政治講座ⅴ1061「中国だけでなく米国もゾンビー企業の存在がある」
日本も中小企業の後継者問題があり、高齢化による企業の減少が騒がれている。中国の場合は大企業が債務不履行で倒産状態でも国営企業のためにゾンビー企業化されていると囁かれている。驚くことに米国の企業もゾンビー企業となっているとの報道記事がでた。今回はその記事を紹介する。
皇紀2683年5月2日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
「38%がゾンビ企業」アメリカ経済がまもなく大恐慌に陥るかもしれない「ヤバすぎる兆候」
藤 和彦 によるストーリー • 6 時間前
体力を失いつつある「アメリカ経済」
連邦準備理事会(FRB)が4月21日に公表したデータによれば、米国の銀行預金は12日終了週に前週に比べ762億ドル減少した。
「中堅・中小銀行の預金流出は一服しつつある」と言われているが、アメリカの金融システムは依然として脆弱であることに変わりはない。
アメリカでは「経済は信用危機に見舞われていないものの、与信環境がタイト化している(信用収縮)の局面にある」との見方が広がっている(4月21日付ブルームバーグ)。
JPモルガン・チェースなど米銀大手4行の今年3月末の融資残高は3兆752億ドルと前年末から191億ドル減少した。FRBが昨年3月から急ピッチで進めた利上げのせいで不動産分野の資金需要が減少したことが主な要因だ。
JBモルガン・チェースの悲観シナリオによれば、米国の商業用不動産住宅ローン関連の損失は、2008年のリーマンショック時に3500億~4000億ドル規模だったサブプライムローンの損失に迫る恐れがあるという。
大量増殖をはじめた「ゾンビ企業」
米地銀シリコンバレー銀行(SVB)などの破綻で強まった金融情勢の悪化も、銀行の融資姿勢の厳格化を促している。流出を防止するため預金の金利を上昇させる銀行が相次いでおり、資金調達コストの上昇が与信を縮小させている。
「米国経済が景気後退に陥る」との見方が広まっていることも悪材料だ。
米CNBCが4月18日に公表した調査結果によれば、「経済を否定的に捉えている」と回答した割合が過去17年間の調査で最も高い69%となった。不景気になれば、不良債権の増加を警戒した融資先の選別が進み、「貸し渋り」「貸し剥がし」が始まるのが世の常だ。
米フィラデルフィア連銀が4月20日に公表した4月の製造業景況指数はマイナス31.3となり、SVB破綻前後の期間に集計した3月に比べて8.1ポイント悪化した。その水準も、企業活動に急ブレーキがかかったコロナ禍を除くと、金融危機後の2009年3月以来の低さだ。
製造業の不振は資金調達環境の悪化が大きく影響していると考えられる。
全米自営者連盟(NFIB)が4月11日に公表した調査結果によれば、高い頻度で資金を借り入れている経営者が「融資を受けにくくなった」と回答した割合が、2012年12月以来の高水準となった。
「次の3ヶ月に信用状況が一段と厳しくなる」とみている割合も過去10年で最も高い水準となっている。
そして今、アメリカで最も懸念されているのが、ゾンビ企業の大量増殖だ。
米上場の上位「38%」がゾンビって…
日本でいうところのゾンビ企業は、すでに経営に持続性がないにもかかわらず、金融機関や政府機関の補助金などで生きながらえている企業をさす。
アメリカで言う「ゾンビ企業」とは、利払い・税引き前利益(EBIT)で金利負担分すらも稼げない企業のことだ。
これはリーマンショック以降、長年続いてきた金融緩和のツケであり、ある種、モルヒネのような働きをした低金利に甘んじ、体力が減退したゾンビ企業が「大繁殖」したわけだ。
なんと、アメリカ上場の時価総額上位3000社のうち、38%がゾンビ企業だと言われている(4月23日付日本経済新聞)。
金利上昇局面で資金調達が悪化した米国で、このゾンビ企業はいかにも不吉な存在だ。
アメリカで大量増殖した「ゾンビ企業」がヤバすぎる…「巨大ショック」の引き金を引く爆弾暴発へのカウントダウンがはじまった!
