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「神の作りしふたつの奇跡」の話

あれは……

ある百貨店で小さな和雑貨のお店がオープンする……

そこのオープニングスタッフとして働き始める時のお話。


お店のオープンに向けて、ある会社で私と相方の二人は遅くまで連日働いていた。

その会社は女性の社長が経営する、小さな会社でスタッフは二人。

企業の商品開発や、販促、割と何でもやっていた。

私達はそこへ出向いて、雑貨屋さん立ち上げまでの間、あくせく働いていたのだ。


社長は仕事の出来る人で……

圧の強い人でもあった。

年齢は50位だったか……

色んな事で怒られ、ダメ出しをされまくっていた。


名前を呼ばれては……

ビクッ!

質問をしては……

ドキドキっ!


社長が恐かったのは勿論だが、私も24歳……未熟者であった。

(今なら、さほど社長も怖くないし、そんなにヤイヤイ言われない……ハズだ)


忘れられない社長の口癖が……


「着地はどこ?」


この言葉を何回聞いた事だろうか……


私がちょいちょい記事を書いていて

着地が分からん!

ってなってる時……

(やべぇ……社長に怒られる)

って思いかけ……

(いやいやいやいや!ここはnote!着地が分からんでも誰も怒らないよ〜フフフ)

ってなってしまう程に刷り込まれている。


お店がオープンし百貨店での勤務が始まった時の解放感たるや……

如何ばかりであったか……

想像に難くなかろう。


そして、オープン初日。


我々は仕事後……

シャレオツカフェにてパスタを食べよう、という事になった。


目に飛び込んできたのは

【エビス 黒生】


目を合わせ、頷く我々。

我々はあの精神的激務を経て

完璧なるアイコンタクトが出来るようになっていた。


そして……

来たのはまさかの

瓶ビール!


「瓶か……」

「瓶じゃな……」


コジャレたカフェで……

本気で飲むのが(周りに)伝わる!


そして……

トクトク……と注がれる綺麗な黒ビール……

「おー疲れーっ!」

「カンパ~イ!!」


ゴクンと喉を通っていくエビス黒生エビス、行きまーす!!

季節は10月くらいだったように思うが……


「えっ……うまっ!」

「めっちゃ美味いんやけど〜っ!」


こんなに……

こんなに美味しかったか!?

エビスの瓶の黒ビール……


「何だコレ……労働の後だからか?」

「美味くて笑けるなぁ……」


後にも先にも……

あんなに美味しいビールはなかった……


お次の奇跡は……

ききき、北川景子さん!

いつの間にショートに?(気づくの遅いな?)

知らんかった……

美し過ぎじゃない?


今度の日曜日、美容院行くんだ……

ドキドキするけど、言ってしまおうかしら……


「北川景子さんみたいにして下さい!」








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