政治(防衛・外交)講座v303「ロシアのウクライナ侵攻の轍を踏まないようにと暗に支那に釘を刺す」
プーチンも面子で特別軍事行動を起こし、習近平も台湾を支那の統一の面子のためにそろそろ軍事行動を起こしそうな気配である。それを察知した米国政府と議会の政治的行動であろうがいよいよ事態はきな臭くなっている。今回はペロシ氏の台湾訪問について報道記事から論ずる。
皇紀2682年8月4日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
はじめに
支那の経済も大変、怪しくなってきている。それで、習近平政権の三期目が怪しくなってきた。政権維持のため、外に目を向けるのが常套手段と言われている。その常套手段に従えば、いよいよである。権力者の考えることはお見通しである。台湾→尖閣諸島→沖縄→日本本土、と支那は虎視眈々と狙っている。防波堤が打ずれたら、勢力図が変わってくる。一方、ロシアは千島列島(日本領土)→北海道と勢力図の拡大を狙っている。さて、どうする。憲法9条があるから襲ってこないのか? 亜細亜は露西亜と支那の勢力圏に分割統治されるのか、危機は目前である。今から縄を編んでも間に合わないかもしてないが、日本を侵攻された第二のウクライナにしたくない。そして、「武器を貸してくれ」などと嘆願する惨めな他力法願ではなく、事前準備の自力本願で、自分の身は自分で守る覚悟が今こそ必要であろう。平和主義の吾輩は世界の勢力図を俯瞰してそのように思うのである。
台湾駐日代表、ペロシ米下院議長は「果敢な政治家」 訪台に「感謝」
毎日新聞 2022/08/03 18:14
台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(駐日大使に相当)は3日、自民党本部で講演し、ペロシ米下院議長の台湾訪問について「台湾にとって良い友人であり歓迎する。台湾の民主主義を肯定し、台湾への支援を呼びかけてくれたので感謝している」と述べた。ペロシ氏について「果敢な政治家だ」とも語った。
講演は、同党の外交部会などが開いた南太平洋情勢に関する会合の中で実施された。謝氏は銃撃事件で亡くなった安倍晋三元首相についても言及し、「先見の明を持ち、『自由で開かれたインド太平洋』を提唱し定着させた」と述べ弔意を表明した。【今野悠貴】
ペロシ米下院議長の声明要旨 台湾を訪問
2022年8月3日 11:24
台湾を訪問したペロシ米下院議長が2日に発表した声明の要旨は次の通り。訪台は台湾の民主主義を支援する米国の揺るぎない関与を示すものだ。 我々の訪問はシンガポール、マレーシア、韓国、日本を含むインド太平洋地域への幅広い訪問の一環であり、相互の安全保障、経済連携、民主的統治に焦点が当てられた。 台湾の指導者との協議では米国による支持を再確認し、自由で開かれたインド太平洋地域の推進を含む共通の利益を促進することに重点を置く。
世界が独裁か民主主義かの選択に直面するなか、米国が台湾の人々との連帯を示すことはかつてなく重要だ。我々の訪台は長年にわたる米国の台湾政策に反するものではない。米国は一方的な現状変更の試みに反対し続ける。
ペロシ米下院議長が台湾訪問、中国反発 軍事演習実施へ
ロイター編集
[台北 2日 ロイター] - アジア歴訪中のペロシ米下院議長が2日夜、台湾に到着した。米大統領の継承順位2位の下院議長による台湾訪問は25年ぶり。ペロシ氏は声明で、台湾に対する米国のコミットメントがこれまで以上に重要だと述べた。3日に蔡英文総統と会談する。
中国外務省は、ペロシ氏の訪台は台湾海峡の平和と安定を著しく損なうと非難。中国国防省は、ペロシ氏の台湾訪問を踏まえ、中国軍は厳戒態勢を敷き、「的を絞った軍事演習」を開始すると発表した。
<蔡英文総統と会談、人権主義活動家との会合にも出席>
ペロシ氏は他の6人の米議員と共に、米軍機でマレーシアから台北松山空港に到着。台湾のジョセフ・ウー外交部長(外相)らが空港で出迎えた。
ペロシ氏は到着後に声明を発表し、今回の訪台が「台湾の民主主義を支援するという米国の揺るぎないコミットメントを示す」とし、「台湾と米国の結束がかつてないほど重要になっている」と表明。「世界が独裁政治か民主政治かの選択に直面する中、2300万人の台湾市民と米国との連帯がこれまで以上に重要だ」とした。
