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政治講座ⅴ1009「マクロンよ猛省せよ」

破格の接待と宴会を受けて、フランスの理想(自由・平等・人権)はどこにいった。ジェノサイドに加担するフランスはこれで世界をリードした歴史から消えた。中国の経済援助を見返りの魂を売ったのであろう。哀れで情けない限りである。

     皇紀2683年4月13日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

マクロン大統領の発言が波紋 台湾情勢めぐり「米中追随は最悪」

TBS NEWS DIG によるストーリー • 6 時間前

フランスのマクロン大統領は、緊張の高まりが懸念される台湾情勢をめぐり、「最悪なのは、アメリカや中国に追随しなければいけないと考えることだ」と述べ、波紋が広がっています。

マクロン大統領の発言が波紋 台湾情勢めぐり「米中追随は最悪」© TBS NEWS DIG

今月、中国を訪問し、習近平国家主席と会談したフランスのマクロン大統領は、経済紙「レゼコー」などのインタビューで、台湾情勢に関する見解を述べました。

この中で、マクロン氏は「最悪なのは、アメリカのリズムや中国の過剰反応に追随しなければいけないと考えることだ」と主張しました。

さらに、ヨーロッパはアメリカと中国の対立から一定の距離を保つ「戦略的な自立」を確立し、「第3極」となるべきだと持論を展開しました。

この発言をめぐっては「ヨーロッパとアメリカの同盟関係を台無しにした」(チェコの上院議員)など、ヨーロッパ内でも批判の声があがり波紋が広がっています。

中国軍 演習終了後も台湾周辺で訓練 軍事活動を常態化させる狙いか

TBS NEWS DIG によるストーリー • 10 時間前

中国海軍がきのうも台湾周辺でミサイル防衛などの訓練を行いました。演習の終了後も訓練を行うことで、台湾周辺での軍事活動を常態化させる狙いがあるものとみられます。

中国軍 演習終了後も台湾周辺で訓練 軍事活動を常態化させる狙いか© TBS NEWS DIG

中国メディアは、中国海軍の複数の艦船が11日、台湾島周辺でミサイル防衛などの実戦的な訓練を行ったと報じました。

中国軍は、8日から10日まで台湾海峡や台湾島周辺で軍事演習を行ったばかりです。演習終了後も艦船が訓練やパトロールを継続することで、台湾周辺での軍事活動を常態化させる狙いがあるものとみられます。

中国軍は去年8月、アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問した際に大規模な軍事演習を実施。その後も事実上の停戦ラインである「中間線」を越え、戦闘機を頻繁に飛ばすなど軍事活動を常態化させています

「習氏にこびへつらった」=トランプ氏がマクロン氏批判

30 分前

 【ワシントン時事】トランプ前米大統領は11日、FOXテレビのインタビューで、先に中国を訪問したフランスのマクロン大統領について「中国で(習近平国家主席に)こびへつらった。フランスは今や中国の側に付こうとしている」と批判した。


トランプ前米大統領=8日、フロリダ州マイアミ(AFP時事)© 時事通信 提供

 マクロン氏は習氏に厚遇を受ける一方、緊張が高まる台湾情勢に関しては「対米追従しない」などと述べ、仏国内外で非難されている。 

仏大統領の「台湾関係ない」発言、中国つけ上がらせる恐れ 欧米で物議

AFPBB News によるストーリー • 54 分前

【AFP=時事】フランスのエマニュエル・マクロン大統領が台湾への対応をめぐり、欧州は米中いずれにも追随すべきではないと発言し、物議を醸している。専門家は西側に新たな混乱をもたらし、中国を勢いづかせる恐れがあるとみている。

仏大統領の「台湾関係ない」発言、中国つけ上がらせる恐れ 欧米で物議© LUDOVIC MARIN / AFP

 今月7日、3日間の訪中を終えて帰国したマクロン氏は、仏経済紙レゼコーやニュースサイト「ポリティコ」などに対し、台湾問題について「最悪なのは、欧州が米国の動きや中国の過剰反応に追随し、同調しなければならないと考えることだ」「(欧州は)自分たちとは関係のない世界の混乱や危機に巻き込まれるべきではない」との持論を展開した。

