察力をゆがめる様々なバイアスに関する項では、バイアスを完全に取り除くことは不可能に近いが、自覚・意識することで逆に生かすこともできると書かれており、非常に興味深いです。クリエイターを目指す人にオススメできる本です。


『ほどよい量をつくる』

デザインをはじめ、様々なテーマをわかりやすく解説する本を出版するインプレスと、独自の視点で魅力的な本を出版するミシマ社がタッグを組んだ『しごとのわ』シリーズの1冊です。

「適正な量を適正な価格でつくる中量生産こそがものづくりを豊かにする」という考え方のもと、「商品の量」「顧客とのコミュニケーション」「商品の届け方」の3つの視点から「ほどよさとはなにか」について書かれています。
魅力的な事例をもとに、「ほどよさ」と「経営」のバランスをさぐる名著で、大量生産・大量消費の資本主義社会に生きづらさを感じている人に読んで欲しい、今年のベストオブ読んでよかった本です。


◇ ◇ ◇

まとめ

読書の習慣がほとんどなかったので、次から次へと押し寄せる課題の中で本を読む時間をつくるのは大変でした。ただ、「今年はとにかくインプットしまくる」ということを意識して、気になった本を片っ端から図書館で借りて読んでいました。

読んだ内容をすべて覚えているわけでもないですし、本を読んだことで劇的に何かが変わったということはないですが、それでいいとも思っています。
手に入れた知識は今後の作品に必ず生きてくるはず。

仕事に課題に忙しい学生生活ですが、図書館などを活用しながら気になった本をとにかく手に取ってみることをオススメします。

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