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緋色の囁きとか、よくあんな面倒くさいもの書けるよな
綾辻行人の作品に「囁きシリーズ」というものがある。
綾辻行人にこんなことを言ってもしょうがないかも知れないが、よくこんなもの書けるよなと感心する。
なんというかこのシリーズ、読むのがかなり苦痛というか、もう序盤から嫌なやつしか出てこないし、めちゃくちゃ陰湿だし、閉鎖された古風なお嬢様学校のホラー感なども相まってか、これのどこが面白いの?となってくる。
作品というのは全て読んでやっとその作品の像が理解できるわけで、これ何が面白いの?と感じていても、最後まで読むと全体として面白いと感じる作品があったりもする。その作品の根底に流れている思想みたいなものがあって、「なるほど、あの退屈にも意味があったのか」という感想を持つことも珍しくはない。
京極夏彦の本なんて、いやこの説明の大半が要らないだろ、と思えてならないのだが、あれくらい濃密に具体性を突き詰めると、むしろ立派な魅力になる。もう、この無駄に思える情報の羅列が無いと「京極夏彦じゃねえよ」という意見を持ち始めるくらい、癖になる。人として極まっているな、と感じる。
はっきり言って、人によってはあれを読むのは苦痛でしか無いだろう。
作品というのは、ある発想へのテンションがあるうちに書き切らないと、書くのが本当に苦痛になる。
始めからテンションなど無い人にとってはそう難しいことではないが、普通、作家にも精神衛生の揺らぎがある。今これを書こうと思ったテンションが、いつまでも続くとは限らない。
ここが出版業界の謎なのだが、「普通プロなら締切までに終わらせるのが当たり前」だと思われる。
しかし、締め切りに間に合わないとか、書けない時は書かない、みたいなことが罷り通ってしまう世界なのだ。ろくに新作が発表されない、なんてザラにある。作家だからしょうがないよね、という謎の忖度がある。
綾辻行人の館シリーズとか、京極夏彦の憑き物落としシリーズなんて、たぶん10年くらい新作が出ていないのでは?
それでも、彼らを食わすために色々な仕事が依頼される。だから、それで困らない。凄い世界だ(これは皮肉)。
京極夏彦に関しては、作品自体はできているが、なぜか出版されない。出版社と争っているのだろうな。
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つきのまどの【つれづれゴニョゴニョ】
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