線画表現は記号表現なのでデッサン力とは別の能力として磨く必要がある
だから、線画メインのイラストを描こうとするならば、デッサン力を磨くのもいいが、線画で表現することそのものも学ばねばならない。
線画は記号なのだ。なぜならば、写真を撮ったときに、その写真をどう加工しても、線として表現される部位はほんのわずかであり、線を引いた線画は実は人間の認識による「創作」であるからだ。
デッサンで陰影による立体表現に対して、線を引く行為はデッサンのための観察とは別物。稜線がはっきりする手足はいいとしても、顔パーツには線を入れる判断が難しい。つまり線画表現には独特のノウハウがあるってことだ。加えて、目鼻がデフォルメパーツであることもその難易度を上げている一因である。線画表現は「リアルではない」ことがポイントなのだが、それっぽく見えていることもまた重要なのだ。ここに難しさがある。
線画は人が作りし記号なのである。
だから、Photoshopで人物写真をいくら加工しても、人が描いた線画イラストとは似ても似つかない。どこか無機質、というよりも、人の認識によって線が引かれるべき所に線がなく、全体的にグラデーションの陰影で表しているからだ。理由は簡単で、その線をどう引くべきか分からない人が、写真加工でイラストっぽくしたから、線による表現が少なく、結果、線画イラストとして破綻しているからだ。
もちろん、厚塗り表現などはフィルタ加工で絵画っぽくできるが、最初から写真として表現すればいいのではないか?あえて絵っぽくする必要はないと思う。絵で表現したいなら、絵を描けばいいだけなのに。
線画表現は線画模写でつかみ取るのが一番な気がするので実践中
ただ、私の場合は、表情と髪以外は、3DCG表現から輪郭線を抽出するやり方をメインにするので、あくまでも表情と髪の表現からスタートする。人体の構成は関節の角度など、機械的に定まっている。だから、そういう機械的な部分は3DCGの得意分野なのでその表現を利用する。が、表情は難しい。なので手描きで描けるスキルが欲しいので、学習中。
アニメーターを目指すならYouTubeで公開されている室井氏のビデオを見るのがいいだろう。
既存の線画をまねして描くことで、線画で表現することの癖をつかもうというアプローチ。唇の表現にしたって、どういう風に線を入れれば「唇っぽく見えるのか」なんてのは、唇デッサンだけでは分からない。口をすぼめてとんがらせた唇、リアルな表現ではなくて、そういう表情の唇を線画で描くためにはどんな風に線を入れればいいのか、ということが知りたいのだ。
もちろん、基本は実物を見て観察して線画化するのが正しいと思う。だが、先人の成果物をまねして表現技法を習得するほうが早いだろう。なぜならば、欲しい表現の答えがあちこちの作品に含まれているからだ。
欲しいのはオリジナル表現ではなく「それっぽい表現」なのだ
オリジナリティーは最後に追求すれば良くて、今は、欲しい喜怒哀楽の表現をそれなりに描けることなのだ。最初に言ったように、線画は記号なので、解法をリアル表情の観察から求めようとすると遠回りになる。なので、線画による喜怒哀楽の表現は線画から学んだほうが早い、という結論である。
もちろん、オリジナリティーの追求となると、話は別だ。だが、今の私はそのレベルにない。そもそもそれっぽい表現すら描けないからだ。なので、まずはそれっぽい表現の範囲を広げることが先だと思っている。まずは表情限定で。
(207回目のnote更新)
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