政治講座ⅴ675「『ゼロコロナ』の緩和と予防接種が重要、そして経済対策も重要」
予防接種の対策なしで緩和すると、感染者の重症化の患者が増えます。
どうもやることが混乱している。さて、どのような展開を見せることであろうか。そして生活基盤の経済政策はどうした? このままでは最貧大国に落下すること間違いなし。最近、全然マスコミの記事に掲載されなくなった「恒大集団」のデフォルト問題や不動産業界の経営危機や金融問題、住宅ローン問題など全然報道されない。情報隠蔽しているのであろうか。ゾンビー企業が多数発生して関連倒産も発生していることは想像に難くない。
皇紀2682年12月11日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
ニュース裏表 峯村健司 中国の習政権を突き動かした14億の「怒り」 ゼロコロナ政策から事実上の転換、2年以上続いた制限を大幅に緩和
中国・北京で6日、10月の共産党大会で新たに選出された24人の政治局員が集まり、来年の経済政策の方針を話し合った。会議で演説した習近平国家主席は、新型コロナウイルスを徹底的に押さえ込む「ゼロコロナ」政策には一切触れなかった。事実上の政策転換だった。
これを受けた中国政府は翌7日、「ゼロコロナ」政策を大幅に緩和する通知を出した。これまですべての感染者が政府指定の施設や医療機関で隔離されてきたが、今後は軽症者の自宅隔離が認められる。公共機関や商業施設の出入りに必要だった陰性証明の提示については、医療機関などを除いて不要とし、省をまたぐ移動の際の行動履歴の確認も撤廃した。2年以上も続いた国民の生活への制限を大きく緩める内容だ。
新型コロナが感染拡大した2020年初頭から、習政権は「国内にいかなるウイルスの存在も許さない」として大規模なロックダウン(都市封鎖)とPCR検査を展開した。数カ月で新規感染者をほぼ押さえ込んだ。
対照的に当時、欧米諸国や日本は感染者が急増しており、習政権は「わが国の体制優位性が証明された」と国内外にプロパガンダを展開した。各国が制限を緩めても、習氏は「一切揺るがずに堅持する」と、かたくなにこだわってきた。
習政権を突き動かしたのが、11月24日から中国各地で広がった抗議運動だった。厳しい監視下にもかかわらず、「無言の抵抗」を意味する白紙を持った若者らが、「ゼロコロナ」政策に反対の意思を示した。民族や思想を超えて14億の民が団結して、政府批判をしたことは新中国下では極めて異例であることは、前回の小欄で指摘した。
強権を敷いている中国共産党が、国民の反発を受けて政策変更に追い込まれたことはあまり例がない。筆者が知る限り、08年6月に胡錦濤国家主席(当時)が、東シナ海のガス田をめぐる共同開発を日本側と合意した際、ネット上で批判の声が高まったため、事実上合意が頓挫した事例ぐらいだろう。
なぜ、中国当局は国民の声を簡単には受け入れないのか。かつて中国政府高官に尋ねたことがある。
「われわれが一度でも人民の声を受け入れたら、次々と要求や批判が高まり、政権の弱体化につながる」
中国政府の軟化を受け、抗議活動は収束に向けて動く可能性が高いだろう。ただ、再び新型コロナの感染が拡大すれば、対策を強化せざるを得なくなる。そうなれば市民の怒りは再燃しかねない。
3期目に乗り出したばかりの習政権は難しいかじ取りが求められている。 (キヤノングローバル戦略研究所主任研究員、青山学院大学客員教授・峯村健司)
習政権「不安定化恐れ、緩和見切り発車」 興梠一郎氏
興梠(こうろぎ)一郎・神田外語大教授は9日、産経新聞との取材に応じ、中国の習近平政権が「ゼロコロナ」政策の転換に踏み切った背景について語った。
習政権がゼロコロナ政策の転換に踏み切ったのは、若者の抗議が国民全体の不満を代弁していると感じ取り、放置すれば政権が不安定化すると恐れたからだろう。大規模な抗議活動は習体制で初めてだ。工場などでの抗議は10月以降、散発していたが、新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチの火災後の学生デモは、性質も広がりも政権の予想を超えていた。当局はデモ封じ込めと緩和措置の二正面で沈静化を図っている。
