政治(金融)講座ⅴ1472「混迷する中国金融と政治」
旧ソ連が経済的破綻をきたし、それが旧ソ連の政治的崩壊に繋がった。当時のゴルバチョフはソ連の軍拡競争による軍事費増大による経済疲弊を回復しようとしていた。ソ連内のクーデターやエリツインの政治策略もあるが、1991年に崩壊した。70年の寿命の社会実験となった。共産主義経済の欠点として、その病魔を自ら治癒できないところに問題と重大な欠点がある。そして、それは内部崩壊を辿る場合と外圧により脆く崩壊する場合がある。旧ソ連は前者の内部崩壊であった。
翻って、中国の経済崩壊を考察してみる。
中国を会計簿記の貸借対照表や損益計算書に照らして考えると費用対効果から見ても無駄が多い。一例であるが、オルドス市ゴーストタウンを見ると砂漠の上に住む人のいない町をつくっているのである。次のURLでは長期的視野でゴーストタウンを建設したと中国は主張している。
一昔前にゴーストタウンと呼ばれていた中国の「鬼城」その後 - 中国最新情報局ADKD
今回は中国の不動産崩壊と経済崩壊についての両者の主張の報道記事を掲載する。
蛇足:これだけ会計原則を無視して費用対効果のないものを負債を原資にして建造物をつくったら常識的に破綻するだろうと一昔前から思っていたが、案の定、不動産開発業者のデフォルトという形で表面化してきた。こんなことでGDP世界2位とは笑止千万、片腹痛いのである。このように腐敗した中国経済の裏側を表面化したのは習近平氏の実績であろう。表面化せずにゾンビー企業となったら世界中に被害が拡散したであろう。中国経済という国内問題で収まるレベルである。破綻の病理が発覚したのは不幸中の幸いであろう。
皇紀2683年11月5日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
はじめに
中国の「40年成長」は本当に終わり? 大規模不動産会社が数十億円の利子を払えず(ハンギョレ新聞) - Yahoo!ニュース 一部抜粋して掲載。
2021年末、恒大集団(エバーグランデ)の債務不履行(デフォルト)で始まった中国の不動産危機が、碧桂園(カントリーガーデン)や遠洋集団(シノオーシャン)など別の超大型不動産業者の債務不履行に急速に広がっている。
今回の危機が中国政府が推進した「デレバレッジング」(負債軽減)政策によって引き起こされたものであるだけに、中国政府が十分にコントロールできるとの主張も少なくない。中国不動産危機は先月、不動産開発業者の大連万達集団(ワンダグループ)の系列会社がデフォルト危機に置かれ、2年ぶりに再び火がついた。
不動産業者の危機は金融分野に飛び火する勢いだ。
顧客の資金を集めて不動産に投資する中融国際信託は、最近3500億元(約7兆円)規模の商品を返済できず対策に苦心している。
恒大集団と共に不動産業界1位の座を争っていた民間業者(碧桂園)と国営不動産企業(遠洋集団)に続き、不動産金融業者(中融信託)まで資金難に陥るや、西欧メディアは不動産危機が金融危機に広がる中国発「リーマンショック」が発生しかねないと懸念している。
数兆円~数十兆円の資産を運用していた会社が、わずか数十億円の利子を用意できなくなった理由は何か。
中国の不動産市場が現在の危機事態に至ったのは、2020年の中国当局による相次ぐ不動産規制と、3年間続いた新型コロナ事態が決定的に作用した。
2020年8月、中国政府は不動産企業の負債があまりにも多いとし、3大「レッドライン」を出した。
不動産企業の
▽資産・負債比率が70%を超えず
▽純負債率が100%を超えず
▽現金性資産が短期負債より多くなければならないというもの。
自分の規模より大きい借金をして運営する不動産会社の資金源を確実に締め付ける措置だった。
不動産市場正常化のために取った当局の措置は、その直前の2020年1月に始まったコロナ禍と相まって危機を増幅させた。
新型コロナ封鎖による景気低迷で実需要が減り、不動産価格が下落し、売れ残り住宅が急増した。
北京や上海など主な大都市の住宅価格が下落した。
中国全体には売れ残りが続出し、これによって積み上がった不動産在庫が数百万~数千万戸に達すると推算された。
過度な借金をして放漫経営をしていた不動産会社はたちまち資金難に陥った。
昨年は資金難に見舞われた建設会社がまともに建築しないとして、住宅を分譲された住民たちが住宅担保融資の返済を拒否する事態が発生したりもした。
不動産が成長の牽引車から障害物に 中国の不動産は、1980年代に始まった改革・開放以後、約40年間にわたり中国経済の成長を牽引(けんいん)した牽引車だった。
