政治(金融・経済)講座ⅴ931「金融リスクとインフレ持続を警告」
昭和の狂乱物価を経験した吾輩は、インフレの怖さを思い知った。あれよあれよと言ううちに貨幣価値が下がり、貯蓄の金額が変わらないが、その金額で購入できる物品の価格が手の届かないところへと庶民を押しやるのである。「インフレ」は「庶民の敵」であると同時に「大泥棒」である。他方、返済可能な範囲で借金して目減りしない資産を保有している者にとって、一挙両得となるのである。金利引き上げはこのような人々に制裁として有効であり、インフレ抑止策として使われるのである。今の米国の金利引き上げは薬が効きすぎて副作用の結果としての金融機関の混乱といってよいのかもしれない。景気対策のための金融緩和が今度はインフレとなりインフレを止めるために金利引き上げが、また別な金融市場の混乱を招いたのである。悩ましい!
皇紀2683年3月16日
さいたま市桜区
政治(金融・経済)研究者 田村 司
金融リスクとインフレ持続を警告=米ブラックロックCEO
Reuters によるストーリー • 9 時間前
[15日 ロイター] - 世界最大の資産運用会社、米ブラックロックのローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)は15日、米シリコンバレー銀行の破綻後、米国の地方銀行分野は依然としてリスクがある状況だと警告した。インフレが持続し、政策金利の上昇が続くとの見方を示した。
フィンク氏は投資家らに宛てた年次書簡で、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制に向けて500ベーシスポイント(bp)近い利上げを余儀なくされてきたことを背景に、現在の金融状況を「イージーマネーの代償」と表現した。FRBが今後も利上げを続けるとの予想も示した。
フィンク氏は今回の地銀危機後、「流動性のミスマッチ」と呼ぶ事態が金融業界で起きる可能性があると記した。一部の資産保有者が、低金利の際に売却が容易でない高利回りの投資へのエクスポージャーを高めることになったためだ。
フィンク氏は「損失がどの程度広がっているかが分かるにはまだ早い」とし、「規制当局の対応はこれまでのところ迅速で、断固とした措置は波及リスクを食い止めるのに役立った。しかし、市場は依然として緊張状態にある」と記した。
世界がより分断することでサプライチェーン(供給網)が妨げられ、インフレが持続して「今後数年間は3.5%または4%に近い水準で推移する可能性が高い」との見通しも示した。
クレディ・スイスの問題が本格的危機に急展開、ライバル行は影響回避急ぐ
Abhinav Ramnarayan、Jennifer Surane、Katherine Doherty によるストーリー
(ブルームバーグ): スイスの銀行クレディ・スイス・グループで長期にわたりくすぶっていた問題が15日、本格的な危機に急展開した。同行の株・債券価格が急落し、世界の大手銀行の一部は潜在的な影響から自行の財務を守る動きを急いだ。
クレディ・スイスの株価は一時31%下落し、上場来安値を更新。社債の指標銘柄は同行が深刻な財務ストレスを受けている状況を示唆する水準に値下がりした。一方で、同行と取引する金融機関は危機が深刻化した場合の補償となるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の購入を急いだ。
事情に詳しい関係者1人によると、フランスの銀行BNPパリバはさらに踏み込み、クレディ・スイスがカウンターパーティーのデリバティブ契約でBNPに当事者交代を求める、いわゆるノベーションを今後は受け付けないと一部の顧客に通知した。これに加え、米国の多数の銀行が数カ月かけてクレディ・スイスへのエクスポージャーを徐々に減らしていたことも明らかになっている。
この日、世界の金融市場がこの危機に激しく揺れ動く中でスイス当局はダメージを食い止めるべく、夕方に声明を発表。クレディ・スイスに必要に応じ緊急の流動性支援を提供すると表明した。
ペン・ミューチュアル・アセット・マネジメントのマーク・ヘッペンストール社長は、「クレディ・スイスに対する信頼の危機のような取引のレベルだ」と指摘。「人々は保証を得るために可能な限りの方法を探している」と付け加えた。
この日のパニックの引き金は、クレディ・スイスの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンク(SNB)のアンマル・フダリ会長の発言だった。クレディ・スイスにさらに資金を注入する意思があるかと問われた会長は「絶対にない」と答えた。同行はこのところしばらくの間そうした立場を維持しており、今回の発言は目新しいものではなかったが、ここ数日に米国の地銀3行が破綻して既に緊張状態にあった投資家を不安にさせるのに十分な内容だった。
その余波でクレディ・スイスのドル建て債は1ドル=40セントまで急落し、世界的に見ても最悪のパフォーマンスとなった。事情に詳しい関係者によると、金融機関がカウンターパーティーエクスポージャーからの短期的な防護壁を設置しようと努める中で、1年物のCDSの保証料が大幅に上昇し、それより長期の保証料と比べてかなり割高となった。
スイス当局の発表後にクレディ・スイスの米国預託証券(ADR)は下げ幅を縮小したものの、通常取引終値では依然として14%安だった。この影響は他の銀行にも及び、モルガン・スタンレーとシティグループはそれぞれ5%以上、JPモルガンとゴールドマン・サックス・グループ、ウェルズ・ファーゴはいずれも3%以上値下がりした。
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原題:Credit Suisse Erupts Into Full-Blown Crisis as Rivals Back Away(抜粋)
--取材協力:Alexandre Rajbhandari、Alastair Marsh、Claire Boston、Hannah Levitt、Eliza Ronalds-Hannon、Sonali Basak、Donal Griffin.
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クレディ・スイスを支援 スイス中銀、信用不安拡大
共同通信社 によるストーリー • 2 時間前
【ハンブルク共同】スイス国立銀行(中央銀行)と金融市場監督機構(FINMA)は15日、信用不安が懸念されるスイスの金融大手クレディ・スイスを支援すると表明した。金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレー銀行の破綻を機に、市場では財務基盤が脆弱な金融機関の信用不安が拡大しつつある。クレディ株は15日の取引で売り込まれ、過去最安値を更新していた。
スイス中銀などは声明で「必要ならば、(資金の)流動性を供給する」と述べた。
クレディ・スイスは14日に公表した年次報告書で、過去の財務報告の内部管理に「重大な弱点」があったと認めた。
SVBファイナンシャル、資産売却で破産申請も選択肢=関係者
Reuters によるストーリー • 3 時間前
[15日 ロイター] - 米金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループは、傘下の投資銀行やベンチャーキャピタル事業を含む資産の売却に向け、破産法の適用申請を選択肢の1つとして検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
これらの資産は、同じくSVB傘下で先週経営破綻したシリコンバレー銀行とは別の部門。SVBは13日に資産売却について戦略的な代替案を考えていると表明したが、破産申請の可能性には言及していない。
関係者の話では、SVBはまだ最終的な結論に達しておらず、破産申請せずに資産の買い手を見つける道も模索している。
また関係者の1人は、投資銀行やベンチャーキャピタル事業に関してはリストラや資本増強といった方法も選択肢に入っていると述べた。
経営難に陥った企業の資産を買おうとする側は、破産法適用を待って動き出す傾向がある。同法適用以前に取引をまとめても、一定期間内に売り手が破産申請すれば、この取引が帳消しになる恐れがあるからだ。
参考文献・参考資料
金融リスクとインフレ持続を警告=米ブラックロックCEO (msn.com)
クレディ・スイスの問題が本格的危機に急展開、ライバル行は影響回避急ぐ (msn.com)
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