国民の不満は、ロックダウン(都市封鎖)による不自由にとどまらず、企業の倒産や失業など生活に直接影響があったためだ。外資系企業からも不満表明があり、当局は外資の撤退を警戒していた。ゼロコロナをやめなければ雇用を含む経済全体が立ち行かなくなることは分かっていた。
学生デモを引き金に政策を急転換したものの、当局はゼロコロナの成果を誇ってきた習国家主席の権威が傷つかないよう、オミクロン株が弱毒化したからだと説明し、過去3年間の「成果」は否定していない。
農村部の医療体制の不備や高齢者のワクチン接種の遅れなど問題は残っているが、一度解き放った規制を元に戻せばさらなる反発を招く。見切り発車のまま、徐々に国際基準に向かっていくだろう。(聞き手 田中靖人)
中国、2025年までに内部崩壊する可能性も…未曾有の少子高齢化、工場と人の海外逃避
藤和彦 上席研究員
中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)が10月29日に閉幕した。
会議に集まった約200人の最高幹部により「第14次5カ年計画」の骨格が固められたが、新たな5カ年計画の特徴は「2つの循環」である。貿易を柱とする「外」と消費を柱とする「内」の2つの経済循環で成長を維持する考えだが、その重点は「内」にある。中国指導部は今年5月、米国をはじめとする西側諸国との経済的デカップリング(切り離し)を想定し、国内経済(内循環)を柱とする新発展モデルを提唱していた。
1978年に故鄧小平が掲げた「改革開放」の重点は「外」にあったのはいうまでもない。米国との良好な関係の下で中国は積極的に外貨を取り込み、「世界の工場」として輸出主導による高度成長をなし遂げた。今年の中国経済はGDPが100兆元(約1500兆円)を突破する見込みである。今回打ち出された「2つの循環」は、米国との対立の長期化に備え、消費など内需を拡大し、自力での安定成長を目指すものであり、改革開放からの大きな路線転換を図ろうとするものである。
「一人っ子政策」による人口構成のアンバランス
だが「2つの循環」路線の成功の鍵を握る個人消費は、中国経済にとっての長年の懸案である。中国の昨年の個人消費の対GDP比は39%である。米国の68%、日本の55%、ドイツの52%に比べると格段に低いが、その理由は所得格差の大きさにある。
中国の所得分配が非常に不公平であることは周知の事実である。人口の約半分にあたる7億1000万人の国民は、月収2000元(約3万2000円)以下で生活をしている。中国の高度成長を支えてきた2億9000万人の農民工の収入も、2015年以降、減り続けており、所得格差が改善されない限り、個人消費が伸びることはない。
個人消費が今後さらに低迷する要因がある。少子高齢化である。中国民政部は10月23日、「2021~25年までの5年間に60歳以上の高齢者の人口は3億人を超える」ことを明らかにしたように、「少子高齢化」が急速なペースで進んでいるのである。 「総人口に占める65歳以上の割合が14%を超える」社会を国連は「高齢社会」と定義づけているが、中国の民間シンクタンクは10月、「2022年に総人口に占める65歳以上の割合は15%以上になる」と予測した。
日米など先進諸国が高齢社会となった時点の1人当たりのGDPは、2万ドルをはるかに上回っていたが、これに対して中国の1人当たりのGDPは1万ドル程度にとどまっている。中国社会は「豊かになる前に老いる」という事態に直面しているのである。
中国の人口構成に極端なアンバランスをもたらしたのは、いわゆる「一人っ子政策」である。中国政府は2016年から「二人っ子政策」の実施を決定したが、多くの国民は住宅ローンや医療費、教育費などの負担が大きく、「産めても養えない」との不安を抱えており、出生数が増える兆しが見えない。2019年の出生率は、1949年以来の過去最低を記録する有様である。
中国の生産年齢人口(15歳~64歳)は、2013年をピークに減少しているが、「中国の総人口も2018年から人口減少が始まった可能性がある」とする海外の研究がある。中国政府系シンクタンクの社会科学院は2019年1月、「人口減少は早ければ2027年から始まる」としている。社会科学院の予測の元になっている出生率は1.6との前提だが、「実際の出生率は1.05前後ではないか」との意見が多い。