 この発言は、自立を貫こうとするフランスの長年の外交政策の一環とも、米中間の対立に欧州が巻き込まれることへの不安の表れとも解釈できる。だが、米国がウクライナ支援を通じて欧州の安全保障を維持するために数十億ドルを投じ、西側の結束が特に重要とされる時期だけに欧米の多くの専門家や政治家から批判が相次いでいる

仏大統領の「台湾関係ない」発言、中国つけ上がらせる恐れ 欧米で物議© Ng Han Guan / POOL / AFP

 仏パリのシンクタンク「戦略研究財団」で中国研究を専門とするアントワーヌ・ボンダズ氏はAFPに、台湾をめぐる緊張の責任は中国ではなく、米国にあると言わんばかりの発言だったと指摘した。

台湾支配をもくろむ『修正主義大国』(中国を指す)が現状を変更しようとしているにもかかわらず、不安定化の責任は米国にあると言うのか。責任の所在があべこべだ」と批判した。

 さらに、最も大きな影響は、仮に中国が台湾に侵攻して制圧するような事態になってもフランス、そしておそらく欧州は介入しないだろうと中国に思わせてしまうことにあるとし、「(中国への)抑止力を弱めることになる」と分析。「ウクライナから学ぶべき教訓があるとすれば、(ロシアのウラジーミル・)プーチン大統領を抑止できなかったことだ」と述べた。


仏大統領の「台湾関係ない」発言、中国つけ上がらせる恐れ 欧米で物議© Ng Han Guan / POOL / AFP

■「戦略的ナンセンス」

米ホワイトハウスは10日、フランスとは「素晴らしい二国間関係」を築いていると表明し、事態の沈静化を図ろうとした。

 だが、共和党のマルコ・ルビオ上院議員はネットに投稿した動画で、「マクロン氏が全欧州を代表し、台湾をめぐって欧州は米中いずれの側にも付くつもりはないと言うのなら、わが国も(ロシア、ウクライナ)いずれかの側に付くのをやめて(欧州に)ウクライナ問題を任せるべきかもしれない」と訴えた。

 同じく共和党の有力者、リンゼー・グラム上院議員はマクロン氏の訪中について、「中国共産党と習近平国家主席をつけ上がらせるものだ。その習氏は、世界秩序の書き換えと台湾の武力併合に執心しているようだ」とツイッターに投稿した。

仏大統領の「台湾関係ない」発言、中国つけ上がらせる恐れ 欧米で物議© Ng Han Guan / POOL / AFP

 シカゴ国際問題評議会代表で、バラク・オバマ元大統領の顧問を務めたアイボ・ダールダー氏も、「ウクライナ紛争のような欧州の危機に対処するためにマクロン氏が米国の安全保障義務に頼ることに問題は全くない」と指摘。その一方で、欧州は無関係の危機に巻き込まれるべきではないと言い張るのは「『戦略的自立』ではない。『戦略的ナンセンス』だ」とツイートした。

仏大統領の「台湾関係ない」発言、中国つけ上がらせる恐れ 欧米で物議© Ng Han Guan / POOL / AFP

 ドイツの保守系議員で外交政策に詳しいノルベルト・レトゲン氏は日刊紙ビルトに、「マクロン氏は完全に正気を失っているようだ」と語った。

■過去にも失言

 仏大統領府(エリゼ宮、Elysee Palace)は11日、火消しに追われた。

 側近の一人は「マクロン大統領はフランスの立ち位置について、米国との距離と中国との距離は同じではないとたびたび発言している。米国は同盟国であり、価値観を共有している」と述べた。

仏大統領の「台湾関係ない」発言、中国つけ上がらせる恐れ 欧米で物議© Ng Han Guan / POOL / AFP

 ただ、専門家に言わせれば、マクロン氏は過去にも失言している。2019年には、北大西洋条約機構は「脳死」状態だと発言。昨年にはウクライナ侵攻の外交的な解決に向け、「ロシアに屈辱を与えてはならない」と語り、同盟諸国の反発を招いた。

 仏紙ルモンドは11日、「誤解は一度なら釈明できる」「しかし、繰り返されるなら外交政策の進め方に問題がある」と批判した。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT

【翻訳編集】AFPBB News

中国のウイグル族弾圧は「地獄のような光景」=アムネスティ報告書

2021年6月11日

ジョール・ガンター、BBCニュース

画像提供,GETTY IMAGES

画像説明,中国・新疆地区における少数民族への「弾圧」に対し、国際的な批判が起きている(イスタンブール、2月26日)