また、台湾到着直後に公表された米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、台湾の民主政治への取り組みを称賛する一方で、中国が近年、台湾との緊張を劇的に高めていると批判。「中国共産党による侵略加速に直面する中での米議員代表団の訪問は、米国が台湾を支持するという明確な声明としてみなされるべき」として訪台の理由を明かした。
台湾総統府によると、ペロシ氏は3日朝に蔡英文総統と会談。その後、昼食を共にする。また複数の関係筋によると、ペロシ氏は3日に中国の人権問題に関連する活動家との会合に出席する。
米国のジョン・カービー報道官はペロシ氏の台湾到着後、今回の訪台は主権のほか、米国の長年の政策である「一つの中国政策」を損なうものではないと表明。「この訪問が危機や紛争に拍車をかける理由にはならない」とし、米国が中国の脅威や好戦的なレトリックに脅かされることはないと述べた。
ペロシ氏の訪台に合わせ、台北市内の超高層ビル「台北101」がライトアップされ、「ペロシ議長」「台湾へようこそ」などのメッセージを表示。ペロシ氏の車列に歓声を上げる市民の姿も見られた。
<中国は非難、「的を絞った軍事演習」実施へ>
アジア歴訪中のペロシ米下院議長(中央)が台湾に到着した。2日、台北で撮影(2022年 ロイター/Taiwan Ministry of Foreign Affairs/Handout via REUTERS)
中国外務省はペロシ氏の台湾到着直後に発表した声明で、ペロシ氏の台湾訪問で中米関係の政治的基盤が深刻な影響を受けると非難。米国に強い抗議を申し入れたと明らかにした。
また中国国防省は、中国軍は厳戒態勢を敷き「的を絞った軍事演習」を開始すると発表。人民解放軍東部戦区司令部も、2日夜から台湾周辺の空域および海域で合同軍事演習を実施し、台湾海峡での長距離実弾射撃などの演習を行う計画を示した。
これに対し台湾国防部(国防省)は、中国が今後数日間にわたり台湾周辺で軍事演習を行うと発表することにより主要な港や都市を脅かそうとしていると指摘。声明で、軍事演習は台湾市民を心理的に威嚇することを目的としているとしたほか、台湾軍は警戒レベルを「強化」しており、市民は心配する必要はないとした。
こうした中、関係筋によると、中国の軍用機数機が2日朝、台湾海峡を隔てる中央線の近くを飛行。台湾国防部は21機の中国機が2日に防空識別圏に入ったと明らかにし、台湾の軍隊は警戒レベルを「強化」したと表明した。
米海軍は原子力空母ロナルド・レーガンを含む4隻の軍艦を台湾東方の海域に配備。定期的な配備としている。
<ロシア、「米国の挑発行為」を非難>
ウクライナ侵攻で欧米と対立しているロシアは、ペロシの訪問を非難。ロシア外務省は、ペロシ米下院議長の台湾訪問は明らかな挑発行為であり、中国には自国の主権を守る措置を講じる権利があると表明。外務省のザハロワ報道官は「ロシアは『一つの中国政策』の原則を確認し、いかなる形であれ、台湾の独立に反対する」と述べた。
これに先立ち、ロシアはペロシ氏の訪台に関して中国を支持し、ペロシ氏が台湾を訪問すれば米国は中国と衝突することになると米政府に警告していた。
ペロシ米下院議長、蔡英文総統と会談「米議会は台湾を支持」
2022/8/3 12:03矢板 明夫
【台北=矢板明夫】2日夜に台湾を訪れた米国のペロシ下院議長は3日、台北市内の総統府を訪れ蔡英文総統と会談した。台湾海峡情勢や今後の米台関係などについて意見交換する。会談に先立ちペロシ氏は台湾の立法院(国会に相当)を訪れ、立法委員(国会)らと交流した。ペロシ氏は「米国の議会では党派を超えて台湾を支持している。これからは互いの交流を深めていきたい」と述べた。
ペロシ氏は同日午後、景美人権園区(人権博物館)を訪問し、台湾亡命中の中国の反体制活動家、香港の民主化活動家、台湾の人権問題関係者らと面会する予定。
台湾メディアによると、ペロシ氏と面会するのは、ウイグル人民主化活動家で、1989年の天安門事件の際、学生リーダーだったウアルカイシ氏、中国で5年間投獄され4月に釈放されたばかりの台湾の人権活動家、李明哲氏。中国の治安当局に不当拘束された経験をもつ香港の銅鑼湾書店の元店主、林栄基氏ら。中国の人権問題などについて意見を交換するとみられる。
ペロシ氏が台湾に到着した直後の2日夜、台湾で最も高いビル「台北101」の壁面には「アメリカと台湾の友好は永遠」「ありがとう、ペロシ下院議長、台湾へようこそ」などとの歓迎メッセージが点灯された。
ペロシ氏一行が宿泊している台北市内のホテルの前には2日夜、米国国旗などを手にした民衆が集まり、ペロシ氏の訪台を歓迎した。
