あの時のお母さんの気持ち
発達障害の子を持つ親歴11年と9ヶ月
診断が下りてからはもうすぐ10年になる
今なら私は、次男のコトを伝えたいし
なるべくなら知って欲しいと思う
そして、その反応に対して
一喜一憂することもほぼ無くなった
でも、まだ伝えることに躊躇していた頃…
なんて言えばいいのか分からなかった頃…
聞いた相手が、何て思うのか怖かった頃…
なんてことない言葉に打ちのめされたり
言った後の空気を必死に察知しようとしたり
自分の思うような言葉が返って来なかった
やっぱり他人事…
どうせ本当の気持ちなんて分かってもらえない
そんな被害者意識をずっと抱えていた
今、改めて『伝える』ということについて
考えてみた時に、『伝えられる相手の気持ち』
ってどうなんだろうと想像してみた
そしたら、あの時のお母さんを見ている
自分がふんわり思い浮かんだ
それは、次男がまだ診断を受ける前の
赤ちゃんだった頃
長男は幼稚園に通っていて、同じクラスに
今思うと自閉症だろうというお友達がいた
その子は、補助の先生がいつもピッタリついていて普段から少し目立っていた
発表会では、皆と同じことが出来ず
座って参加したり大きな声を出していた
ふと、その子のお母さんの方に目を向けてみた
お母さんは、真っ直ぐに、目を逸らすことなく
ただただ自分の子を見つめていた
私だったら耐えられないかもしれない
その場から逃げ出したいと思うかもしれない
お母さん、どんな気持ちで見てるんだろう…
お母さんを見ながらそんな事を思った
そして、想像してみようとした
お母さんの気持ちになってみようとした
だけど、全然分からなかった
その時の母さんの本当の気持ち
お母さんに聞いてみたり知ろうともしなかった
自分だって全然分からなかったのに…
分かってもらえない…
伝わらない…
思った反応じゃなかった…
それって当たり前なんだ
自分と相手の立場は違うから
経験していることも違うから
だから、被害者意識を持って絶望したり
線を引いたり溝を作ったりしなくていい
相手と自分は違う
ただそれを知れればいい
お互いに認め合えればいい
知ってもらおうと伝え方を考えたり
分かりたいと話を聞いたり
そこにお互いを思う気持ち
尊重し合う気持ちさえあれば
本当の気持ちを分かってもらえなくても
相手の本当の気持ちが分からなくても
今ならそれでいいと思える
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?