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは10日、ウイグル族などイスラム教徒の少数民族が多く暮らす中国北西部の新疆地区で、中国政府が人道に対する罪を犯しているとする報告書を公表した。

報告書でアムネスティは、中国政府がウイグル族やカザフ族などイスラム教徒の少数民族に対し、集団拘束や監視、拷問をしていたと主張。国連に調査を要求した。

アムネスティ・インターナショナルのアニエス・カラマール事務局長は、中国当局が「地獄のような恐ろしい光景を圧倒的な規模で」作り出していると非難した。

「ものすごい人数が収容所で洗脳、拷問などの人格を破壊するような扱いを受け、何百万人もが強大な監視機関におびえながら暮らしており、人間の良心が問われている」

カラマール氏はまた、BBCの取材に対し、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が「責任を果たしていない」と批判した。

「(グテーレス氏は新疆の)状況を非難せず、国際調査も指示していない」

「国連がよって立つ価値を守り、人道に対する罪に対して声を上げる責務が彼にはある」

報告書の中身

報告書は160ページからなり、かつて拘束されていた55人への聞き取り調査を基にしている。中国政府について、「少なくとも以下の人道に対する罪」を犯していたとし、「国際法の基本ルールに違反する、収監など厳格な身体的自由の剥奪」、「拷問」、「迫害」を挙げている。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチも、4月に同様の報告書を発表。中国政府は、人道に対する罪に対する責任があるとした。

欧米の一部の国や人権団体も、中国が新疆地区で、チュルク系民族に対するジェノサイド(集団殺害)を進めていると非難している。ただ、中国の行為をジェノサイドとしていることについては、反論も出ている。

今回のアムネスティの報告書をまとめたジョナサン・ロウブ氏は10日の記者発表で、報告書について、「ジェノサイドの犯罪が行われたすべての証拠を明らかにはしたものではない」、「表面をなぞっただけだ」と説明した。

中国は新疆地区で人権侵害はないと、一貫して主張している。

<関連記事>

拘束や拷問の疑い

専門家らは、中国が新疆地区で少数民族への弾圧を始めた2017年以降、約100万人のウイグル族などのイスラム教徒が拘束され、さらに数十万人が収監されているとの見方でほぼ一致している。

報道では、刑務所や収容所で身体的、心理的拷問が行われているとされている。

人口管理のため、中国当局は強制不妊手術や中絶、強制移住を実施しているとも言われている。宗教や文化に基づく伝統の破壊を目的に、宗教指導者を迫害しているとの批判も出ている

中国はそうした指摘を否定。新疆地区の収容所は、住民らが自発的に職業訓練を受けたり、テロ対策として過激思想を解いたりするためのものだと主張している。

アムネスティは、テロ対策は集団拘束の理由にならないと報告書で反論。中国政府の行動は、「新疆の人口の一部を宗教と民族に基づいてまとめて標的にし、イスラム教の信仰とチュルク系民族のイスラム教文化の風習を根絶するため厳しい暴力と脅しを使うという明らかな意図」を示しているとした。

画像提供,GETTY IMAGES

画像説明,中国政府はウイグル族などの少数民族を100万人近くを、新疆地区の収容所で拘束していると非難されている

アムネスティは、新疆地区で収容所に入れられた人が「止まることのない洗脳と、身体的かつ心理的拷問を受けている」とみられるとした。

拷問の方法としては、「殴打、電気ショック、負荷が強い姿勢を取らせる、違法な身体拘束(「タイガーチェア」と呼ばれる鉄製のいすに座らせ手足をロックして動けなくするなど)、睡眠妨害、身体を壁のフックにかける、極めて低温の環境に置く、独房に入れる」などがあるとした。

タイガーチェアを使った拷問は、数時間~数日にわたることもあり、その様子を強制的に見せられたと証言した人もいたという。

アムネスティはまた、新疆地区の収容制度について、「中国の司法制度や国内の法律の管轄外で運営されている」とみられると説明。収容所で拘束されていた人々が刑務所に移されたことを示す証拠があるとした。

