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やさしい物理講座V57「トリチウム水と三重水素」

前回の「政治講座ⅴ1083」の「処理水」と「汚染水」の理解ができない韓国左派に理解していただきい内容である。韓国左派勢力は反日教育を受けて、常に日本を貶めようとする発言や報道に醜聞が絶えない。自国の惨状を俯瞰すると赤面するはずであるが厚顔無恥で反省と改善の様子が見えない。それが世界から笑われている原因である。

トリチウムは、自然界で主に宇宙線粒子と空気分子の原子核との相互作用によって大気上層で生じるとともに、原子炉や他の産業の操業の結果としても生じる。「汚染水」から色々な放射性物質を取り除いた水が「処理水」と言われるものであるが、その「処理水」は「トリチウム水」であり、三重水素を含む水である。今回はその解説を簡単に紹介する。

     皇紀2683年5月14日
     さいたま市桜区
     物理研究者 田村 司

韓国の原発から放出されるトリチウムとの比較

(写真:読売新聞)© 読売新聞

トリチウム水とは

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

(構造式)
トリチウムの分子模型。 白の玉で表されている二つの水素のどれか一つ又は両方がトリチウム原子になっている。IUPAC名[表示]別称[表示]識別情報CAS登録番号14940-65-9
特性化学式T2O または 3H2Oモル質量22.0315 g·mol−1密度1.2138 g/mL融点9 °C, 282 K, 48 °F沸点104 °C, 377 K, 219 °F


トリチウム水とは、三重水素(トリチウム)を含むを言う。水素・トリチウム・酸素各1分子で構成されたもの(化学式HTO)、重水素・トリチウム・酸素各1分子で構成されたもの(化学式DTO)、トリチウム2分子・酸素1分子で構成されたもの(化学式T2O)の3つがある。広義の重水である。

トリチウム水分子に含まれるトリチウムは水素の放射性同位体の一つで、12.32年を半減期として、β崩壊を起こしてヘリウム3となる。

概要

原子の化学的(chemical)な性質は原子の電子殻の各軌道の収容電子数によって決まる。この電子配置は原子核を構成する陽子の数(陽子数)によって決まり、同じく原子核を構成する中性子の数(中性子数)は関係しない。陽子数が同一で中性子数が異なる原子をその原子の同位体(isotope)と呼ぶ。特に放射性崩壊を起こして放射線を出す同位体は、放射性同位体と呼ばれる。

三重水素(トリチウム)は水素の放射性同位体(記号は3H、一般にTで表される)である。同位体であることから原子の電子配置は同一であり、その化学的(chemical)振る舞いは他の水素の同位体(主な安定同位体であるプロチウム1Hおよびもう一つの安定同位体である重水素2H)と同じである。質量数の違い(重さの違い)からの(化学的ではない)物理的振る舞いに起因する差異は同位体効果(isotope effect)と呼ばれる。

トリチウムは、主に液体あるいは蒸気の形の水の形(HTO)として人間に触れることになる。これをトリチウム水(tritiated water; HTO)と呼ぶ。

トリチウム水は化学的(chemical)には水(H2O)と電子配置が同一であるので、軽水(H2O)、重水(HDO)とトリチウム水の化学的(chemical)な分離は不可能である。ただし、同位体効果の分挙動に違いがあるので、原理的に物理的(physical)な分離についてはその余地がある。ただし、化学反応を利用しないので、その効率は悪く、コスト高につながっている。

健康影響

飛程の短い低エネルギーのβ粒子を放出するトリチウムは、内部被ばくの結果として健康リスクを生じる。トリチウム内部被ばくの生物学的および健康への影響を考慮する場合、①HTO、②有機結合型トリチウム(OBT)、③トリチウム化生化学物質、④不溶性化合物、⑤トリチウム化ガスの5つの主要な化学形態が重要であるとされる。

なお、トリチウムの潜在的放射線毒性に影響する可能性のある他の要因としては、核変換同位体効果がある。いずれの効果も主たる効果であるトリチウム放射壊変から放出されるβ粒子からのエネルギー付与に比べれば放射線毒性への寄与は小さい。

