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未完の大作

何年も連載されていて、巻数も多い大作が世には無数存在する。

そして、未完のまま、作者の方が亡くなってしまうという、ケースがある。

これまで、私が愛読していた2つの作品がそういう事態になってしまった。

グインサーガ

中高時代に影響されまくっていた、栗本薫先生の代表作。

100巻完結を目指し、1979年に一巻目が上梓された。

2005年に100巻目が出るも、ストーリーは完結できず、以降も巻が重ねられていく。

そして、2009年に130巻までいったところで、先生が膵臓がん亡くなられてしまう。

その後のプロットは残されていなく、いくつかの今後の展開についての覚え書きのみがあったそうだ。

それが元とされているかどうかは定かではないのだが、2人の作家により、続きが今現在も書かれているとのことだ。

私は、先生がまだ存命中の時でも、シリーズを読まなくなってしまっていたのだけれど、こうして先生が亡くなった後でも、シリーズが続いていることに対して、なんともいえない畏敬の念のようなものをおぼえる。

グインサーガと同じ世界が舞台の他の作品もいくつか発表されているのだが、先生が「この世界がどこか別世界に実在しているような気がする」
とどこかで書かれていて、さもありなん、かもという気になってしまうのだ。

ベルセルク

アニメ化もされている、1989年から連載され、現在43巻まで出ている。

この作品も、2021年に作者の三浦健太郎先生が急逝されてしまい、森恒二さんという別の漫画家とアシスタント達の方たちによって連載が引き継がれている。

グインサーガの場合と違って、森先生が三浦先生から、ラストまでの綿密なストーリー展開を生前に聞かされていた、ということだ。

実は、まだ引き継がれてからの連載はまだみていないのだけど、「ほぼ違和感を感じなかった」との感想を多く目にしている。

作家の方の個人作業でほぼ完成してしまう小説に比べて、漫画はアシスタントがいる共同作業だし、構成なども編集者も多くかんでいる、という、映画やドラマに近い感じなのが、大きな差なのであろう。

先生本人亡くなられたのは、大きな損失に他ならないけれど、確実にラストがみられるという安心感は感じている。

…ここまで書いて、不安に思っていることがある。

1976年から続く、例のあの少女漫画の大作である。

この作品の結末がわからないまま、もし先生が…ということを、多くのファンが心配していることこの上ない。

(皆さん、どの作品を指しているかお分かりだと思うし、ここに書くのは縁起でもないので、作品名は出したくない)

先生ご本人は、「絶対完結される!」とおっしゃている、ということなのだそうなので、私もこちらから祈っている。

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