「継続は力でしかなかったよ〜戦場のメリークリスマスが弾けるようになったんだ」の話

ある時、息子が言った。

「お母さん、めちゃくちゃピアノ練習するなぁ」 
「あ、ゴメン。うるさい?」
「ううん」
「あ、寂しい?」
「ううん」
「……??」
「頑張ってるなあって」

そっか……
私、他人から見るとこれは
頑張ってる状態に見えるのかと。

「好きで楽しくて弾いてるんよ。好きな事は本気でするって……母はそれを君から学んだのだよ」

「そっかぁ……楽しんでね」


ピアノを始めたのは幼稚園の時。

幼稚園のピアノを女の子が弾いていた。
高速の猫ふんじゃった。
(ピアノ弾く人は誰しも絶対にするヤツ)


「スゴい!もっと速く弾いて〜」

彼女はスピードアップした。

「スゴい!もっと速く弾いて〜」


彼女は更にスピードアップした。

「スゴい!もっと……」

「自分で弾けば?」

彼女は少し怒ったような
面倒くさいような感じで
そう答えるとその場から消えた。

(もっともだな)

私は思った。
ピアノを弾いてみた。

(全然弾けんわ)

そうね、ピアノ習おう。

小学生くらいまでは頑張ってたけど、中学生くらいになり練習はほぼしなくなり……
やめてしまった。


そして……
数年前電子ピアノを買った。
ROLANDの白くて可愛いヤツ。




夜中に気兼ねなく弾けるようにヘッドフォンを付けられる電子ピアノが良かろうと、深く考えずに

「白いピアノ!カワイイ!」

と秒で決めた。

どうしても弾きたい曲があった。
むかーし、弾いてた大好きな曲。

「戦場のメリークリスマス〜Merry Christmas Mr. Lawrence」

あまりピアノに熱心でなくなった私に
先生は私の好きそうな弾きたくなりそうな曲を
見つけて持ってきてくれた。

初めて聞く坂本龍一。



私は一発で魅了された。

(何なん……この今までにない音の感じ……)


スキ!!

  
まんまと引っかかる中学生のチョロつくねであった。


メガネ光る
で検索したらこんなん出てきたよ。

(誰が考えたんかな……もう思いついてから、「うぉー!オマエは天才か!」ってなってトントン拍子に商品化されたんじゃろうなぁ……楽しい会社だな)

(うわぁ……ちょっと欲しくなる)

さして難しい曲ではなかった。
30年ぶりに譜面をみてもその感覚は
変わらなかった。

そして。

私は滑らかに曲を……

奏でられない!!

ふ、ふ、
譜面が……読めん!!

かろうじて
ト音記号のド〜ドくらいは分かる。
ヘ音記号もド〜ドくらいは分かる。

後は……

「ドレミファソ……」

指をさして、ひとつひとつ確認。

ヒィェ〜!!
小学生の頃に戻ってる!!

こんな……
こんな難しかったっけ?

(中学生の時は、労せず弾けるようになってたハズやけど……)
 
はっはーん。
スキルの獲得。
手に入れるのは難しいけど
失うのは容易いって訳ね。

あぁ……

(もう、いいや。ドの音もレに聞こえるし)

割とすぐ諦めた。
ピアノは部屋の風景となった。

転機は数年後やってきた。
私はnoteに出会い、音楽をやろうと決意した。

そしてピースサインという私にはとても難易度の高い曲を懸命に練習した。

ふと

(あ!戦場のメリークリスマス!弾いてみよう)

すると……

弾ける!
以前挑戦した時と比べて明らかに上達している。

まだつっかえるし、下手くそだけど……

それでも。
あー、そうだ、この感じ。

上手くはないけど気持ちを身体ごと……
つくねのすべて……

込めるんだ。
曲に没頭する。
こうやって弾くんだったな。

あー……やべ。
泣きそうだ。


好きこそものの上手なれ。
継続は力なり。

つくねはそれを息子とnoteの人々から教えてもらった。

せっかく手に入れたこの力を
失うのは一瞬なので。

私は今日もピアノに向かう。

(ピースサインと薔薇の夜は譜面を書いてないので毎日弾いて記憶しとかなけばならない)



やっべ、なんか真面目な記事になったな?
こういう時は……

助けて、ボケての人々〜!



ふふっ。
(大満足)

This is 人の褌で相撲を取る。











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はらつくね
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