政治(金融)講座ⅴ926「SVBの破綻は日本に飛び火するか否か」
飛び火しているか否かはこれからの破産した銀行の清算過程で明らかになるのであろうが、常識的には世界がビジネスでつながっている昨今において無事であるわけがない。日本の金融も何らかの飛び火を受けて大炎上する可能性も否定できない。サブプライムローン問題で端を発してリーマンショックに繋がった記憶がまだ残っている。月並みな表現であるが「自己責任」の世界である。貧乏人にとっては、「ざま見ろ」と思っていることであろう。
今回も日本も含む世界の混乱ぶりを俯瞰してみよう。冷静な判断が勝者となると確信している。因みに今日の銀行株価は反発して始まり前日比+3%~+5%で推移している。これで一喜の解消とならず、誘惑の魔の手が呼び寄せるので、明日は一憂となる可能性は大である。相場は一寸先は闇である。
皇紀2683年3月15日
さいたま市桜区
政治(金融)研究者 田村 司
シリコンバレー銀行破綻は“超緩和バブル”の反動 日本の銀行に飛び火する可能性はあるのか
マネーポストWEB によるストーリー • 2 時間前
3月10日にシリコンバレーバンク(SVB)、12日にはシグネチャー・バンクと米国で相次いで銀行が経営破綻している。総資産約2090億ドルにも及ぶSVBの破綻は史上2番目の規模で、リーマン・ショック以降最大の経営破綻となり、シグネチャー・バンクの破綻は史上3番目の規模となることから、世界的な金融危機につながった2008年のリーマン・ショック再来を指摘する声も高まっている。
【写真】シリコンバレー銀行から資金を引き出すために待機している大勢の列
とりわけSVBのケースでは、運用していた米国債や住宅ローン担保証券(MBS)などの有価証券の価値が下落して多額の「含み損」を抱えていた。これに対し、SVBは含み損処理と資本増強策を3月8日に発表したが、むしろ信用不安の拡大につながり、預金が次々と流出する取り付け騒ぎに発展し、破綻に至った。
日本の地銀の多くも、運用先が限られるなか、米国債など有価証券の保有が増え、その含み損は昨年12月末時点で3兆円にのぼるとされる。そのビジネスモデルがSVBと似通っていることから、日本の地銀などにも飛び火するのではないかと“疑心暗鬼”が広がっている。はたして米国で相次ぐ銀行破綻は日本にも影響を及ぼすのか──。
グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が、SVB破綻の原因について解説する。
「SVBは米国のスタートアップ企業が顧客の中心になっていて、コロナバブルで大量の資金を調達したシリコンバレーの新興テック企業から預金を集めてきました。預金残高は2020年からの3年間で3倍超に膨らむほど。その急増した預金を米国債などの有価証券で運用するなか、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げによって金利が上昇したことで債券価格は下落。また顧客であるスタートアップ企業の資金繰りが厳しくなったことも重なり預金の引き出しが増加。結局、大幅な含み損を出し、3月8日に債券の売却と大規模資金調達を発表しました。
ところが、この発表がかえって同行の信用不安を拡大し、スタートアップ企業を中心に預金が流出するという大規模な取り付け騒ぎが起こってしまったわけです。つまり、破綻の主な原因は、顧客が一定の業界に集中していたことと、米国の急激な長期金利の上昇にあります」
こうした局地的な「集中」による要因は、他のケースにも見て取れるという。
「SVBの前に清算を発表したシルバーゲート銀行やその後に続いたシグネチャー・バンクは暗号資産(仮想通貨)を中心に取り扱っていたので、このケースでも一定の業界に集中していたことがわかります」(戸松氏、以下同)
日米の金融政策の違い
そうした見方から、戸松氏は「今回の件が直ちに金融危機に発展するとは考えにくい」としつつ、「コロナ後の超緩和バブルの反動が、米国の一部銀行を襲ったということで、同様にバブルに踊った金融機関がいくつか後に続く恐れはあります」と指摘。
では、日本の銀行への影響はどうか。
「日本の地銀の場合、地域は限定されているかもしれませんが、融資先や預金者などのセクターは分散されていることが多いので、一極集中のリスクはそこまで高くない」
加えて、日米の金融政策の違いもある。
「そもそも金融緩和政策を続ける日本はそこまで長期金利が上昇していないし、今後、日銀総裁の交代後も、米国のような大幅な政策金利の上昇や長期金利の上昇は起こりにくいと考えます。財政投資を積極的にやってこなかったこともあって、米国と比べて景気はそれほどよくなく、インフレにしても内需に起因した“ディマンドプルインフレ”ではなく、外需に起因する“コストプッシュインフレ”なので、インフレ対策として政策金利を上げる意味があまりないからです」
10年にわたって続いてきた「異次元の金融緩和」は、国債の流動性低下をはじめさまざまな副作用を生み出してきた。だからといって、日銀の植田和男・新総裁が就任後すぐに金利を大幅に引き上げることは考えにくく、米銀行の破綻につながった要因は日本では想定しにくい現状もあるという。