住宅はもちろん、空港・橋・港湾・鉄道など大規模建設が進められ、働き口が急増し、電子・家具産業などは活況をむかえた。
地方自治体は土地を売って公共行政に必要な財政を容易に調達した。 2010年代初めまで経済成長率10%台の高どまりが続き、住宅価格が大幅に上昇した。
住宅を所有する人々は資産の増加という果実を得た。
北京、上海、深センなど第一線の都市の住宅は、ソウルやニューヨーク、東京の住宅価格に匹敵するなど価格が垂直上昇した。
しかし、2010年代に入ってからも続いた不動産市場の過熱と資産価格の暴騰は、深刻な貧富の差を引き起こした。
住宅価格が高すぎるため若者たちは結婚と出産を避けた。
市場の資金が主要産業や先端技術部門ではなく不動産分野に流入する現象も続いた。
不動産が成長の「牽引車」ではなく「障害物」に変わっていった。
中国当局は2015年から「住宅は居住する所であって投機するものではない」という標語を掲げ、不動産分野に対する制裁に入った。不動産価格の急騰を抑え、安定成長を維持する戦略だった。
中国当局は不動産危機を一部認めながらも、かつてほど熱い対応策を打ち出す兆しはみえない。
中国中央銀行の人民銀行は21日、基準金利を調整し、住宅担保融資の基準となる5年満期の貸出優遇金利(LPR)には市場の予測に反して手をつけなかった。外部の予想より中国当局の態度ははるかに慎重であることが確認されたわけだ。
中国国家統計局の付凌フイ報道官は15日、「現在、不動産市場は調整段階にある。一部の不動産企業が困難に直面しており、特に大規模企業らは債務危機にさらされている」と述べた。
市場の状況は難しいが、これを調整段階とみて不動産市場正常化のための機会にしようとする意図がうかがえる。
しかし、西欧の見通しは悲観的だ。今回の事態が不動産危機を超えて、40年余りにわたり驚くべき成果を出してきた「中国式成長モデル」の失敗を意味するという分析まで出ている。
米ウォールストリートジャーナルは20日、「中国の40年好況が終わった」という見出しの記事で「中国を貧困から抜け出させ大国に導いた経済的モデルが崩れたとみられる。危険信号が天地に広がった」として「中国の一部地域は使用率の低い橋梁や空港を抱え込み、数百万戸のアパートが売れ残っている。投資収益率は激減している」と指摘した。 北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
中国、外資の直接投資が初のマイナスに 7〜9月
2023年11月3日 21:20
【北京=川手伊織】外資企業の中国投資が一段と細っている。7〜9月は初めて、工場新設など新規投資分が撤退や事業縮小に伴う資本の回収分を下回った。先端半導体を巡る米中対立や中国でのスパイ摘発強化への懸念から、投資の抑制が広がる。外資離れは中国の技術革新のペースを鈍らせ、中長期の経済成長に影を落としかねない。
中国国家外貨管理局が3日公表した7〜9月の国際収支で明らかになった。
外資の中国投資、初のマイナス 企業が撤退、事業縮小
共同通信社 によるストーリー • 10 時間
【北京共同】中国国家外貨管理局が3日公表した7~9月期の国際収支で、外資企業による直接投資が118億ドル(約1兆7600億円)のマイナスになった。新規投資よりも撤退や事業の縮小が大きくなったことを意味しており、比較可能な統計を公表している1998年以降で初のマイナス。
半導体を巡る米国の輸出規制や、7月の改正反スパイ法の施行などで外資企業の投資意欲が減退していることが背景にあるとみられる。
同局の統計によると、中国への直接投資は新型コロナウイルスの感染を抑え込む上海市でのロックダウン(都市封鎖)があった2022年4~6月期以降に前年同期比で5~8割程度の大幅な落ち込みが続いていた。
中国に進出している日系企業などでつくる中国日本商会が9月に実施したアンケートでは「今年の投資はしない」「前年より投資額を減らす」と消極的な回答をした企業が計47%に上っており、投資意欲の低下は日本企業でも顕著となっている。
中国当局、50%への短期金利急騰で金融機関に説明求める=関係筋
Reuters によるストーリー • 13 時間
[上海 2日 ロイター] - 中国の金融規制当局は月末の流動性逼迫で短期金利が50%にまで急騰したことを調査しており、一部の金融機関に高金利での借り入れ理由を説明するよう求めている。関係筋3人が明らかにした。
10月31日の短期金利急騰は月末の資金需要に加え、今後の大量の国債発行や市場での金融機関のデフォルト懸念が背景だった。
