彩度
社会に出てから自分が何のために働き、生きて、老いていくのかを考え始めた。模範解答のないであろう問いに向き合うには相当の胆力が必要で、度々問題を書き換えられるような環境に耐えきれず、逃げ出したことがある。一時は部屋に閉じこもっていたが、そんな生活を続けるわけにもいかず、散歩を始めた。今こうしてカメラを携えて楽しめているのは時々一緒に歩いてくれた友人達のおかげだ。カメラを始めたきっかけも、目的なく彷徨うことの楽しみを覚えた要因もそこにある。最近はコントラストだけでなく、景色の彩度にも気づけるようになった。もし続けることができるのであれば、このまま老いていくのも悪くないと思える。
ISO100
f6.3
1/160s