中国へのさらなる圧力

今回の報告書の内容の多くはこれまで報道されてきたものだが、新疆地区での行動をめぐって、中国に国際的な圧力をかけるものになるとみられる。米国務省はこれまでに、ジェノサイドが行われていると表現イギリス、カナダ、オランダ、リトアニアの議会も、同様の表現を含んだ決議を採択している。

欧州連合(EU)、アメリカ、イギリス、カナダは3月、中国当局者に制裁を課したこれに対し中国は、それらの国の議員や研究者、研究施設などを対象に報復的な制裁を実施した。

中国は国際刑事裁判所(ICC)の署名国になっておらず、同裁判所の権限が及ばないため、国際機関が中国を調査する可能性は高くない。一方、国連の国際司法裁判所(ICJ)が事件として取り上げても、中国は拒否権を発動できる。ICCは昨年12月、事件として取り上げないと発表した。

ロンドンでは先週、一連の独立した聞き取り調査が実施された。イギリスの著名法律家サー・ジェフリー・ナイスが中心となり、ジェノサイドの訴えについて調べるものだった。

(英語記事 China 'has created dystopian hellscape' in Xinjiang

ウイグル「ジェノサイド」は本当だった:データが示すウイグル族強制不妊手術数


遠藤誉中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

2021/5/20(木) 12:24
ウイグル人たちの中国政府への抗議デモ(写真:ロイター/アフロ)

 多くのウイグル人が中国にいる親族友人が強制避妊手術を受けていると訴えてきたが、なかなか客観的データとして示されなかった。このたび不妊手術総数と出生率のデータを入手したので、ここに真実であることを示す。


◆とびぬけて多いウイグルの不妊手術総数割合

 まず単刀直入にデータから先に示そう。

 2019年の『中国保健衛生統計年鑑』(年鑑)(国家衛生健康委員会編集)には表「8-8-2」として「2018年各地区計画生育手術状況」というのがある。ここには中国の全ての省市自治区の「節育手術総数」が示されている。

 用語を説明すると「計画生育」というのは「一人っ子政策を推進するために中国政府が1978年から行ってきた計画懐妊・出産」のことで、一人っ子政策は2015年に撤廃され、「都市では2人」まで、「農村では3人」まで子供を産んでいいという方針に変わった。「節育手術」というのは、「子供を産まないようにするための手術」で、これは「産めないようにするための手術」と「懐妊した後に堕胎する手術」などに分かれる。

 年鑑の228頁目にある表「8-8-2」には「産めないようにするための手術の種類」が細かく分類して書いてあるので、表全体をこのページに示すと、文字が小さくなって非常に見にくくなるので、独自の工夫を試みて、「手術数の多いトップ10」の省市自治区だけを示すことにした。

 それも表「8-8-2」には、手術を施した絶対数のみが示されているので、各地区の人口との割合を見ないと、中国全土での「トップ10」は出てこないので、国家統計局のデータに基づき各地区の人口を調べ、その人口で割り算した「人口当たりの手術総数」という形で計算し直し、新たにグラフを作成した

 こうしてグラフで示すと、新疆ウイグル自治区の「人口当たりの不妊手術総数」が、飛び抜けて多いことが一目瞭然だろう。2018年データなので、2015年の「一人っ子政策」撤廃後のデータであることを頭に入れておいていただきたい。


◆「一人っ子政策」撤廃後に急減するウイグルの出生率

 次に『新疆統計年鑑2020』(新疆ウイグル自治区統計局と国家統計局新疆調査総隊が編集)から、新疆ウイグル自治区における出生率の推移を、全国平均(国家統計局データ)と比べて示す。新疆ウイグル自治区のは青線で、全国平均は赤線である。

 2015年に「一人っ子政策」が撤廃されたため、全国平均を見ると2016年にわずかながら出生率の増加が見られる。その後増加してないのは、第二子を生む年代が一人っ子政策で育ったために二人以上の子供を持つ生活習慣に慣れていないことと、何よりも高い教育費や家賃(あるいは住宅ローン)などの必要経費に基づく生活設計で生きてきたので、新たな負担を好まないからだ。

 そういった全国的要因はあるとしても、「2017年から2019年にかけて」の新疆ウイグル自治区における出生率の激減は顕著であり、特殊な事情がない限り、このような現象を説明することができないのは、誰の目にも明らかだろう。