トリチウムは、自然界で主に宇宙線粒子と空気分子の原子核との相互作用によって大気上層で生じるとともに、原子炉や他の産業の操業の結果としても生じる

原子力施設から環境中の放出と基準

国際的に原子力施設から出るトリチウムのトリチウム水としての形での自然環境中への放出は広く行われており、イギリスでは1998年から2002年の期間、毎年3ペタベクレル程度のトリチウムが放出されている他、カナダ、アルゼンチン、フランス、スペイン、アメリカ、ドイツ、日本でも放出されていた[5]。この期間、トリチウム以外の放射性物質の放出ベクレル数はトリチウムの1%にも満たない水準である。これらは国際放射線防護委員会がトリチウムの線量係数が極めて低く、人体に対する影響も極めて少ないと判断しているためであり、各国は線量係数をもとに放出できる量を法律で定め、各原子力施設はこれに従って放出計画を立てている。

トリチウムは、米国内の65の原子炉のうち48か所から漏れたことがある。1つのケースでは、リーク水は、リットル当たり7.5マイクロキュリー(280 kBq)のトリチウムを含み、飲料水の米国環境保護庁基準の375倍であった。

米国核規制委員会は、2003年の通常運転では、56基の加圧水型原子炉が40,600キュリー(1.50 PBq)のトリチウム(最大2,080 Ci、最小0.1 Ci、平均725 Ci)を放出し、24の沸騰水型原子炉が665キュリー(24.6 TBq)(最大:174 Ci;最小:0 Ci;平均:27.7 Ci)である。

米環境保護庁によれば、都市の埋立地に不適切に配置された自照式出口標識が、最近、水路を汚染することも判明している。

日本における状況

日本においては、発電用原子力施設で発生する液体状の放射性廃棄物については、時間経過による放射能減衰、大量の水による希釈といった方法で、排水中の放射性物質濃度を規制基準を超えないように低減させた上で排出することとなっている。

トリチウム水については、周辺監視区域外の水中の濃度が60 Bq/cm3( = 6×104 Bq/L)を超えてはならないと定められている。通説では、トリチウムには海産生物による濃縮効果がないと考えられている(それに異を唱える研究が存在すると主張するものも居るが、当該研究の対象は有機化されたマーカーであり、原発等からの排水等に含まれるトリチウム水とは同列には語れない)。そのため通説に従い、他の核種の100倍を越える量が海洋に放出されている。

一般的な原子力発電所では年間約1.0〜2.0×1012 Bq(1〜2兆ベクレル/年)ほどトリチウム水を海洋に放出している(表参照)。

実用発電用原子炉施設からの年度別トリチウム水放出量(単位:Bq)施設名2007年2008年2009年2010年東京電力(株)福島第一原子力発電所1.4×10121.6×10122.0×1012-東京電力(株)福島第二原子力発電所7.3×10115.0×10119.8×10111.6×1012

福島第一原子力発電所の処理水問題

2011年3月11日の東日本大震災により大津波が発生し、福島第一原子力発電所は1~4号機が全交流電源喪失に陥り、原子炉冷却を行うことができなくなるという事態となり福島第一原子力発電所事故へと至った。事故の収束にあたっては原子炉を冷却する必要があったが、1~3号機の原子炉圧力容器の底部は核燃料のメルトスルーにより破損しているとみなされており、原子炉冷却の注水に伴い必然的に原子炉で放射性物質を取り込んだ高レベル汚染水が1~4号機の建屋地下に滞留することとなった。

この滞留し続ける汚染水を処理するために、暫定の循環冷却注水システムが応急的に組み上げられたが、この滞留汚染水は炉心冷却のための原子炉注水だけではなく、地下水などの流入もあった。そのため一部をタンクに貯水する必要があったが、このたまり続ける水の処分の問題が処理水問題である。

福島県浜通り地方を中心に周辺地域の水産業が深刻な風評被害を受け続けていた為、地下水などに混入した各種の放射性核種を処理したトリチウム水の太平洋への海洋放出などによる削減は、世論の批判・反対が強いため行われておらず、原発敷地内に保管している。

政府は、2021年4月13日に、東京電力福島第一原発の処理水(トリチウム水)を海洋放出する方針を決定した。これは上記の原発敷地内のタンクが増加したためである。また、放出する処理水の濃度は、世界保健機関(WHP) の飲料水水質ガイドラインにおける約7分の1の濃度である約1500Bq/Lである。