日本では、生産年齢人口が1995年、総人口も2011年から減少し、人口動態が経済成長にマイナスに働く「人口オーナス」が常態化している。中国でも少子高齢化が政府の大きな負担となりつつある。文革などで伝統文化が破壊されたことから、家族で高齢者を扶養する風習がなくなり、政府が主体となって介護サービスを提供する状態になっているのは日本と同様である。中国の社会保障費(介護を含まず)は国家歳出の2割以上を占め、その伸びは国防費を上回っているが、実態に比べて財政の投入量ははるかに少ない。このような事情から、「中国経済も2015年に人口オーナス時代に突入したのではないか」との懸念が出始めている。
「外循環」にも赤信号
実現の目途が立たない「内循環」だが、中国経済をこれまで支えてきた「外循環」にも赤信号が点滅し始めている。人件費の高騰に加え、米国との貿易摩擦の激化により、外資企業が中国から相次いで撤退していることから、移転先であるベトナムに密入国しようとする中国の失業者が続出しているのである(10月28日付米ラジオ・フリー・アジア)。中国政府は国境付近に、長さ数百キロメートル、高さ2メートル以上の壁を建設せざるを得ない状況に追い込まれているが、このことは中国経済の悪化が予想以上に深刻化していることの証左だろう。
5中全会では党幹部の人事が発表されなかったことから、習近平総書記が2022年以降も続投することが確定したとされている。「中国共産党の存亡に最も危機感を持っているのは習氏だ」と言われているが、「内外から批判が高まっている習氏が最高指導者の地位を他の人に譲らない場合、党内の権力闘争が一段と熾烈になる」との心配の声も上がっている。ネット上では「習氏は中国の崩壊を加速させる『総加速師』」と揶揄されている。
「今後10年以内に米国を超え世界一の経済大国となる」とされている中国だが、「内外からの圧力の高まりで一瞬の内に瓦解してしまう」というリスクが高まっているように思えてならない。
ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2020/11/post_188636.html
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2020年11月3日 Business Journalに掲載
融創中国、オフショア債務再編でレバレッジ削減計画など提案
2022年12月9日14時04分
[9日 ロイター] - 中国の大手不動産開発会社、融創中国は9日、予備的な債務再編の枠組みを提案した。オフショア債務の一部を株式に交換し、残りを期間2─8年の新たな債券と交換する案が含まれる。
同社は先月、国内で発行した債券について債務再編と償還期限延長を提案した。
9日に提出された文書によると、融創中国は約110億ドルのオフショア債務を抱えており、このうち34%は2022年末までに満期を迎える予定だった。調査会社Lucror Analyticsによると、一部は現在デフォルト(債務不履行)になっているという。
融創中国は海外債券保有者に対し、30億─40億ドルの既存債務と一部の株主融資を普通株式または株式連動型商品に転換する再編案を提示。これにより、事業を継続しながらレバレッジを削減することが可能になると説明した。
また、残存するオフショア債務を、再編発効日から2─8年の間に満期を迎えるドル建ての新規上場債券に交換することも提案した。
文書によると、既存債務の30%以上に相当する社債権者が特別な組織を編成して、再編プロセスでの返済について交渉している。
同社は別の提出文書で、21年に382億6000万元(55億ドル)の純損失を計上したことを明らかにした。前年は356億4000万元の黒字だった。
参考文献・参考資料
ニュース裏表 峯村健司 中国の習政権を突き動かした14億の「怒り」 ゼロコロナ政策から事実上の転換、2年以上続いた制限を大幅に緩和 (msn.com)
習政権「不安定化恐れ、緩和見切り発車」 興梠一郎氏 (msn.com)
RIETI - 中国、2025年までに内部崩壊する可能性も…未曾有の少子高齢化、工場と人の海外逃避
融創中国、オフショア債務再編でレバレッジ削減計画など提案 - ロイターニュース - 経済:朝日新聞デジタル (asahi.com)
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