一部の親中派団体のメンバーはペロシ氏の訪問に反対し、ホテルの近くで「台湾から出ていけ」などと書かれたプラカードを掲げ抗議した。
一方、台湾の国防部(国防省)は3日未明、中国軍機延べ21機が2日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入したと発表した。台湾軍は緊急事態に対応するため、2日から4日正午まで「戦備強化期間」に入り、台湾周辺の安全を確保するために海と空を警戒する兵力を増強した。
また、台湾の総統府のサイトは2日、海外から大量のデータを送りつけられるサイバー攻撃を受けた。攻撃のデータ量は通常の200倍にのぼり、サイトの表示が一時できなくなったが、約20分後に復旧した。サイバー攻撃はペロシ氏の台湾訪問に対する嫌がらせの可能性がある。
ペロシ氏の人物像
ペロシの対中政策
ペロシは中華人民共和国政府の人権抑圧政策に厳しい態度をとっており、天安門事件やチベット動乱における中国政府の行為を強く批判しているため、民主党内では最も中国に厳しい議員の一人とも言われている。1991年の訪問で天安門広場で「中国の民主化のために犠牲になった人たちへささぐ」と中国語と英語で書かれた幕を掲げ、天安門事件の弾圧を批判したことがある。2008年は中国の人権問題を理由に、ジョージ・W・ブッシュ前大統領に北京オリンピック開会式の出席をボイコットするよう迫った。2009年の訪中の際にペロシの前に数十人の陳情者が「ペロシ、中国の人権に関心を持って」などと共産党の腐敗を訴えたが警官に拘束される場面を目撃しており、さらに清華大学で講演を行ったが、中国の人権問題に関する言及はなかった。2009年にダライ・ラマ14世の訪米の際にオバマ大統領は会談を見送ったが、ペロシは下院外交委員長を務めた故トム・ラントスにちなんで創設された人権賞を贈った。
2019年6月12日、香港で逃亡犯を中国本土に引き渡す条例の改正案(2019年逃亡犯条例改正案)をめぐり大規模なデモが発生したことに触れ、一国二制度の枠組みの中に十分な自治権が存在するか再評価する法案の提出を議会に呼び掛けた。
2021年5月、ペロシは新疆ウイグル自治区の人権侵害問題を取り上げる中で「北京冬季五輪を各国首脳は欠席するべき」とする外交的ボイコットを提唱。これにアメリカ政府も同調し、オリンピックとパラリンピックに政府関係者を出席させない方針を採った。こうした対応について、中国外務省は「スポーツの政治化は五輪精神に反し、すべての国のアスリートの利益を損なう」と述べ非難した。
ペロシの対日政策〜広島訪問
2008年9月2日には広島市で行われたG8下院議長会議のため訪日し、参加各国議長とともに平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に献花を行った。これまで同慰霊碑に献花を行った現職の米要人としては過去最高クラスの人物である。さらに各議長は広島平和記念資料館を訪れ、被爆者の体験談も聞いた。バラク・オバマの広島訪問に対しては「大統領を誇りに思う。核兵器の拡大を防ぐために指導力を発揮している」と高く評価した。
ペロシ対ロシア
2022年5月1日、、ロシアによる侵攻が続くウクライナを訪問。キーウでゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナへの支持を表明した。なお同年前月にはブリンケン国務長官、オースティン国防長官が同様にウクライナを訪問して大統領と会談を行っていた。
ペロシのエピソード
2020年のトランプ大統領の一般教書演説で、終了後即座にトランプ大統領から渡された原稿を破り捨てた。
2020年7月、何者かがフェイスブックとYouTube上に、ペロシの音声を改変した記者会見ビデオを投稿。フェイスブック側は「部分的に虚偽」との警告を出し、YouTube側は映像そのものを削除した。
2020年8月31日、地元のサンフランシスコでマスクを着用していないまま美容院の店内に入り、サービスを受けたことが発覚。サンフランシスコでは、新型コロナウイルス対策によるロックダウン措置の一環として、美容室の屋内での営業は禁止されていた。
2021年1月8日、2020年の大統領選で負けたトランプ大統領の精神状態を不安視し、トランプ大統領が核兵器を使った攻撃命令を出すことなどを防ぐためとしてマーク・ミリー統合参謀本部議長と協議した。
My Opinion.
