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【エッセイ】恋愛の難しさ
「きっとさ。俺らの場合そうなんだよな。」
一人でいた方が楽なんだ。
なんだけど、二人で居たいとも思ってしまう。
一人でも楽しい。でも、二人だともっと楽しい。
きっとそれを二人とも心のどこかで知ってて、そう信じている。
でも、現実はそううまくいかなくて、それに悩まされてしまう。
だから「付き合ってる意味ある?」と君はいうんだろ?
だから「一人でいた方がいいんじゃない?」って君はいうんだろ?
きっと私も「こんなんだったら一人でいた方がいい。」そんなことを思っている自分もいた。
そう思わなければ、「何でそんなことを言うんだよ。」と、イラッとしたり、失望したり、気落ちしたりして、悲しくてたまらなくなってしまう。
でも、そうはならない自分がいた。
「そうだよな。」と、わかってしまう自分がいた。
ということは、裏を返せば自分も「一人でいたい。そっちの方が楽だ。」と、思っているということの裏付けになり、何も反論しない私に対して、もしかしたら君は察しているのかもしれないね。
「あなたもそう思っているのね。」と。
これは悲しいことなのだろうか。
無理をしているのだろうか。
冷たいことなのだろうか。
よくないのだろうか。
もう、二人でいることはできないのだろうか。
お互いのことを思えば、二人でいない方がいいのだろうか。
一人でいた方がいいのだろうか。
一人でいた方が楽なのだから。
しかし、そんな自分勝手でいいのだろうか。
そもそもこんな風に考えている時点で、違うのだろうか。
そう思っている私がいた。
これ思いを解消する術は知っている自分もいるのだが。
しかし、そうはしない私がいる。
これが事実である。
そして、私はまた悲しくなった。
私がこんな風に考えるようになったのは昔からではない。君と付き合ってからだ。
君はいつしか言った。「無理して付き合うことないんじゃない?」と。
私はその時思った。「何でそんなこと言うんだ。君は一緒にいたくないのか。」と。
私は胸を抉られる思いだった。実際に胸が締め付けられ、痛くなった。
きっと私は君から「好き」だと思われたいのだろう。
きっと私は君の「大切なもの」になりたいのだろう。
きっと私は君の「一緒にいたい存在」になりたかったのだろう。
とてもとても、とても。私のエゴである。
しかし、恋愛とはそう言うものなのだろうか。
もしくは私が望みすぎなのだろうか。
君は言った。期待は自分の思いの押し付け、だと。
君は言った。無理して一緒にいることはないと。
君は言った。無理して一緒にいるということはそういうことじゃないのかと。
そして君は言う。私と君はそもそも人間が違いすぎると。性格が違いすぎると。
それは私も思う。認めている。
だから、そこに「寄り添う」という感情がなければ終わりだと思っていた。
また、考えてしまう。
もしこの「寄り添う」という気持ちがなくなってしまったらどうなるのだろうと。
そして思ってしまう。私への比重が多すぎないか、と。
そして思ってしまう。「もういいか。」と。
しかし、そうは思っても君を前にすると、そのような感情は、泡ぶくのようにいつのまにか消えて無くなってしまう。だから思い出すこともできない。