処分方法

分離技術

処理水からトリチウム水を分離する技術が研究されている。東京電力も実用的な技術を募集はしている。

三重水素とは

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

三重水素(さんじゅうすいそ)またはトリチウム: tritium、記号: T)は、質量数が3である水素の同位体、すなわち陽子1つと中性子2つから構成される核種であり、半減期12.32年で3Heへとβ崩壊する放射性同位体である。

重水素(2H)と三重水素(3H)とを併せて重水素(heavy hydrogen)と呼ばれることがある。三重水素核は三重陽子 (: triton) とも呼ばれる。

三重水素は、その質量が軽水素の約3倍、二重水素の約1.5倍と差が大きいことから、物理的性質も大きく異なる。一方、化学的性質は最外殻電子の数(水素の場合は1)によって決まる要素が大きいため、三重水素の化学的性質は軽水素や重水素とほぼ同じであることが多い。同位体効果の項も参照。

概要

自然界に最も多く存在する「普通」の水素は、原子核が単独の陽子から成る軽水素(1H)であり、原子核陽子1つと中性子1つから成る重水素(2H)も安定核のため豊富に存在する (自然界の水素同位体の0.0115%) のに対し、三重水素は不安定なため天然には微量しか存在しない。とはいえ、半減期12.32年は軽い元素の放射性同位体としては比較的長いもので、天然においても一定量が常に存在している。たとえば体重60 kg程度の人の場合、50ベクレル程度のトリチウムを体内に保有している。水素には質量数が4から7の同位体もあるが、いずれも半減期が10-22秒以下と極めて不安定で実験室外には存在しないため、多くの場合には三重水素が事実上唯一の水素の放射性同位体として扱われている。

三重水素は、地球環境においては、酸素と結びついたトリチウム水(HTO)としてに混在しており、水圏中に気相、液相、固相の形態で広く拡散分布している。大気中においては、トリチウム水蒸気(HTO)、トリチウム水素(HT)および炭化トリチウム(CH3T)の3つの化学形で、それぞれ水蒸気、水素、炭化水素と混在している。なお、海水中の三重水素濃度は通常、数 Bq/Lより少ない。

三重水素は宇宙線と大気との反応により地球全体で年間約72 PBq(7.2ベクレル)ほど天然に生成される。加えて、過去の核実験により環境中に大量に放出され未だに残っている三重水素(フォールアウト・トリチウム)、原子力発電所または核燃料再処理施設などの原子炉関連施設から大気圏や海洋へ計画放出された三重水素(施設起源トリチウム)[注 9]が地球上で観測される三重水素の主たる起源である[9]

高純度の液体トリチウムは、核融合反応のD-T反応を起こす上で必須の燃料であり、水素爆弾の原料の一つとしても利用される[10]

体内では均等分布で、生物的半減期が短く、エネルギーも低い。こうしたことから三重水素は最も毒性の少ない放射性核種の1つと考えられ、生物影響の面からは従来比較的軽視されてきた。しかし一方で、三重水素を大量に取扱う製造の技術者の、内部被曝による致死例が2例報告されている。三重水素の生物圏に与える影響については、環境放射能安全研究年次計画において研究課題として取り上げられたことなどもあり、長期の研究実績に基づいた報告書が公表されている。

名称

三重水素は歴史的経緯から固有の名称が与えられている。三重水素にはトリチウム: tritium、元素記号: T)という別名がつけられており、独自の元素記号も設定されている。これはギリシャ語で「三番目」を意味するτρίτος(trítosトリトス)に由来する。T という元素記号は三重水素という水素の同位体に対して特別に割り当てられた元素記号である。このようにある元素の同位体に対して特別な元素記号が与えられているものとしては、他には二重水素に対する D やトロン(ラドン220)に対する Tn などがある。

トリチウムという別名には、幾つかの表記ゆれが存在する。例として、トリチュウムトリチューム

通常の元素の同位体の記号と同様に、元素記号の左肩に質量数を付与し、元素名の後に質量数を付与して水素3(すいそ-、: hydrogen-3、記号: 3H)とすることもあるが、この名称及び表記はあまり使われない。

