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人の力を借りまくった本づくり(うッすい文庫サイズでね)~文学フリマ東京39への道のり(8)

文学フリマ東京39があった日からすでに四日。
あのときの熱気は、日々の忙しなさに押し流され、どんどん遠のいていきます。けれど、私の手元に残った、文庫サイズの薄い本たちは、まだ今も、ほんのりと温かい息づかいを伝えているようです。

みんなも、本を作るといいよ!
と、多くの人がお薦めしているその理由が、いまは、私も分かります。
だって、まったくのはじめてでも、それなりに満足できる本が作れる!
そのうえ、文学フリマなんて、ハラハラ、どきどき、ワクワクするチャンスも広がっているのです。
てなわけで、本日は、超初心者による『実録・人の力を借りまくる本づくり』について書いてみます。

さて、最初に 本づくりの流れは、以下の通りですが、ここでのポイントは、多くのみなさまのお知恵を拝借して、できるだけ簡単・安価に作る!ことです。
したがって、新しいソフトも買わずに、本文はWord、表紙はCanvaで作成しました。


1. 原稿の準備と、仕様の決定(および注文)

 まず、本づくりに必要なもの、それは「原稿」です。
こればっかりは、他人の手は借りられません。それだけに、私はこの原稿の準備に時間がかかりました。
なにしろ、イベントの3か月前に、小説本を出す!と決めたわけです。
しかも、書くのがおっそい人なので、昔の作品を書き直そう♪と安直な方法を選びました。
しかし、久しぶりに再読したら、身をよじりたくなるほどダメダメで、修正に悩みすぎて2か月が経過しました・・・💦

無駄に日々が過ぎるのもなんなので、原稿書きに行き詰ったときには、先に印刷の注文予約に走りました。
あ、その前に、どこの印刷屋さんにお願いするかも、検討しなければなりませんね。
私は、いちおういくつか印刷屋さんを見てみたのですが、業界内最安!でピカイチ!なことが判明したので、ちょ古っ都製本工房さんに決定しました。

注文となると必要なのは、本の仕様の決定です。
まずは、本のサイズとページ数。
私は今回、文庫サイズのA6判(高さ148㎜、幅105㎜)と決めていました。なにしろ、
薄くて小さければ、家に在庫がたくさん残っても邪魔にならない。
薄くて小さければ、買う人の鞄のなかでも邪魔にならない。
という、いいことづくめですからね!(ひっそりを志向する生き様の場合)

なお、基本的に、本のサイズ、ページ数が大きいほど、または表紙や本文で使う紙が高級になるほど、お値段は上がりますが、なんと、A6版と、一回り大きいB6版のお値段は同じなんですね。

また、通常出版社で発行する文庫のサイズって、会社によって微妙に違っているそうです。今回、文庫サイズを選ぶと、高さと幅を微妙に変更できるのですが、A6版よりもお値段がやや高くなると注意書きがありました。

で、次にページ数です。
これは、あとから変更もできますが、私のように短い短編1つしか持ちネタがない場合、薄すぎて本にならないかも?!という不安がありました。

いったい何文字あれば本として通用するの?というと、印刷屋さんのホームページによると、無線中綴じ(別名、くるみ印刷 ←表紙の紙でくるっと巻くから)をするには、20P以上が必要だそうです。
ただし、フォントサイズや行数、文字数にもよりますね。

懇切丁寧に本づくりの情報を提供してくれるサイトが色々ありますが、下記のサイトによると、文庫サイズの場合は、1ページあたりの文字数は600~800字くらい、だそうです。

私の場合は、1万7千字ぐらいだったので、大体45ページぐらいはいけそうでした。

それにしても薄い‥‥‥。
内容が薄いのは仕方ないにしても(そうなのか?)、外見までがチープすぎるのはどうなのか。
せめて本らしい厚みを出したい!!と考えた私は、
どんな紙(表紙と本文)を使うと良いのか!?
をしばし悩みました。

文庫版の小説本では、100ページとか、200ページとかとにかく厚い本づくりを想定し、ページがめくりやすいようにとか、重くなり過ぎないようになどの注意が多く、本文用紙にはとかく薄い紙を薦めてきます。

しかし私のように、ページ数が非常に少ないから、本を少しでも厚くしたいニーズはあまりないらしく、ほとんど参考意見がありませんでした。
そこで、悩んだ挙句わたしの場合は、
表紙:アートポスト紙 200kg 厚さ約0.22mm
本文:書籍用紙 90kg(淡クリームキンマリ) 
厚さ 約0.12mm
を選びました(参考までに、㎏は紙の重さで、大きいほど厚い)。

通常、書籍用紙は70㎏が一般的ですが、文庫本サイズの全48ページですと、このぐらいでちょうどよいしっかり加減でした。
なお、背幅(厚み)は3.4㎜。
タイトル(フォントサイズ8)も入れることができました。

2.   表紙・裏表紙の作成

さて、仕様が決まりましたら、表紙、裏表紙の作成です。
これは、前述のように、全てCanvaで入稿するPDFファイルを作りました。
どうやって?
はい、それはすべてこのハナジマデザインさんの記事を参照させていただきました(深ーく感謝です!!)

ほんとう~にありがとうございます。
なお、表紙のデザインは、あちこちの素材を搔き集めましたが、そのベースは、やはりCanvaの豊富なデザインテンプレートからお借りしました。

https://www.canva.com/p/hanajima-design/

3.    本文のフォーマット、目次、奥付などの作成

そうこうするうちに、原稿もなんとか仕上がりました。
というのは嘘で、まだまだ原稿は、仕上がりません。しかし、焦りばかりが募るので、最後の駆け込みで落ち度がないように、本文その他のフォーマットも準備しておこうと思いました。

そしたら、こちらもまたこれ、とてもご親切な創作おTips@地の文講座さんが文庫本のテンプレートをご提供してくださっていました!!

たぶん、とてもとても有名な方なのですよね。
おありがとうございます~。
こちらのテンプレートを使えば、できた原稿を流し入れるだけ。
ゼラチンを溶かして型に流す杏仁豆腐を作るよりも簡単です!

と、思っていたのですが、私の場合、なぜか上記のテンプレートを使うと、フォントが変なやつに変わってしまうというトラブルに見舞われました。

じつは、私は長らくワードを使ってきましたが、正直、ほとんど縦書きって使ったことが無かったのです。
ですが、世の中には、小説などの「縦書き向けに作られたフォント」というのがあるらしいじゃないですか!
そこで、フォントについては、こちらにもお世話になりました。

こちらから、フリーのフォントをダウンロードしておいて、おかしくなったフォントをすべて修正したわけでございます。
そして、表紙と同様に、pdfファイルで出力しました。

4.    入稿

はい、ここまでくれば、表紙のpdfファイルと本文のpdfファイルができているはずですね。
あとは、印刷屋さんのサイトから、ファイルを送ればよいのみとなります。

上のどのリンクも、さくっと検索すればすぐに見つかるサイトばかりなので、この記事が一体どのくらい役に立つかは、かなり「?」ですが、まぁいいでしょう。
いちばん言いたかったのは、原稿が短くても、うすくて小さい、邪魔にならない本が作れるね!ということでした。

そして、今回の経験を踏まえまして、いつか、もっと厚くて、3,4作品ぐらい入った短編集(定価1000円ぐらい)を作れたらいいなぁ、などという野望がじわじわと胸の内に浮かぶ今日この頃です。

さて、文学フリマ東京39についての記事は、いったんここまでとなります。
長々とお読みいただき、ありがとうございました!

このあとは、日々の日記などを更新していきます。
引き続きよろしくお願いします。

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