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政治講座ⅴ1898「ロシアの終焉と分裂」

 嘗ては二大超大国と称されたソ連と米国、ソ連は崩壊してロシア連邦になり国力も落ちて、焦眉に苛まれたのか元同胞のウクライナに侵攻するなど落ちぶれた感は否めない。方や米国は世界の警察と称してあらゆる紛争に介入して国力を疲弊させた。そして、「世界の警察」の役目を自ら降りたのである。近年、台頭してきた「世界の工場」と言われてGDP世界2位までなり覇権を振りまき、横暴振りには閉口している中国も不動産バブル崩壊と過剰生産と過剰債務で青息吐息で経済破綻が囁かれている。盛者必衰の理を表している。今回はそのような世界情勢を俯瞰する報道記事を紹介する。

     皇紀2684年8月22日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

ウクライナ急襲に焦ったプーチン大統領、徴集兵の悪材料まで重なる

ロシアのプーチン大統領

ウクライナがロシア本土クルスク州の攻撃を10日以上継続している中でロシア内の混乱が深まっている。プーチン大統領の政治的負担が大きくなる様相だ。16日(現地時間)、CNNによると、「クルスクから徴集兵を撤収させてほしい」という請願がオンラインで広がっている。ロシアで徴兵制は政治的爆発力が大きな事案だ。職業軍人とは異なり、徴集兵は海外派兵が法で禁止されていて、戦闘作戦に参加しないため制限的な訓練しか受けていない。プーチン大統領も徴集兵は戦闘に投じないと約束した。

しかし、ウクライナの急襲で徴集兵が最前線に立つことになり、徴集兵の家族が怒っている。徴集兵の祖母だというナタリア・アペルさんはロシア独立メディア「ヴョルストカ(Verstka)」に孫が国境から約500メートル離れた村に武器もなく配置されたとし「シャベルで対抗しろということか」と怒った。

CNNによると、ウクライナ軍が占領したスジャの路上には死体が見え、道路には銃弾の跡がある民間の車両が並んでいた。広場にあるウラジーミル・レーニンの銅像は顔の部分の半分ぐらいが破壊されていた。ロシアはこのようにクルスク州の状況が外信を通じて公開されると対応に出た。ロシア連邦保安局(FSB)はクルスクで現場リポートを制作したイタリア国営放送会社RAIのジャーナリスト2人に対して刑事訴訟を提起する意向を明らかにした。

こうした中、ウクライナのキーウ軍事行政庁はロシアが18日、首都キーウに北朝鮮製である可能性の高い弾道ミサイルを再び発射したが、これらのミサイルはすべて迎撃されたと発表した。セルヒー・ポプコ軍事行政庁長はテレグラムを通じて「今回の攻撃は8月のキーウに対する3回目の弾道ミサイル攻撃」としながら「予備情報によると、ロシアが3回連続で北朝鮮制弾道ミサイルを使った可能性が最も高い」と話した。

ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か

ニューズウィーク日本版 によるストーリー

ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か© ニューズウィーク日本版

ロシア領土に侵攻するウクライナ軍戦車 Sky News/YouTube

<死活的に重要な東部の前線でロシア軍にやられっぱなしのウクライナ軍が、なぜ北に離れたロシア国境のクルスクで奇襲をかけたのか。もしやロシアの罠ではないのか>

ロシア西部クルスク州への侵攻を続けているウクライナ軍について、その目的と大胆な作戦がどこに行き着くのかという臆測が高まっている。一部のロシア国営メディアは、ロシア侵攻は、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領にとって自縄自縛の「罠」となり、最終的にはプーチンが勝つだろうとほのめかしている。

ロシア政府の国営メディアは、ウクライナがいとも簡単にロシアに越境攻撃を成功させた理由を解明しようとしている。たとえば国営通信社RIAノーボスチは、ウクライナ軍の作戦開始から1週間後の論説で、ロシア軍は「状況を掌握している」と述べた。その前日には、親ロシア政府派のツァーリグラードが、ウクライナ軍部隊が「罠にはまり」大損害を被ったと伝えた。

