山
山に無頓着だった頃はどんな場所でも構わなかった。身体を酷使した上で帰ってくることが目的だった。それも一つの関わり方だと認めつつ、そうあり続けることが今の自分の望みなのかを考え直している。競争はいつまでも続けられないだろうし、山にいるだけで欲が満たされるのだから焦ることも危険に突っ込むことも必要ない。ただし時間が足りないのも事実で、僕自身が生み出せる量には限りがある。それで結局山へ行くことを諦めていては本末転倒だ。僕は今自分にとっての要不要を分別している。幸いまだ捨てられるものは残っている。これ以上自分を変えられないならそれらを処分するしかないだろう。