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踊る阿呆と見る阿呆に振り回されて

「こっちは相変わらず、スーパーでもお米不足。『お米が入荷するかもしれない』…という情報を聞きつけて、開店前に50人くらい並ぶというありさま」


私の母は現在、地元にある某スーパーでパートとして働いている。先日、母とLINEにてやりとりをしていた際、前述のような思わず目を疑う出来事が、母の勤務先であったらしい。

(50人か…。地元むこうでそのぐらいなら、都内こっち倍以上もっと並んでいるんだろうな)

そう考えつつも、地元でも米が店頭に並んでいない状態に陥っていることがわかった。母は案の定、米騒動だと付け加えた後で、もうすぐ新米が出始める季節だというのにいつまで続くのやら…と、嘆いている様子だった。


私の住む街の近くにあるスーパーや薬局などでも相変わらず、米が一つも陳列されていない。そのせいか、普段からお目にかかることのない地肌のような白いスチールラックの棚部分が、ここ連日ずっと露出したままである。

加えて『お米の品薄状態が続いております』という文言を記した貼り紙が提示されたまま、入荷はまだかと唸っているような気がした。普段とは異なる姿を人様に見られたくないのは、こちらも同じことなのだろうか…。




今回の一連の騒動の起因となったのは、先月のお盆休み前に発生した、宮崎県の日向灘沖での地震を皮切りに、神奈川県や宮城県沖などと広い範囲で地震が相次ぐ中で出された、南海トラフ地震の臨時情報なのは間違いない。

ただ、何よりも問題視すべきなのは、一つの情報に煽られては踊らされた挙句、品薄に拍車をかけるほどのパニック買いを引き起こした消費者わたしたち側ではなかろうか。

毎年、この手の報道を目にするたびに、なんて滑稽な光景なのだろうかと思ってばかりいる。これまでにおいても、マスクやトイレットペーパーに水などが不足事態に陥る事象が、幾度となく起こっていたはずなのに。

それが今年も今年で、性懲りも無く繰り返されてきている。一連の行動に関して煽る側も煽る側で難アリだとつくづく思う一方で、それを物の見事に間に受けては駆け込む踊らされる側・・・・・・にも、同じ事が云えなくもない。


いつまでこうした、いたちごっこなるものが繰り返されるのか。いい加減に一人一人が、良心を持たない者の掌で踊らされないように意識をしなければ、また忘れた頃に同じ…あるいは似たような手口で仕向けられることになるだろう。

ただその仕向ける行為が、いつの間にかエスカレートして牙を剝く事態に発展してしまわぬことを、今は陰ながら祈るばかりである。しかしながら「踊る阿呆に見る阿呆 同じ阿呆なら踊らにゃ損損」などと呑気に静観しているのも、もはや時間の問題なのかもしれない。



最後までお読みいただきありがとうございました。 またお会いできる日を楽しみにしています!