物理的特徴

トリチウム封入管を使用したミリタリーウォッチ

三重水素は弱いβ線(18.6 keV以下)を放射しながらβ崩壊を起こし、ヘリウム3 (3He) へと変わるベータ放射体(beta-emitter)で、半減期は12.32年である。

電子は、5.7 keV の平均運動エネルギーを持ち、残りのエネルギーは反電子ニュートリノによって奪われる。三重水素から発する低いエネルギーのβ線は人間の皮膚を貫通できず、外部被曝の危険性がほとんどないため、その酸化物であるトリチウム水(HTO)は放射性夜光塗料の材料などに用いられている。また、この低いエネルギーであるがゆえに、三重水素の標識化合物は、液体シンチレーション計測法でないと検知することができない。

熱核反応(核融合反応)の燃料として

二重水素(D)と三重水素(T)の核融合反応である熱核反応(D-T反応)は、二重水素同士の熱核反応(D-D反応)に比べて反応に必要な温度・圧力条件が低い。

H13+H12⟶He24+n

そのため、1952年の核実験にてエニウェトク環礁の一つの小島を消滅させた水爆の原理の中では、D-D反応を起こすための中間の起爆反応として用いられた。現在では、三重水素は、ITERをはじめとする核融合実験炉においては核燃料として研究されている。

トリチウムの生成

三重水素(トリチウム)は原子炉においては、炉内の重水(HDO)の二重水素(D)が中性子捕獲することでトリチウム水(HTO)の形で生成される。

ほかには、ウラン235 (235U) 或いはプルトニウム239 (239Pu) が中性子と反応した時に起こる三体核分裂によっても生じる。また、制御棒に使用されるホウ素同位体 10B が、高速中性子を捕獲することでも生じる。

B510+n⟶224He+H13

生成量は原子炉ごとに異なるとされるが、一年間の運転で加圧水型軽水炉内には約200兆ベクレル (2 × 1014Bq)、沸騰水型軽水炉では約20兆ベクレル (2 × 1013Bq) が蓄積する[24]。しかしながら、トリチウム水(HTO)は、化学的性質が水(H2O, HHO)とほぼ同一であるため、化学的には水とトリチウム水を分離することはできない。ただし物理的な同位体効果を利用した分離技術は確立されており、トリチウム含有水の蒸留電気分解同位体交換法など、いくつか分離方法が存在する。しかしそれでも大量かつ極めて低濃度の水からトリチウム水だけ、分離してまとまった量を回収することはコスト的に非常に困難である。

トリチウム水からトリチウムを単離するのは上述のとおり極めて難しいため、高い純度のトリチウムを得るにあたっては回収しやすい形で人工的に生成する必要がある。比較的良く知られたトリチウムの生成方法としては、原子炉内でリチウム Li に中性子を当て(中性子捕獲させ)、トリチウムとヘリウム4(4He)に分裂させた上で得るという方法がある。しかし、リチウムイオン化傾向が高く、少量の水と接触するだけで激しく反応するなどの性質があり危険であるため、反応性はなくすがリチウムのトリチウムにはなる性質は残す合金を作るといった研究が行われている。東京工業大学でリチウムとの合金が適しているといった研究結果が出されている。また、この合金だと鉛に当たった中性子は2倍に増えるため、通常より多くのトリチウムが生産されることも期待されている。

自然界での生成

宇宙線中性子または陽子が大気中の窒素または酸素と核反応し、地表面積あたり毎秒0.2 個/cm2⋅sec 程度の割合で三重水素が生成している。地球の表面積を 5.1×1014 m2とすると、トリチウムの年間生成量は約72 PBq (P=1015)となる。放射性崩壊と天然生成量が平衡にある時、その同位対比は地表に存在する水素原子の 10−18 に相当し、これを1 TU(Tritium Unit)と定めている。

参考文献・参考資料

トリチウム水 - Wikipedia

三重水素 - Wikipedia

政治講座ⅴ1083「リテラシーの低い韓国左派はまた叫ぶ。日本を貶める知恵に長ける韓国左派」|tsukasa_tamura (note.com)

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