だが、事実を捻じ曲げたこのような解説は、ロシアの軍事ブロガーを含めてウクライナ側の優勢を示す証拠・証言と食い違う。ゼレンスキーは8月15日にウクライナ軍が天然ガスを西側に送る拠点の町スジャを占領したと述べている。

双方とも自分たちをよく見せようとするのは当然だが、これまでのところクライナ軍が罠にはまったという証拠はない。一方で、ウクライナが次に何をしようとしているのか、プーチンはそれに対抗できるのかが、大きな疑問なのは間違いない。

プーチンの警告通りの「侵略」

ウクライナは東部のドンバス地方でロシア軍の進軍を留めているべき最強部隊を、北に離れたロストフ州の侵攻に使っている。ロシア軍が効果的な反撃を仕掛けてくれば危険な場所だ。

ロンドンのキングス・ビジネス・スクールのマイケル・A・ウィット教授(国際ビジネス・戦略)は、ウクライナ軍は「戦線を拡大しすぎて、貴重な人材や資源が失い、プーチンのほうはこれを口実にさらなるエスカレーションを起こす危険性がある」と指摘する。

プーチンは今回の越境攻撃を、ウクライナ戦争を国内向けに正当化する理由として利用できるかもしれない。彼はこれまで、ウクライナ侵攻を開始したのは、ロシアが西側からの脅威にさらされており、ウクライナは西側の手先だからだと主張し続けてきたからだ。

「二つの力が正反対に働いている。ひとつは、ロシアが脅威にさらされているという物語を強化する働きだ。国家的な危機の時期に生じる『旗下結集効果』が働いて、プーチンへの支持を高めることになるかもしれない」と、ウィットは本誌に語った。

「もう一つの正反対の動きは、プーチンとその政府がロシアを守るにふさわしい指導者かどうかに疑念を投げかける動きだ」と、彼は言う。「プーチンが支配者として力を失う明確な兆候はないと思うが、独裁者の末路はえてして突然なものだ」

ロストフ州でロシア軍がウクライナ軍の攻撃を防げていないことで、ロシア側には領土防衛にあたる予備軍が不足していることが明らかになった。ただでさえ、ウクライナ東部と南部の前線では死傷者が続出して兵力が減少している。ロシア政府は兵役に対する報奨金を増額するなどの優遇策も実施しているが、徴兵はうまくいっていないようだ。

ロシア国防省に近い匿名の情報筋の話では、年内には新たな動員が行われ、休みが必要な前線部隊の交代要員になる可能性があるという。

ウクライナよる越境攻撃がある意味プーチンの思う壺なのはは、「ウクライナのNATO加盟は許せない」というプーチンのかねてからの主張が改めて説得力をもつからだと、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのシンクタンク、LSE IDEASのビク・ビクサノビッチは言う。

本当の戦争は東部と南部

フィンランドを拠点とするオープンソース情報分析会社ブラック・バード・グループの軍事専門家エミール・カステヘルミは、人的資源が不足しているのはウクライナ軍も同じだと指摘する。そこで今回のような越境攻撃を行えば、ウクライナにとって貴重な人材をいたずらに消耗させることになりかねない。

「多くの人命と装備を犠牲にしてロシア国境の村を数十ばかり占領しても何の役にも立たない」と、彼は本誌に語った。「普通に考えて、この戦争はクルスクでは解決しない。最も戦略的に重要な地域は、依然としてウクライナ東部と南部だ」

ビクサノビッチも、ドンバス地方でロシア軍に「圧倒されている」ときに、ウクライナ軍が越境攻撃を行うのは道理に合わないと言う。たとえそれでロシアの国境の守りの弱さとロシア指導層の無能さが明らかにできたとしても、それで戦争に勝てるわけではない。

