畜生
過剰な反発心を露呈しないように抑え込み続けるだけでも大変な労力を要する。社会の畜生である自覚を抱いた時、無力感に蝕まれるのか、そんなものだと割り切れるのかという岐路に立つ。目前の幸福を断じて認めない姿勢でいると不幸な道に迷い込んでしまうだろう。かと言って、畜生である自覚がない者や、広大な放牧地と清潔な畜舎を用意された者に倣って易々と幸福を認めるのも己を見失うことと同義だ。柵の外にも内にも純粋な自由がないのだとしたら、制限の中で幸福を確保しなければならない。簡単な手段は幾らかあるけれど、他から搾取するくらいなら飼い殺される方が自分を許せる。
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