◆ジェノサイドは起きている

 その「特殊な事情」とは、「新疆ウイグル自治区ではジェノサイドが起きている」という現実以外には考えにくい。

 拙著『習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』で詳述したように、中国建国当初、王震は中国人民解放軍を引率して新疆地区でウイグル族を手当たり次第に殺しまくった。その数は30万人以上と言われている。習近平の父・習仲勲が反対したので、それ以降、毛沢東は新疆生産建設兵団という、主として漢族から成る準軍事組織を派遣して、生産を名目に新疆ウイグル自治区に漢族の入植を推進していった。新疆ウイグル自治区の「漢族化」の始まりだ

 その後もウイグル族の暴動があると武力で鎮圧してきたが、1989年6月4日の天安門事件における武力弾圧が西側諸国の非難を浴びると、今度は農民工としてウイグル族を東海岸の各都市に強制派遣し、適齢期のウイグル族を漢族と結婚させる方向に持って行った。

 2014年に深圳や福建など、出稼ぎに出た都市でウイグル族と漢族との間に紛争が起き、数々の暴動が発生して、当局は武力や大量逮捕による鎮圧を試みた。

 このころは習近平政権に入っており、特に2014年からは「国家城鎮化(都市化)計画」が始まった。農民工の賃金の高騰により、中国が世界の工場としての役割を終えつつあり、一方では拙著『「中国製造2025」の衝撃』に書いたように、中国は「組み立て工場プラットフォーム国家」から抜け出して、ハイテク産業国家としてアメリカにキャッチアップしようとしていた。だから全国的に都市に出稼ぎにきた農民工たちを出身地に戻そうという動きに出ていた。

図2からも分かるように、新疆ウイグル自治区も例外ではなく、2014年には出生率が上がっているのである。2017年にも上昇しているのは、新疆ウイグル自治区では、2016年から「一人っ子政策」撤廃が実施されたためだ。

 だというのに2018年と2019年に出生率が激減しているのはなぜなのか?

 それこそは4月15日のコラム<ウイグル問題制裁対象で西側の本気度が試されるキーパーソン:その人は次期チャイナ・セブン候補者>に書いたように「少数民族鎮圧の名手」である「陳全国」が2016年に新疆ウイグル自治区の書記に就任したからである。

 つまり、出稼ぎ農民工は出身地に戻すが、まさかウイグル族だけを東海岸の都市に残すわけにはいかない。しかしウイグル族を出身地に戻した場合、そこで自由を与えるとウイグル族が増え始め反政府色を強めていく「危険性」がある。そこで習近平政権は、「強制収容所」という形式を採用することにして、100万人から成る強制収容所を数多く作った

 その上でウイグル族が増えないようにするために、男女ともに強制的に不妊手術を施したということになる。それは図1に示した不妊手術数の、新疆ウイグル自治区における異常なまでの数値の大きさを見れば歴然としている。

 それが「種族絶滅」というところまで至るか否かは別として、陳全国がチベット族弱体化に成功した程度までには、「ウイグル族という種族を減少させる」ことは確かだろう。

 これを「ジェノサイド」と呼ばずして何と称するのか。

 拙著『習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』を執筆するに当たり、日本ウイグル連盟のトゥール・ムハメット会長を取材し、彼の吐露を記した。

 しかし、その時は、ここでお示ししたような、疑義の予知のない客観的データを入手することはできなかったので、私自身の言葉として「不妊手術を強制している」とは書いていない。科学的姿勢を貫くには、「証拠」を手にしない限り断定することを避けなければならないからだ。

 しかし今、本コラムで提示したデータを入手できたので、疑義が確信へと変わり、「ジェノサイドはある」という結論に達したことを公開する次第だ。

参考文献・参考資料

マクロン大統領の発言が波紋 台湾情勢めぐり「米中追随は最悪」 (msn.com)

中国軍 演習終了後も台湾周辺で訓練 軍事活動を常態化させる狙いか (msn.com)

「習氏にこびへつらった」=トランプ氏がマクロン氏批判 (msn.com)

中国のウイグル族弾圧は「地獄のような光景」=アムネスティ報告書 - BBCニュース

ウイグル「ジェノサイド」は本当だった:データが示すウイグル族強制不妊手術数(遠藤誉) - 個人 - Yahoo!ニュース

仏大統領の「台湾関係ない」発言、中国つけ上がらせる恐れ 欧米で物議 (msn.com)

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