「なによりリーマン・ショックの際は、サブプライムローンに関わる大きなレバレッジをかけたさまざまな金融商品がありましたが、今回はそうではない。また、すでに米財務省、FRB、米連邦預金保険公社(FDIC)は保護する預金の上限を撤廃して預金の全額保護に乗り出し、FRBは預金流出の恐れがある銀行に緊急融資も表明。金融危機へと波及しないように次々と対策を打ち出しています」
米銀行の破綻を受けて日本の銀行株も株価下落に見舞われているが、戸松氏は「今後の(小幅ではあるものの)日本の金利上昇による期待感からの上昇まで見据えれば、銀行株が急落することはあっても、それは一時的なもので終わるのではないでしょうか」と分析している。(了)
【SVB破綻】相次ぐ米銀行の破綻、それでも米FRBは利上げを続けるのか?【解説】
TBS NEWS DIG によるストーリー • 2 時間前
3月10日、資産規模・全米16位のシリコンバレーバンク、その2日後には資産規模・全米29位のシグネチャーバンクも経営破綻に追い込まれました。
相次ぐ米銀行の経営破綻、それでも米FRBは利上げを続けるのか?日本にどういった影響があるのか?詳しく見ていきます。
リーマンショック再来は?
熊崎風斗キャスター:
アメリカで銀行が相次いで経営破綻しました。
まずは3月10日、資産規模(2022年末時点)が全米16位で、総資産が28兆円ほどだったシリコンバレーバンクが経営破綻。その2日後の3月12日、資産規模が全米29位のシグネチャーバンクも経営破綻に追い込まれました。
かつて、銀行の破綻をきっかけにリーマンショックが起こりました。
2008年に、アメリカの投資銀行大手リーマンブラザーズが世界最大級の規模で倒産しました。これによって世界的な金融経済危機に発展し、日本でも世界的な不況を受け、非正規雇用者が解雇される「派遣切り」が社会問題化しました。今回はどれほどの影響になるのか、まさに今注視されています。
ホラン千秋キャスター:
どこまで日本へ影響があるのかという点もありますけれども、アメリカ国内ではどれくらい混乱というか危機感が高まってるんでしょうか?
TBSスペシャルコメンテーター星浩氏:
リーマンショックのときは対応が遅れたことがあって、(影響が)広がっていきましたが、今回はすぐ対応したので、とりあえずは混乱は回避してるみたいですけども。3番目の銀行の破綻があるんじゃないかというのが昨日今日あたり、噂になっています。その辺がどこまで広がっていくかです。
ホランキャスター:
保護するといいつつも、日経平均株価大幅下落という形になっていますので、やはり危機感は失っていないということですか?
星氏:
危機感は相当あると思います。特に日本の銀行株も下がりましたから、これがどこまで波及してくるか、株が下がるとどんどん世界的に繋がっていくので、これが明日明後日どうなってくるかというのを皆さん注目してます。
熊崎キャスター:
3月14日の東京株式市場では、取引開始直後から全面安となりました。午前10時半すぎ、700円以上下がった時間帯もあり、日経平均株価の終値は2万7222円04銭となりました。前日比610円92銭安という状況になりましたので、明日明後日どういう動きになるのか注目していきたいと思います。
では、破綻の背景には何があったのか?詳しく見ていきます。
SVB破綻の背景は?金利と債券の関係
熊崎キャスター:
まずはアメリカの状況です。FRB(連邦準備制度理事会)は2022年から物価高を抑えるため急速な利上げに踏み切っています。「金利」と「債券価格」この2つをキーワードとして注目していきます。
例えば「金利」が下がる場合、シーソーの関係で見ると「債券価格」が上がります。急速な利上げ、金利が上がる場合は債券価格が下がる。
シリコンバレーバンクは債券保有の割合が他の銀行より高くなっていました。ですから、金利が上がって、債券価格が下がるとなると、損失はそれだけ多くなる。8日発表の時点で約2400億円の損失だったということです。
この状況を踏まえ、アメリカの格付け会社は、シリコンバレーバンクを格下げしました。すると、お金を預けていた皆さんは"ひょっとしたら経営が危ないんじゃないか"と思い、預金の引き出しが相次ぎました。1日で5兆円を超える額が引き落とされ、経営破綻してしまいました。
こうしたことを踏まえ、財務省・FRBなど共同声明で、預金を全額保護すると発表し、バイデン大統領も「みなさんの預金は安全です」と異例の発表をしました。
ホランキャスター:
もっと大きな銀行も経営破綻の危機になると、アメリカ政府としてはどこまで保護できるのかという部分もあると思うんですが。
星氏:
全部の銀行を保護するというのは、実際にはできないです。今、危機が始まっている段階、火事で言えば小さい段階で消火しようということです。これから広がらないようにして、安心ですよという心理を作ろうという作戦だと思います。
日比麻音子キャスター:
利上げを続ける方針ではある訳で、預金者が慌てて全て引き出すことがないように心理的に食い止めるということですか?