関係筋2人によると、インターバンク市場を運営する中国人民銀行(中央銀行)傘下の中国外貨取引センター(CFETS)は50%の金利で取引を行った機関に説明を求めた。
●スタンダード・チャータードの中国マクロ戦略担当責任者ベッキー・リウ氏は、人民元がドルに対して下落するのを食い止めるために当局が引き締まった元流動性の維持を望んだ可能性もあると述べた。
あるトレーダーによると、大手銀行が貸し渋る様子を見せたため、31日午後の取引では多数のファンド、証券会社、信託会社がデフォルトを避けるために資金を借りようと躍起になっていた。
関係筋は「資金需要が供給をはるかに上回り、短期金利を押し上げた。個々の金融機関にとっては合理的な判断だった」と述べた。
しかし、別のトレーダー筋によると、規制当局は1日の会議で一部の金融機関に「感情的になるな」と伝えた。
同筋は「今はまだ誰もが少し神経質になっている。みんな備えができており、流動性を潤沢に維持するだろう」と語った。
中国、銀行の資本規制を強化 金融リスク抑制狙う
Reuters によるストーリー • 1 日
[北京 1日 ロイター] - 中国の国家金融監督管理総局は1日、金融リスク抑制に向け、銀行の資本規制強化策を発表した。来年1月1日付で施行する。
銀行のリスク管理を改善し、経済にさらに貢献できるようにする狙いがあるとした。
銀行の自己資本比率に全体的なリスクをより正確に反映させる内容で、資本規制に異なる区分を設け、大規模銀行や海外事業の比率が高い銀行には厳しい資本要件を課す。
銀行はまた、非クレジット資産に対する損失引当金を積む増す必要が生じる。新たな要件を完全に満たすまでに2年間の猶予期間が与えられる。
さらに、銀行の住宅ローン融資残高について、不動産の種類や返済原資に基づくリスク管理措置を定めた。
中国とラオス・カンボジアが「運命共同体」に?━━「1都市に1000棟の廃墟ビル」「静かなビーチが一変」一帯一路の光と影
ABEMA TIMES の意見 • 12 時間
中国の習近平国家主席が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」。アジアとヨーロッパを陸と海の物流ルートで結び、貿易を活発化させて、経済成長につなげようという構想は今年で10年を迎え、それを記念する国際会議も先日行われた。虎視眈々と影響力の拡大を狙う中国、その実態にANN中国総局 李志善記者が迫った。
■一帯一路、南ルートの最新事情
━━中国からラオスにつながる高速鉄道においては、約1兆円の総工費を中国が拠出、残りの大半も中国からの融資だというが、この鉄道によってどのような変化が起きたのか?
中国の影響もあってラオスの経済成長率は4%に上ると見込まれている。首都ビエンチャンは凱旋門や病院の建設地など中国の援助がいたる所で確認できる一方で、通貨安とインフレに苦しんでいる。
ラオスで取材した多くの人は中国への感謝を口にしたが、若者は「自国の力が発展せずどんどん依存が強まっていく。いつか言うことを聞かざるを得なくなるのでは…」と将来の不安を口にした。環境が整う人は海外に出ていくという。外国語の一番人気は英語で2番目は中国語だ。
━━ラオスに隣接するカンボジアの取材で感じたことは?
実際に中国の投資で整備された道路を走った。まだまだ悪路もある中で、現地の人にとってみればインフラ整備はありがたいだろう。また、カンボジアの経済特区ではたしかに多くの雇用も生まれている。
だが、中国が深水港の建設を目指すカンポットという街のある漁師は「業者が突然やってきて環境への影響評価すらなく工事が始まり、その影響で漁ができなくなった。保障は一切ない」と不満を口にした。3人いる子どもをどう育てるか悩み、村全体で港の建設に反対しているという。
カンボジアのシアヌークビルという都市では廃墟ビルが約1000棟も立ち並ぶ。工事が止まった理由は、コロナ禍前には30万人もいた中国人が急激に減ったこと。同時に中国の経済が悪化したこともあり、一気に中国資本が手を引いて工事が止まったという。中国側の“損切り”と言える。
もちろん中国側だけでなく現地政府の管理や見通しが甘かった面もあるが、地元住民は「シアヌークビルはかつて静かなビーチだったが、カジノと廃墟ビルばかりになって残念だ」と口にした。一帯一路構想の影の部分ともいえ、持続可能性や透明性などこれからの10年が問われる。
■西の陸路ルートで今起きていること
━━ラオス、カンボジアという南の海に向かうルートに加えて、西側の陸のルートはどうか?
