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2024年6月の記事一覧
寄り道
天迫る
のどかな牧場
干し草の
香り漂う
寄り道日和
直線的で効率的な移動が魅力的だと思わない。
拾い物を集めたい僕にとって、急くことで受ける損失は大きい。ゆえに急峻な坂を蛇行することへ要する時間を惜しまない。
安価で住むなら、それ以上の贅沢はない。
源流
日常を
潤す源流
知らずして
垂れる文句に
溢れる欲望
自分が住む街を流れる川や浄水場で精製された飲み水を遡ったことはあるか。
冷たい澄んだ水の美しさと魚止めを越えるたびに干上がっていく河川との対比を見れば、誰もが水の希少性に唾を引くだろう。
退屈な日常を過ごすことは水の恩恵に対して無作法であることと構造が似ている。
バイク
陽が差して
やっと目覚める
商店街
静寂破る
バイクが駆ける
暑い地域は夜が長く、朝が緩やかに訪れる。
日本は時間に厳しいが、一部地域には同様の慣習がみられる。
これを怠惰と貶すことはできない。
気候の違いが習慣の違いとして顕在化しているだけだからだ。
それらを感知することが旅の醍醐味でもある。
夜市
灯る火と
暑さを忘れて
楽しげな
夜市に伸びる
影の足取り
台湾の夜は深くまで賑やかだ。
あちこちの夜市は飲食の屋台のみならず、若者どころか子供達の遊び場としても機能している。
この活気は幼い頃、友達と行った夏祭りや花火大会を連想させる。
それが日常の一部であることを羨ましく思うのは、かつての風景が戻らないことを知っているからだ。
ダイヤ
刻々と
移ろうダイヤ
この世界
沈む夕陽と
煌めく街並み
いつもは単調に毎日をこなしていて、面白みのない繰り返しに飽き飽きしていた。
いざこの国の境に立ってみると、延々と続く航空機の発着に動き続ける世界を感じた。
太陽を快く見送り、気持ちよく夜明けを迎えるために、より高い所へ行きたい。