乗り遅れの「あんバターサンド」。
どこの店舗に赴いても、ほっと一息つけるスターバックス。憩いの場であることは間違いなく、老若男女問わず愛されているカフェ。学生服を着ている子がフラペチーノを飲んでいる姿を見ると、「リッチだ…」と思うのは私が歳をとったからだろう。かなしいや。
いつの間にかショーケースの中で鎮座していたあんバターサンド。出てきた当初は興味津々だったものの、チョコレートチャンクスコーン先輩の安定感に逃げたり、期間限定のケーキに目を奪われたりして、一旦タイミングを逃したばかりに食べ時を見失った一品。
「期間限定のものだろうし、いつか食べよう。」と思ってどれくらいの年月が経ったのだろうか。
「スタバ あんバターサンド いつから」
と調べてみたら、「2021年9月22日」という情報が出てきた。嘘でしょ、もう一年前。期間限定の商品じゃなかったの。
あーだこーだ言いながらも、この度ようやく食べられた「あんバターサンド」を僭越ながらレポさせていただきます。
ショーケースの中で堂々とした面構え
いざあんバターサンドを求めてスタバに赴いたのは初めてだ。しかもこの時はスイートポテトデニッシュや、なめらか栗モンブランなどといった、秋の味覚大爆発!!のような最高のラインナップが軒を連ねている。
中でひっそりと慎まやかに佇んでいるのかと思いきや、
堂々たる面構えである。
ど真ん中は譲らんという圧を感じた。
商品の入れ替えも激しい中、チョコレートチャンクスコーン先輩の隣で「え?ずっとここに居ましたけど?」と堂々した顔で座しているあんバターサンド。
えっ、すごぉい。身体の大きさは控えめでありながら、この場所は私のものだ!!と言わんばかりの並び方。なぁ、あんバターサンド……。私の知らない間に恒常メニューになっていたんだね……。
いざ実食。
価格は300円。ガチャガチャ一回分とお手頃な価格だ。。ガチャガチャって高くなったよね…。
一口齧りつく。噛んだ瞬間にフランスパンの香ばしさがすっと鼻から抜ける。次いで餡の甘さ、バターの塩気が追ってくる。なるほど、これがあんバター。
パン生地はすごい歯切れがいい。ソフトなフランスパンといった食感。あんバターの存在の重さをそっと支えて助けるような軽めのパンだ。「主役はあんバター。私は控えなのですよ。」と言わんばかりに優しく挟んでくれている。
パン自体の香りはすっと駆け抜けて控えめであるが、表面の香ばしさと重なると柔らかな小麦のが喉元を過ぎていく。我が強くないところが好ましい。メインをよりおいしく食べるための引き立て役に絶妙なパンだと思う。
挟まれているあんバター、あんこ自体はとても滑らかな舌触り。水分量も多いため、さらっとした喉越しだ。
つぶあんであるが、皮はあまり多くない。しゃりっとした皮の食感は控えめに感じた。つぶあんをメインに楽しみにしていると少し物足りなさを感じるかもしれない。
しかし、ここで真打、バター様の登場だ。バターのこってりとした油分がつぶあんを覆う。バターの塩気は薄めだが、その油分と少しの塩気でつぶあんの甘さを引き立てる。
つぶあんの甘さ、バターのもったり感が口の中に根ざして「ああ、私は今あんバターを摂取している…。」という実感を強く感じさせくれる罪なヤツ。甘いとしょっぱいが一緒になると無敵なんだなぁ。
しばらく食べ進めていると口に据わるバターの油分が気になってきた。ホットコーヒーを一口。コーヒー自体の苦味で口の中の甘さが薄くなる。すっきりした安心感でほっと一息。ここでふんわりと香る小麦の余韻に酔いしれた。
思えば初体験。
あんバター、考えてみれば人生初めて口にしたかもしれない。これは話題になるのも頷ける。つぶあんのさらりとした舌触りにバターのまろやかさが足され、もったりとした餡になるのは反則。美味しいや。
スタバのあんバターサンドは控えめなサイズのため、あんバター初心者に優しかった。あんバターデビューがスタバで良かったと今更ながら強く思う。
あのサイズがデビューにはベストだった。手のひらに乗る小ぶりなサイズ、甘い!!!というものでもなかったため、小腹が減った時にスナック的に食べられるのも嬉しい。
あんバター初心者にはまだバターとあんの比率がどれくらいがベスト、というのはわからない。今度はベーカリーやモーニングで提供されているのあんバターを頂いてみよう。こうして人はハマっていくんだなぁ。