ウクライナによるロシア侵攻の狙いの一つは、ウクライナ軍の士気がまだ高いことを証明し、西側諸国からの支援を引き出すことかもしれないと、ビクサノビッチは言う。「ウクライナはアメリカ大統領選挙の結果を警戒している。もしトランプが勝てば、ウクライナへの援助を停止するリスクがあるからだ」

ウクライナのゼレンスキー大統領が初めて明言「緩衝地帯を作るため」ロシア西部クルスク州で続く越境攻撃の目的について

FNNプライムオンライン によるストーリー

ウクライナのゼレンスキー大統領が初めて明言「緩衝地帯を作るため」ロシア西部クルスク州で続く越境攻撃の目的について© FNNプライムオンライン

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア西部クルスク州で続く越境攻撃について、「緩衝地帯をつくるためだ」と初めて明言しました。

ゼレンスキー大統領は18日、6日から続くクルスクでの越境攻撃について、SNSに投稿したビデオメッセージの中で、「ロシアに緩衝地帯をつくることがクルスク州での我々の作戦だ」と述べました。

ゼレンスキー大統領が、越境攻撃の目的について明言したのは今回が初めてです。

ウクライナ軍は18日、クルスク州で2つ目の橋を攻撃した映像を新たに公開、一連の越境攻撃で要衝スジャを含む80以上の集落を制圧したとしています。

多数のロシア兵が戦わずして降伏...「プーチン神話」になぜ亀裂が入ったのか?

ニューズウィーク日本版 によるストーリー

多数のロシア兵が戦わずして降伏...「プーチン神話」になぜ亀裂が入ったのか?© ニューズウィーク日本版

プーチンは12日、軍・国防省幹部らとの会議で侵攻部隊の撃退を指示 GAVRIIL GRIGOROVーSPUTNIKーKREMLINーREUTERS

<プーチンに残された手札はもはや数少ない...。一瞬にして戦局を変えたウクライナによる越境攻撃、そして戦争の「早期終結」に向けた道筋とは?>

ロシア西部クルスク州におけるウクライナ軍の進撃は2週目に入った。ウクライナ軍はいずれ制圧した地域から立ち去るだろう。そもそもウクライナは「領土の一体性」を守るために戦っているのであり、武力で国境線を書き換えようとしたロシアに国際社会は厳しい非難を浴びせているのだから。

だが重要な点はそこではない。越境攻撃の軍事的な評価は専門家に任せるとして、これだけは言える。この作戦はロシアの国境防衛の弱点をあぶり出し、ロシアの指揮系統を混乱させた。そして敵の意表を突くウクライナ軍の機動力の高さを見せつけもした。

とはいえ戦争は軍事であると同時に政治の延長でもある。ウクライナの奇襲が戦いの行方を根本的に変えるのは政治の土俵においてだ。

昨年のウクライナの反転攻勢は鳴り物入りで騒がれたものの、期待外れに終わった。その後ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナと世界に信じ込ませようとした。ロシア軍がじわじわと支配地域を広げ、ウクライナの抵抗をねじ伏せるのは時間の問題だ、と。

このナラティブ(語り)を多くの人が信じれば、孤立無援になったウクライナは降伏せざるを得ず、その領土の一部または全部が大ロシアに併合される──プーチンはそう踏んだのだ。

狂った戦争に勝ち目なし

この戦略はある程度成功した。今年5月のウクライナ東部ハルキウ(ハリコフ)州へのロシアの大攻勢は、ウクライナ軍の強固な防衛に阻まれ、今もはかばかしい成果を上げられずにいる。

