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網羅

何処に何があるのかを網羅してしまえば、ありとあらゆる存在がもたらす恩恵を半永久的に受けることができるだろう。花が綺麗だからと根こそぎ消費し続ければ美化された思い出だけになり、いつか跡形もなく忘れてしまう。そんな独占欲が現れるのは他の選択肢の存在を知らない場合だ。場所や環境に制限されることなく自由に行動していれば、通り過ぎた選択肢に後悔したり、当たり前すぎて浪費していたものが如何に大切か気づいたりする。忘れられない辛さや醜さの記憶があるからこそ、美を護ることの意義を自分に問いかけるのだ。この世の景色を網羅した時には八百万の神を認識しているかもしれない。

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