「昨日すげぇ怒られた」の話〜妄想物語を添えて
昨日、この10年で堂々の一位!
の怒られた方をした。
びっくりした。
仕事で、物件の駐車場に車を停める。
空き駐車場がある時はそこに。
空きが無い場合は、入居者さんが契約中だが今現在停められてないスペースに。
昨日の物件の駐車場は、倉庫の様な空間にシャッターが付いていた。
ここまではウチの担当する物件の駐車場。
ここからは向かいの会社の駐車場、という形態。
(今日は土曜日じゃし、会社休みっぽいな?申し訳ないけど、こっそり停めさせてもらおう。スミマセン……)
しばらくして、シャッターの上がる音がする。
様子を伺うと
「車どけぇや!!」
(やっべー!!)
「すみませんっ!!」
「こっちは金出して借りとんじゃ!!勝手に停めんなや!!」
(ひえ〜、すげぇ怒っとる!)
「ごめんなさい、すぐ避けますんで!」
彼の怒りは止まらない。
「作業中か知らんけど、いっつもいっつも停めやがって、そっちの駐車場に停めぇや!」
「すみませんっ!」
(正論!)
「駐車場、全部お客さんに借りられてるみたいで……」
「知らんわ!」
「そりゃそうです!」
(確かに!)
「どこの業者じゃ?」
(あー、どうする?ここは正直に言うしかない……)
「〇〇という会社の原です」
「ホンマに迷惑しとんじゃ、二度と停めんなよ!」
「すみませんっ!二度と停めません!」
(すげぇ、返す言葉もない)
いやー、ビックリした。
予期せぬ大きい音とか、怒鳴り声とか、とてもビックリする。
私はHSPの傾向がある。
いわゆる繊細さんというヤツだ。
これ、本当に同じ。
何か……少し嬉しいのは何故だ?
(え……ロンブー敦と同じ……やったー)
話を戻そう。
(´ρ`*)コホン
なので、すぐに凹むし、傷つくし、立ち直りもそんなに早くない。
怒られるのはすごく苦手だし、全力で避けたい……
前もこういった出来事があった。
が、その時も今回も、不思議と、
ビックリはしたけど、落ち込まない。
何故だ……
と思っていたら、
(コレかな?)
という動画を見つけた。
殴るを怒鳴るに言いかえても同じなのではなかろうか。
そして、彼はそれまでの積み重ねでよっぽどのストレスを抱えていたのだろう……
恐らく、こんな物語があった筈なんだ……
彼は二代目の社長。
先代社長でもある彼の父親は20年前、彼が25歳の時に亡くなった。
地元△△の松下○之助と呼ばれた(?)先代……
従業員や取引先からの信頼も厚かった。
自分なりに努力するも、何かにつけ、先代に比較される。
彼の奮闘は続いた……
そんな彼には、陰に日向に献身的に彼を支える、3つ歳上の妻がいた。
良きパートナーであったが、体が弱く、男の子を出産するも、しばらくして他界する……
その時、こんな言葉を残した。
「お義父さんはお義父さん。あなたはあなたよ……あなたらしく、笑顔で生きて……息子と一緒に……私の分まで」
「節子ォー!!!」
しかし、彼には悲しみに暮れる暇はなかった……
息子とは、なかなか会話も出来ずに、ある日、大喧嘩をして息子は家を出ていってしまう。
(アーティストになりたいって……無理だろ)
しばらくして
事務の青木さんが、スマホを見せながら、こう告げるのだ……。
「ちょっと、社長!これ、翔くんじゃない?」
その動画には、仲間と楽しそうに笑っている息子の姿があった……
(YouTuberになっとる!)
青木さんは、更にこう続けた……
「この子達、すごく面白くて、最近はまっててね……こないだ20万人登録達成して、その記念の動画で家族の話をしてたの聞いて……あれ?これ、翔くんじゃない?って……」
動画を見てみた。
「どーもー!今回はチャンネル登録者数20万人記念の生配信しまーす!」
金髪にピンクや緑の髪の色の男子三人が雑談をしている。
ピンクの髪の男の子が話し始めた。
……Σ(`艸´;)ハッ!!
「翔!?」
紛れもない俺の息子だった。
4年ぶりか……
記憶の中のあどけなさは消えて、随分大人びている。
そして分かったのは……
母親を幼くして亡くした事を、たまに思い出して泣いてしまう事。
父親とあまり会話が出来ないまま、家を出たのを後悔している事。
働く父親の姿をカッコいいと思っていた事。
母親の命日には毎年、お墓参りをしている事。
そんな内容だったけれど、正直、途中から頭には入ってきておらず。
ふと視界が歪む……
「社長……」
ふと、青木さんが差し出したハンカチで、自分が泣いている事に気づいた。
「ははっ……息子に負けてる場合じゃないよな」
とか、そんな物語があった筈なんだ。
そんな時に、私が!
車を!
勝手に停めたりしたから!
(通算19回目とかなんだ、きっと!)
それは怒る!
誰も悪くない!!
頑張れ社長(仮)!!!
(追記)
初めて、妄想物語をカタチにしてみたのだが……
何か……
楽しいな?
人が小説を書く、その心が少し分かった……
そんな気がした……