それでもこの夏、ウクライナ東部ドンバス地方の前線では、ロシア軍は多大の人的・物的犠牲を出しながらも少しずつ支配地域を拡大した。

こうした前進は軍事的には大した意味を持たないが、ロシアが徐々にウクライナの抵抗を切り崩すというプーチンのナラティブに多少なりとも信憑性を与えはした。

そうした中、青天のへきれきのごとくウクライナが越境攻撃を仕掛け、プーチンのナラティブに揺さぶりをかけたのだ。

プーチンの動揺は明らかだ。国家安全保障会議のメンバーや顧問らを急きょ集め、ウクライナの奇襲を「挑発」と呼んで、その衝撃を軽く見せようとした。

クルスクの州知事代行がウクライナ軍の支配地域の面積を言おうとすると、その口を封じ、軍高官に厳しい視線を向け、事態の急変にうろたえているそぶりを見せまいとした。

多数のロシア兵が戦わずして降伏...「プーチン神話」になぜ亀裂が入ったのか?© ニューズウィーク日本版

F16の到着を発表するゼレンスキー大統領 VALENTYN OGIRENKOーREUTERS

周知のとおりプーチンは時に現実をねじ曲げて解釈するが、自軍がウクライナ軍をさっさと追い出せないことはさすがに分かっているだろう。この状態が続けば、彼が昨夏以降、多大の犠牲を払いつつ慎重につくり上げてきたナラティブは、もろくも崩れかねない。

ロシア軍の指揮官はクルスクに援軍を派遣しようとしているが、ウクライナ軍を駆逐するどころか、包囲に必要な兵力すら確保できないありさま。ウクライナ軍は今回の奇襲で、昨年の反転攻勢で奪還した地域よりはるかに広大な地域を制圧した。

ロシア軍がハルキウで3カ月かけて上げた戦果より、ウクライナ軍がクルスクで3日で上げた戦果のほうが大きいとみていい。

一瞬にして戦局の風向きは変わった。ウクライナ軍は1000平方キロ前後のロシアの領土を制圧したと伝えられている。制圧地域やその周辺から避難した住民は10万人を超えた。加えて、多数のロシア兵が戦わずして降伏したもようだ。

それでも、この奇襲の主な成果はクルスクの戦場ではなく、ウクライナとロシアを取り巻く政治状況にある。ウクライナでは士気と決意が高まり、ロシアでは疑念と先行き不安が高まった。西側諸国も戦局の変化に気付きつつある。

ウクライナは長く苦しい消耗戦の果てに敗北する運命にある──プーチンはそう語り、西側にもそう主張する人が多くいた。米大統領選の共和党の副大統領候補、J・D・バンスもその1人。だが今やその「予言」は説得力を失った。

今こそ西側はウクライナへの支援を強化するべきだ。ウクライナ軍がモスクワ郊外まで前進するかどうかは問題ではない(そんなことはあり得ない)。だが、ロシアの政治指導者たちに「この狂った戦争には勝てっこない」と気付かせることはできる。

西側の支援拡大が急務

クルスク侵攻がこの戦争の転換点の1つとなったことは確かだが、ロシアの指導者層に現実を認めさせる決定的な転換点にできるかどうかは今後の成り行きによる。そうできる可能性は十分にある。

もちろん、これから数日間、あるいは数週間の戦闘の行方に多くが懸かっている。プーチンの流儀からして侵攻部隊への攻撃に加え、都市へのミサイル攻撃などウクライナ本土への攻撃を拡大するのは目に見えている。これまでも守勢に追い込まれたときは、必ずそうしてきたからだ。

だが問題はプーチンに残された手札の数だ。侵攻部隊を駆逐したくても、自国領土に核爆弾を落とすわけにはいかない。ロシアがミサイルやドローン(無人機)でウクライナの都市を猛攻しても、ウクライナ人の祖国防衛の決意は揺らぎそうにない。

これまでおおむね徴兵を免れてきたモスクワとサンクトペテルブルクの市民も含め、さらに広範な動員令を出せば、社会と経済の安定を脅かすことになる。北朝鮮とイランのミサイルやドローンの備蓄は無尽蔵ではない。ほかに選択肢はあるだろうか。中国に支援拡大を頼むか?

