
マーケティングの基本!セグメンテーションとは?
【簡単にいうと】
セグメンテーションとは「顧客の特性を理解するために、顧客を様々な軸でグルーピングすること」です
セグメンテーションを通して、自社に適した顧客グループを見つけ、そのグループに適した戦略策定とマーケティングを行います。
一見、セグメンテーションは難しい作業のように感じますが、何ら難しいものでなく、常日頃私達がやっていることなんです。
例えば、下図のように人々をグルーピングしてませんか?これも立派なセグメンテーションなんです。

ただ、ビジネスとなると… 予算が発生することからも、対象の顧客数の試算や皆が納得する論理性が求められます。
感覚でのセグメンテーションでなく、データドリブンなアクションに繋げるためにはどうしたらいいのか?それには3つの分析軸の活用が有効です。
セグメンテーション3つの分析軸
① デモグラフィック属性(人口統計的変数)
② サイコグラフィック属性(心理的変数)
③ ビヘイビアル属性(行動変数)
デモやらサイコやら… カタカナばかりですが、難しくはございません。
次から、具体的に3つの分析軸については解説していきます。
① デモグラフィック属性
デモグラフィック属性とは、男女、年齢といった身体的な特徴や、居住地域、世 帯人数、学歴、職業、収入など、その個人の持つ人口統計として利用されるような属性のことを示します。

例えば、あなたが高級化粧水のマーケターだとして、デモグラフィック属性でターゲット選定すると下記のように考えるかもしれません。
例)デモグラフィック顧客選定:
女性で正社員で世帯年収が高い首都圏の人は 高級化粧水を買うはずである。
しかし
購入可能性に対するギャップ:
女性だからといって、高級化粧水を欲するわけでない 年収が高いからといって、高級化粧水を買うわけでない 首都圏在住だからといって、高級化粧水を求める人が多いわけでない などなど
といった様々なギャップもあり、これだけで判断するのは時期尚早です。
②サイコグラフィック属性
サイコグラフィック属性とは、好き・嫌い、欲しい・欲しくない等、ある事柄に対する、個人の心理的な特徴(欲求や嗜好性)を変数化した属性です。主にアンケートデータから得ることができます。

例えば、サイコグラフィック属性でターゲット選定を行うと
例)サイコグラフィック顧客選定:
アンケートで”高級な化粧水が好き”と答えた人は 高級化粧水を買うはずである。
と考えることになります。しかし、
購入可能性に対するギャップ:
高級なのは好きだけど、常日頃は安い化粧水で十分 高級化粧水は好きだけど、特定のブランドしか買わない 既に高級化粧水はたくさん持っており、当分いらない などなど
サイコグラフィック属性だけでも判断に十分とは言えません。
③ビヘイビアル属性
ビヘイビアル属性とは、購入日・利用頻度・購入金額など、その個人が実際に行った行動の履歴を変数化したものです。
例えば、ビヘイビアル属性でターゲット選定を行うと
例)ビヘイビアル顧客選定:
過去に高級化粧水を購入してて、高級化粧水の検索回数が多い人は 高級化粧水を買うはずである。
ビヘイビアル属性は、実際の行動をベースにしているため他の属性より確度が高いとは言われていますが…
購入可能性に対するギャップ:
過去にその高級化粧水は買ったけど、自分には合わなかった 既に商品は持っていて、口コミを検索している などなど
あくまで、ビヘイビアル属性は過去のデータであり未来の確実性を明示するものではありません。
各属性のまとめ

属性を組み合わせることの大切さ
見てきたとおり、デモグラフィック、サイコグラフィック、ビヘイビアル…
それぞれの属性でもギャップがあり、完璧と言える属性というのは存在しません。
それでも、
女性であれば、高級化粧水を買う蓋然性は高い
高級化粧水が好きと答えた人は、高級化粧水を買う蓋然性は高い
高級化粧水を買ったことがある人は、高級化粧水を買う蓋然性は高い
のです。
お金をかけてマーケティングを行う以上、ROIのいい顧客セグメントを抽出しないといけません。
だからこそ、属性を組み合わせたセグメンテーションを行うことで、より合理的なターゲット選定に繋がります。例えば、
例)属性組み合わせによるターゲット選定:
デモグラフィック属性:女性かつ世帯年収が高い人で絞る
&
サイコグラフィック属性:高級化粧水が好きと答えた人で絞る
&
ビヘイビアル属性:高級化粧水の購入回数が多い人を絞る
このように、従来のデモグラフィック属性で対象を大きく絞り、サイコグラフィック属性で曖昧な心理的側面を変数に置き換え、ビヘイビアルで対象の行動を鑑みることで、キャンペーン効果の確度を上げることができます。
キャンペーンを打つにあたっての効果的な手法については「マーケティング効果を最大化するSTP分析」で解説していますので、そちらもご参照ください。
参考)ジオグラフィック属性
ジオグラフィック属性は、デジタルマーケティングでは使用することは稀ですが、リアルマーケティング(実地での販促など)では有効です。
ジオグラフィック属性とは、国や地域、都市の規模、気候などの地理的特徴を示したデータのことです。
例えば、
・都市部では単身世帯の割合が高い
・名古屋は味噌味、関西は薄口醤油
・日本海側は豪雪地帯
など
地理的特徴が消費行動に与える影響は強いものです。
特に、B2Cといった不特定大多数に商材を展開する場合は重要な指標となります。
只、モノ溢れ&価値観の多様化が進んでいる昨今では、
ジオグラフィック属性だけでは不十分なことも多くなっており、サイコグラフィック属性など他の属性をかけ合わせたセグメンテーションがより重要となっています。