藤 和彦
2023.05.01 経済産業研究所コンサルティングフェロー
アメリカに出現した「ゾンビ」
アメリカで「ゾンビ企業」が大量増殖していることをご存じだろうか。
日本ではあまり注目されていないが、こうしたゾンビ企業は、金利が上昇し資金調達が困難な今、アメリカ経済の負のスパイラルを巻き起こす危険が現実味を帯びている。
米FRBの金融引き締めという厳しい局面で、どこにリスクが内包されているのか、その一端でも知っておきたい。
危機に陥る米「スタートアップ」
全米自営者連盟(NFIB)は「経営者はこの先には大きな不確実性があり、『銀行危機がさらに進む恐れがある』と懸念している」と指摘している。
特に深刻な環境に置かれているのはスタートアップ企業だ。世界の約半分を占める米国のスタートアップ投資が急速に縮小している。
米調査会社ピッチブックと全米ベンチャーキャピタル協会(NVCA)は4月12日、米国でのベンチャーキャピタル(VC)などの投資額を発表した。それによれば、今年第1四半期は前年比55%減の370億ドルで、四半期ベースの投資額としては2019年第4四半期以来、約3年ぶりの低水準となった
金利上昇などの影響に加え、スタートアップの上場が遠のき、投資家が資金を回収しづらくなっていることも災いしている。
投資先の新規株式公開(IPO)やM&A(合併・買収)でVCが得た金額は今年第1四半期に前年比82%減の58億ドルと5四半期連続で落ち込み、四半期としては2013年以降で最低だ。
スタートアップをはじめ、財務基準の弱い企業の市場での資金調達も困難になっている。
調査会社ディールロジックによれば、米欧市場の今年第1四半期の低格付け債(ジャンク債)の発行総額は前年比17%減の448億ドルにとどまった。
直近のピーク時(2021年第1四半期)の4分の1の水準で、米国ではSVB破綻前後の週から3週連続で発行ゼロとなった。
ゾンビ企業にとどめを刺す「貸し渋り」
新株発行による資金調達も不調だ。米欧市場の今年第1四半期のIPO調達額は前年比7割減の47億ドルと直近のピーク時(2021年第1四半期)より97%も少ない水準だ。
「泣き面に蜂」ではないが、このような状況で銀行の「貸し渋り」や「貸し剥がし」が進むようなことになれば、いわゆるゾンビ企業の大量倒産は一気に現実味を帯びることになるだろう。
銀行不安は10兆ドル規模の米国の社債市場にも悪影響を及ぼしつつある。銀行の資金調達コストの上昇で社債市場への投資意欲が抑制され、「リスクプレミアムの急上昇は避けられない」との不安が高まっている(4月20日付ブルームバーグ)。
中でも心配なのはジャンク債市場だ(4月24日付ブルームバーグ)。
「負のスパイラル」に陥るアメリカ
資金繰りに窮したゾンビ企業が大量に破綻すれば、彼らが発行しているジャンク債が前例のない規模でデフォルトすることになるからだ。ジャンク債市場の不調が世界の社債市場に悪影響をもたらす可能性も排除できない。
「リーマンショックのような金融危機が起きる」と言うつもりはないが、銀行不安がもたらす負のインパクトはますます大きくなっていくのではないだろうか。
マンション業界の秘密 中国のマンション在庫が「400万戸」!? 背景に膨大な不良債権、総額はとんでもない水準に 歩み始めた衰退の軌道
オピニオン 10 時間前
日本の平成大バブルが崩壊したのは1990年代。その後、「失われた20年」とも「30年」ともいわれる不況が続いた。
今、中国がやや似たような状況にあるように思える。2000年代から急激な経済成長を遂げてバブル的にGDPを膨張させてきた。その原動力はインフラ投資と言われる。
日本が技術協力してスタートした「新幹線」は、総延長距離が今や4万キロに達しようとしている。日本の新幹線約13倍である。
同時に大量のマンションが建設された。これもインフラの一種。基本的に住宅が不足していた中国では、ある段階までは「造れば売れる」という市場環境だった。しかし、今は行き過ぎた供給を調整する段階に入ったと思われる。
4月4日に出たウォールストリート・ジャーナル(日本語版)記事のタイトルは「中国の『三線都市』マンション在庫処分に苦慮」。その記事には「売れ残った新築マンションの面積は35億平方フィートに上った。これは約400万世帯分に相当するとの推計もある」。
今の中国では新築マンションの在庫が少なくとも「400万戸」あるということだ。
ちなみに、昨年の日本で供給された新築マンションの総数は約7万戸である。レインズ東日本に登録されている中古マンションの在庫戸数は約4万5000戸。
中国の人口は日本の10倍を超える。そこから考えても400万戸という在庫は途方もない。一体どうなっているのか。
推測するに、その400万戸の背景には膨大な不良債権が存在するはずだ。マンションを供給した不動産デベロッパーや土地を供給した地方政府、さらにはその関連組織の「融資平台」などに絡まる不良債権の総額は、目がくらむ水準に達しているのではないか。
1990年代、日本は平成大バブル後の不良債権処理に手間取ったおかげで、経済が成長しなくなった。今や人口も減り始めた「衰退国家」になり果てている。
中国も今、莫大な不動産部門の不良債権に苦しみながら、人口も減りだした。あの国はハッキリと衰退の軌道を歩み始めているのかもしれない。
日本は現在、「失われた30年」をやや超えたあたり。経済は相変わらず元気がない。不良債権はすっかり処理し終えたが、人口減少と少子高齢化によって衰退途上と言ってもいいだろう。
中国も今、日本の10倍の規模で同じような道を歩み始めている。ただ、日本と異なる点はいくつかある。
まず、中国は日本のように1人当たりのGDPが先進国水準に達していなかった。まだ貧しい部分も多い。膨らませたバブルの規模も大きすぎる。その処理には日本の何倍もの痛みが伴うはずだ。
中国経済は、不動産バブルの崩壊で大きく崩れている。しかし、あの国は世界第2位の経済大国。日本とのつながりも無視できないレベルに達している。今後、日本経済も大きな荒波をかぶる可能性がある。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。
参考文献・参考資料
「38%がゾンビ企業」アメリカ経済がまもなく大恐慌に陥るかもしれない「ヤバすぎる兆候」 (msn.com)
アメリカで大量増殖した「ゾンビ企業」がヤバすぎる…「巨大ショック」の引き金を引く爆弾暴発へのカウントダウンがはじまった!(藤 和彦) | マネー現代 | 講談社 (gendai.media)
マンション業界の秘密 中国のマンション在庫が「400万戸」!? 背景に膨大な不良債権、総額はとんでもない水準に 歩み始めた衰退の軌道 (msn.com)
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