いずれにせよプーチンに残された選択肢は限られている。

戦争を早期に終結させる道筋が明らかになり、現実味を増してきた今、ウクライナに味方する国々はあらゆる方法で支援を拡大するべきだ。

できることはたくさんある。財政援助の拡大、西側の一部兵器の使用規制の解除、F16の操縦士の訓練体制の強化、中国、インド、トルコ経由などの取引を監視し対ロ制裁の抜け穴を塞ぐこと、ウクライナへの西側の弾薬供給(徐々に増えている)の迅速化......などだ。

もちろん、戦争の行方は戦場で決まる。だがプロイセンの軍事理論家、カール・フォン・クラウゼヴィッツが論じたように、戦争は究極的には政治的意思の戦いだ

プーチンは今でもこの戦争に勝つしかないと思い定めているようだが、ウクライナの奇襲作戦が成功した今、多くの人が彼の信念を疑い始めている

いま求められているのは、この流れを加速させること。より望ましい形で戦争を早期に終結させるには、まさに今が正念場だ。

モスクワに「最大級ドローン攻撃」 ウクライナ越境攻撃で31人死亡

朝日新聞社 によるストーリー

ウクライナ中南部ザポリージャ州で2024年7月29日、偵察用のドローンを飛ばすウクライナ国家警備隊の兵士=AP© 朝日新聞社

 ロシア国防省は21日、ロシア国内の5地域にウクライナ軍のドローン(無人機)攻撃があり、45機を撃墜したと発表した。モスクワ市郊外のモスクワ州には11機が飛来。同市のソビャニン市長は「モスクワへの過去最大級のドローン攻撃」とSNSに投稿した。

【写真】ロシアの動員、悲惨な実態 「これはやばいよ」新兵SNSで訴え次々

 同省によると、ほかにウクライナの越境攻撃を受けるロシア南西部クルスク州で2機、隣接するブリャンスク州で23機、ベルゴロド州で6機、モスクワ市隣のカルーガ州でも3機が撃墜された。

 一方、ロシア国営タス通信は21日、医療機関の情報として、6日からのクルスク州でのウクライナ軍の越境攻撃で31人が死亡し、143人が負傷したと伝えた。ロシア軍は連日、「ウクライナ軍を撃退した」と発表しているが、死傷者の増加が止まらない。

プーチン大統領、結局は核を取り出すのか…「ソウルの2倍」ロシア侵攻、ウクライナの「賭け」(2)

ロシアの国旗

現在まで米国は従来の立場を変えていない。米ホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報担当調整官は15日、MSNBCのインタビューで「我々はウクライナが自国を防御するのに必要な武器と能力を備えるよう引き続き努力する」とし、エイタクムスは「防御用」であることを明確にした。

19日の英日刊テレグラフによると、米バイデン政権のある当局者はストームシャドウをロシアに投入するよりも、ウクライナが生産するドローンがロシア内の目標物を破壊するのによいと明らかにした。

しかしNYTは「開戦から30カ月間、西側は特定武器に対するウクライナの反復的な要請を繰り返し拒否し、結局は譲歩するパターンを繰り返してきた」とし、長距離ミサイルの「タブー」も崩れる可能性があるという見方を示した。これに先立ち米国とドイツは各国の最先端主力タンクのM1エイブラムスとレオパルト2の支援を拒否したが、ウクライナの執拗な要請を受けて結局は支援した。米国産F-16戦闘機もゼレンスキー大統領の粘り強い要請を受けて支援した。

◆ベラルーシ「ウクライナ激化すればロシアは核使用も」

ただ、ウクライナの長距離ミサイル使用が可能になれば、ロシアの核の脅威が強まるという懸念が提起されている。プーチン大統領の最側近、国家安全保障会議のドミトリー・メドベージェフ副議長は昨年、「北大西洋条約機構(NATO)の支援を受けた攻撃でロシアの領土の一部を破壊する場合、我々は核兵器を使用するしかない」とし「他の選択肢はない」と警告した。プーチン大統領も昨年、ベラルーシに戦術核兵器を配備した後、「国家の存立が脅かされれば理論的に使用が可能だ」と明らかにした。

すでにベラルーシでは核使用の「暗示」が繰り返されていると、FTは伝えた。ベラルーシのルカシェンコ大統領は18日、「ウクライナの激化はロシアに核兵器を使用させる可能性がある」と述べた。続いて「戦争の拡大はウクライナの破滅(destruction)に終わる」と脅迫した。

