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迷子

はじめて一人で町を歩いたのは塾からの帰り道だっただろうか。当時は園から帰宅した途端に習い事に連行されており、楽しみといえばその日のノルマを終えた後、親の迎えを待ちながら読むブラックジャックと塾長の愛犬との戯れくらいだった。そんな息抜きにも飽きてきた頃、迎えをただ待つ時間が無駄に思え、遂に自分の足で帰ることを思い立ったのだ。至る所で迷子扱いされることが増えたのはそれからだ。

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