星氏:
とりあえず大丈夫ですよと言えば、取り付け騒ぎが起きませんから。これは世界に拡大する可能性があるので、ここで消火しようということです。
ホランキャスター:
利上げが今回のような副作用をもたらしたということですが、FRBはこれからも金利を上げていくという見通しです。これだけ銀行が破綻するようなことがあれば、利上げのペースを落とす、あるいは止める可能性はありますか。
星氏:
来週、会合が予定されていて0.5%の利上げと言われていたんですが、もしかすると利上げを見送るかもしれませんね。
米銀行破綻で日本に影響は?“もしも”のシナリオを考える
熊崎キャスター:
日本への影響はあるのでしょうか?
3月14日鈴木金融担当大臣「現時点で日本の金融システムの安定に重大な影響を及ぼす可能性は低い」
金融の専門家・りそなアセットマネジメントチーフストラテジスト黒瀬浩一さんによると…
黒瀬浩一氏「同じ規模の銀行破綻が相次ぐと、リーマンショック級に発展し日本にも影響を与える可能性がある」
植田次期日銀総裁は2月24日、金利を低く抑え込む金融緩和を続ける方針を表明していました。
黒瀬さんは「将来的に急速な利上げが行われた場合(今のアメリカと同じような状況になった場合)、国債保有の銀行が経営危機になる可能性」も指摘しています。
ちなみに日銀は500兆円を超える国債を保有していて、債務超過になるのかどうかというところです。
ホランキャスター:
借金が大きければ大きいほど金利が上がるとその分、利子として返す部分も多くなるので、日本もこういうことがあるのではないかということですか?
星氏:
地方銀行はそのアメリカの国債をいっぱい持っていますから、当面はないんですけど日本の金利が上がってくると国債との関係で国債よりも金利が高くなったら、国債が逃げちゃうっていう可能性があるので心配なんですけど。日本の場合、当面金利が上がるという可能性はないので、しばらくはその点は大丈夫。むしろ株価が下がって景気が冷え込むという方がとりあえず心配されることだと思います。
日本ではソフトバンクGと三井住友トラストに注目-SVB破綻で
John Cheng によるストーリー • 12 時間前
(ブルームバーグ): アジアのテクノロジー企業何社かが、破綻した米シリコンバレー銀行(SVB)に預金があることを明らかにした。多くはその預入額について、事業運営に影響するものではないとしている。
バイオテクノロジー関連を中心とした香港企業の少なくとも十数社が、取引所への届け出でSVBを取引銀行に挙げている。ウェッブサイト・ドット・コム創業者のアクティビスト投資家デービッド・ウェッブ氏が指摘した。その多くが事業開始から初期段階の不採算企業で、数億ドルのエクスポージャーがある。
日本企業ではテクノロジー業界に積極的に投資しているソフトバンクグループが、SVB危機へのエクスポージャーが最も大きい可能性のある1社だ。
ソフトバンクGは英オークノース銀行に出資しているが、同行はSVBの英部門買収で交渉を行った。SVBとの合弁事業のある中国国有の上海浦東発展銀行も影響を受けそうだ。
SVB破綻の波及リスクを抑えるため米当局は12日、全ての預金を保証すると発表した。
グロー・インベストメント・グループの洪灝チーフエコノミストは「多くの人がSVBは米当局によって救済される特異なリスクだと考え、市場は今のところテクニカルな詳細に目をつぶることにしている」と話した。
日本でSVBと関連のある企業は以下の通り。
ソフトバンクG
ソフトバンクGのビジョン・ファンドが投資している複数のスタートアップ企業は、SVBに預金があり同行から融資も受けている。こうした企業はSVB破綻によりキャッシュフローが圧迫されるリスクがある。
三井住友トラスト
三井住友トラスト・ホールディングス傘下の運用会社は昨年末時点で、SVBの親会社SVBファイナンシャル・グループの株式0.29%をインデックスファンドの中で保有していた。
原題:Here Are the Biggest Asian Companies Caught in SVB’s Fallout(抜粋)
--取材協力:Charlotte Yang、Georgina Mckay、Youkyung Lee、Kurt Schussler.
(最終段落に詳細を追加して更新します)
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©2023 Bloomberg L.P.
参考文献・参考資料
シリコンバレー銀行破綻は“超緩和バブル”の反動 日本の銀行に飛び火する可能性はあるのか (msn.com)
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