モスクワ市長が「史上最大規模」のドローン攻撃を非難 ウ軍はロシアの93集落制圧

CNN.co.jp によるストーリー


モスクワのソビャニン市長はウクライナによるドローン攻撃を非難した© CNN.co.jp

(CNN) ウクライナ軍は今月に入り、ロシア南西部クルスク州に対して越境攻撃を仕掛け、同州のセイム川に架かる主要な橋を破壊している。一方、モスクワ市長は21日、ウクライナがモスクワに「史上最大規模」のドローン(無人機)攻撃を仕掛けたとして非難した。

ウクライナが主要な橋を破壊する狙いはロシアの兵たん能力をまひさせ、補給路を断つことにある。

クルスク州のセイム川に架かる橋の少なくとも二つが先週、使用できなくなった。ウクライナは一つを「精密爆撃」で破壊したと述べ、ロシアはウクライナがもう一つの橋の破壊に西側諸国が供与したロケット弾を使用したと主張した。

衛星画像によると、ロシアはその後、セイム川に少なくとも三つの浮桟橋を建設した。

CNNが入手し、位置を特定した映像によると、ウクライナのドローンはこの浮桟橋の一つを標的にした。

使用されたドローンは、標的に衝突して爆発し、弾頭を爆発させてドローン自体を破壊するように設計されていた。ミサイルを投下した後に基地に戻る従来の大型軍用ドローンと比べてこれらのドローンは小型で検知されにくく、遠方から発射できる。

映像にはドローンが浮桟橋の設置と移動に使用された車両の一つに衝突する様子が映っている。ドローンが車両を破壊したかどうかは不明。20日時点の衛星画像からは、橋が消失し、橋があった場所に大きな焼け跡があることが分かる。

衛星画像には川の近くの別の部分に新しい桟橋がかかっている様子が写っている。欧州宇宙機関とプラネットラボの衛星画像では三つ目の浮桟橋も確認された。

クルスク州への攻撃により、ロシアは自国領の防衛の強化に苦慮している。ウクライナ軍は20日、奇襲攻撃を開始して以来、ロシアの防衛網を突破して最大35キロ前進し、93の集落を制圧したと述べた。

モスクワのドローン攻撃

ロシア当局は21日、自国の防空システムが前日の夜からウクライナのドローン45機を破壊したと主張した。そのうち11機はモスクワ上空、2機はロシア西部のウクライナ国境沿いに位置するベルゴロド州、2機はクルスク州で破壊された。

モスクワのソビャニン市長は同日、テレグラムで「この試みはモスクワに対するこれまでで最大規模のドローン攻撃だ」と非難した。

ロイター通信はソビャニン氏の発言を引用し、ドローンの一部はロシア大統領府の南約38キロにあるポドリスク市上空で破壊されたと伝えた。

ソビャニン氏の発言によると、これまでの情報では負傷者や被害はでていない。ロイター通信はこの発言を独自に確認できておらず、ウクライナからのコメントはすぐには得られなかった。


参考文献・参考資料

ウクライナ急襲に焦ったプーチン大統領、徴集兵の悪材料まで重なる (msn.com)

ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か (msn.com)

ウクライナのゼレンスキー大統領が初めて明言「緩衝地帯を作るため」ロシア西部クルスク州で続く越境攻撃の目的について (msn.com)

多数のロシア兵が戦わずして降伏...「プーチン神話」になぜ亀裂が入ったのか? (msn.com)

モスクワに「最大級ドローン攻撃」 ウクライナ越境攻撃で31人死亡 (msn.com)

プーチン大統領、結局は核を取り出すのか…「ソウルの2倍」ロシア侵攻、ウクライナの「賭け」(2) (msn.com)

ブダペスト覚書 - Wikipedia

モスクワ市長が「史上最大規模」のドローン攻撃を非難 ウ軍はロシアの93集落制圧 (msn.com)

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