習近平氏の面子丸つぶれ、米国の挑発にどのように出るか。三期目に向けた行動として台湾への侵攻を開始するのか? 世界の勢力図が戦後77年目で変わるのか?
露西亜と支那の覇権膨張主義の防波堤として戦っていたのは大日本帝国であった。そんな、覇権膨張主義国の露西亜と支那を助長させたのは米国である。押し付け憲法9条を理由に日本は傍観して漁夫の利を得てきたのは日本政府及び野党の政治家であった。しかし、近年、米国の経済力に陰りを感じさせる兆候がでているので傍観せずに参戦しないと火の粉は日本にも及ぶ可能性がある。最後に、孫子の兵法について言及する。
孫子の戦争観
孫子は戦争を極めて深刻なものであると捉えていた。それは「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の地なり。察せざるべからず」(戦争は国家の大事であって、国民の生死、国家の存亡がかかっている。よく考えねばならない)と説くように、戦争という一事象の中だけで考察するのではなく、あくまで国家運営と戦争との関係を俯瞰する政略・戦略を重視する姿勢から導き出されたものである。それは「国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ」、「百戦百勝は善の善なるものに非ず」といった言葉からもうかがえる。
また「兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧久なるを睹ざるなり」(多少まずいやり方で短期決戦に出ることはあっても、長期戦に持ち込んで成功した例は知らない)ということばも、戦争長期化によって国家に与える経済的負担を憂慮するものである。この費用対効果的な発想も、国家と戦争の関係から発せられたものであると言えるだろう。孫子は、敵国を攻めた時は食料の輸送に莫大な費用がかかるから、食料は現地で調達すべきだとも言っている。
すなわち『孫子』が単なる兵法解説書の地位を脱し、今日まで普遍的な価値を有し続けているのは、目先の戦闘に勝利することに終始せず、こうした国家との関係から戦争を論ずる書の性格によるといえる。
孫子の戦略
『孫子』戦略論の特色は、「廟算」の重視にある。廟算とは開戦の前に廟堂(祖先祭祀の霊廟)で行われる軍議のことで、「算」とは敵味方の実情分析と比較を指す。では廟算とは敵味方の何を比較するのか。それは、
道 - 為政者と民とが一致団結するような政治や教化のあり方
天 - 天候などの自然
地 - 地形
将 - 戦争指導者の力量
法 - 軍の制度・軍規
の「五事」である。より具体的には以下の「七計」によって判断する。
敵味方、どちらの君主が人心を把握しているか。
将軍はどちらが優秀な人材であるか。
天の利・地の利はどちらの軍に有利か。
軍規はどちらがより厳格に守られているか。
軍隊はどちらが強力か。
兵卒の訓練は、どちらがよりなされているか。
信賞必罰はどちらがより明確に守られているか。
以上のような要素を戦前に比較し、十分な勝算が見込めるときに兵を起こすべきとする。 どんとはらい!
参考文献・参考資料
ペロシ米下院議長の声明要旨 台湾を訪問: 日本経済新聞 (nikkei.com)
台湾駐日代表、ペロシ米下院議長は「果敢な政治家」 訪台に「感謝」 (msn.com)
ペロシ米下院議長の訪台 ロシア、韓国、フィリピンの反応は? (msn.com)
ペロシ米下院議長が台湾訪問、中国反発 軍事演習実施へ | ロイター (reuters.com)
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