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ツキノポエトリー

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いつも孤独を抱きしめながら、放課後のほとんどを書店で過ごしていた中学時代。銀色夏生さんの詩集に心がふるえて、詩を書き始めた。 今も孤独を愛し、書くことで心を満たす。 ツキノポエ…
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#言葉

詩|心の四季

冷たい強風に煽られながら 駅までの道を歩いた マフラーを忘れて寒さがしみる 午後二時のホー…

月乃
9日前
83

散文|青い月と僕。

小川に笹舟を流すような優しさだけで、詩を書いていられたら幸せだったけれど、時々、言葉は風…

月乃
3週間前
51

詩|小樽運河

あの、まだ夏とも言えない湿った季節 あなたの手を握りしめて 運河沿いを歩いていた 噂どおり…

月乃
3週間前
80

詩|星降る木曜日

濃紺の夜空に真鍮の三日月が刺さって 傷口からじわりと滲む冷たい血液 わたしを静かに蝕んでゆ…

月乃
1か月前
73

詩|消えない怒り

わたしはどうしようもなく怒っていて この怒りをどうしていいのかわからず 落ち着きのない感情…

月乃
1か月前
42

詩|満ちても欠けても

なにもかも思うようにいかなくて ぼろぼろのわたしがここにいて でもこの世界のどこかでは だ…

月乃
1か月前
84

詩|青と白の真ん中で

午前7時の月をつかまえて 不安そうにうつむいている 閉じたカーテンの向こう側 聞こえてくる太陽の笑い声 描いた夜が終わりたいと言い 清らかな朝が始まらせてと言う 思わず耳を塞いでしまうほど世界の声は美しい 終わりのような始まりの時間 もっと空の色が海王星ほど青かったら あの白い月が鯨の涙ほど純白だったら 永遠と呼ばれるものを 信じることができたのかもしれない 迷いのない青にほんの一滴だけ 心細さの白を落としたような朝空 青と白の真ん中で /  月乃 #ソネット #

詩|バラ色の日々

いのちの重さをはかりながら生きていた のこりのいのちを数えながら生きている それでもそれ…

月乃
2か月前
79

詩|見えなかった未来で

ふわっと風が跳ねて 瞬いて目を閉じて 午後の優しい光を 瞼の上で受け止める 干したシーツの…

月乃
2か月前
48

詩|いま

今は どんどん過ぎていく 今も 今も 今も さっきとは もう違う 今が 今が 今が 今が…

月乃
2か月前
37

詩|白い声

真っ白な時間が積もっていく音 たとえ耳が壊れてたって聴こえる 張りつめた空気が静寂を奏でて…

月乃
2か月前
58

詩|雪を待って

冬空の隙間から白い声 ずっと雪を待っている 凍える心はふるえるだけ 燃えているのは太陽だけ …

月乃
3か月前
56

詩|コトバの散乱

記憶の蓋をひらいてウミガメの産卵 ぽろぽろと産み落としてく言葉を 丁寧に文字にして並べてい…

月乃
3か月前
44

詩|月にさよなら

見たくない夢をみて 泣けないのに涙だけこぼれて 見たかった夢を忘れて 泣いているのに涙さえ出ない 甘えてる場合じゃなかった 諦めてる場合でもなかった 萎んだ心も褪せた空も変わりゆく あの偽物みたいな雲だって流れて 手が届きそうで届かないのがやっぱり月 追いかけても逃げてゆくのがやっぱり月 とらわれるのは苦しくて それが愛だと言われたらもっと苦しくて だからわたしはどこまでも月でいたかった だれも立ち入ることのできない領域で 月にさよなら / 月乃