新疆ウイグル自治区の阿拉山口周辺を取材したが地元の人は急速な変化・発展に驚いている様子だった。この西側ルートを深堀りすると広い意味での「安全保障」としての顔が浮かんでくる。
食糧自給率が高いにもかかわらず、中国が輸入先など多元化を進めているのは戦略的にアメリカなどとの長期的な対立に備えている側面があるからだ。実際、阿拉山口には関係を重視するカザフスタンから小麦やひまわり油など穀物関連の輸入が増えているという。背景には、中国が、一帯一路の枠組みで、ヨーロッパのパンかごと言われるウクライナから小麦やひまわり油の輸入を試みたものの、ロシアの侵攻により物流がストップしたことも影響しているとみられる。
━━一帯一路はただ経済面の構想だけではない“別の顔”もあるということか?
中国視点で世界地図を見てみると、周りには日本や韓国、台湾、フィリピン、そして中国と微妙な距離をとるインドがあり、外に出られないように封じ込められているように映る。
しかし、これを“突破”するようにミャンマーと中国を繋ぐ石油のパイプラインがすでに稼働しておりさらに、パキスタンの港から新疆ウイグル自治区までをつなぐパイプライン計画も進んでいる。
このエネルギー・物流のラインはアメリカの影響力が強いマラッカ海峡が万が一、ストップした際に安全保障の面でも重要になってくる。さらに、タイ南部に運河を建設しようとする動きもあり、もし実現すれば中国としてはマラッカ海峡を使わずに交易が可能になる。
一方で、9月のG20サミットではアメリカとインド・サウジアラビア・UAE・EUの首脳が中東経由でインドとヨーロッパを鉄道や航路で結ぶ交通インフラ整備計画に関する覚書に署名した。これには中国の一帯一路に対抗する狙いがあるとも言われる。俯瞰してみると、ダイナミックな国際関係が見えてくる。(ABEMA/倍速ニュース)
中国、地方債務リスクの解決図る-「長期メカニズム」構築へ
Bloomberg News によるストーリー • 23 時間
(ブルームバーグ): 中国は地方政府に関係する債務リスクの解決を図る長期メカニズムを構築する。共産党の習近平総書記(国家主席)が出席し北京で開催された非公開の金融会議で決まった。
10月30日に始まった中央金融工作会議が31日に終了。国営の中央テレビ(CCTV)はリスク解決と質の高い発展を促進するため、金融セクターの監視がさらに強化されると31日夜報じた。
同会議はまた、金融システムに対する共産党の統制を強化するとともに、イノベーション(技術革新)やハイテク製造、グリーンテクノロジー、中小企業向けにより多くの資金を提供する必要性を強調した。
中国の61兆ドル(約9230兆円)規模に上る金融セクターの優先課題を決める5年に一度の中央金融工作会議は、長引く不動産不況の中で開催された。
大手国有銀行はデフォルト(債務不履行)に陥った不動産開発会社や地方政府へのエクスポージャーから打撃を受け、ゴールドマン・サックス・グループなど外国金融機関は中国事業の拡大計画を縮小している。
会議内容の要旨は、地方の債務リスクを防止し解決するための「長期的メカニズム」や「中央・地方政府の債務構造最適化」に言及。エコノミストらは以前から、中国の公的債務は地方に過度に集中していると主張していた。
ゴールドマンの魏琪氏らエコノミストはリポートで、「地方政府が隠れ債務問題を解決することでレバレッジを縮小しリスクを減らす一方で、中央政府が資金調達責任を高めさらにレバレッジを上げる可能性があることをこうしたフレーズが示唆している」と指摘した。
今回の中央金融工作会議は、昨年終盤まで中国が続けていた厳格な新型コロナウイルス対策のため1年遅れの開催となった。初開催はアジア通貨危機があった1997年。習総書記は前回2017年の会議に参加したが、それ以前は首相が統括していた。
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中国で地方政府の「隠れ債務」借り換え始まる-融資平台のリスク軽減「快楽主義」改めよ、中国共産党がバンカーに警告-西側模倣にもくぎ
原題:China Vows Enduring Local Debt Cleanup at Key Policy Meeting、China Vows System to Resolve Local Government Debt Risks、China to Set up System to Resolve Local Govt Debt Risks: CCTV(1)(抜粋)
(詳細を追加して更新します)
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中国は「金融強国」になれるか、6年ぶりの「中央金融工作会議」 中国共産党が監督強化へ
12 時間
【北京=白山泉】中国共産党・政府の幹部らが金融政策の中期方針を決める「中央金融工作会議」が10月30~31日、北京で開かれた。国営新華社通信が31日伝えた。習近平(しゅうきんぺい)総書記(国家主席)が出席し、金融業務に対する党の指導強化を訴えた。不動産大手の経営危機や地方財政の隠れ債務が問題視される中、党が監督管理を強める方針だ。
中国では不動産市場の落ち込みで経済が停滞し、土地使用権の売却収入に依存してきた地方政府の財政悪化も顕著になっている。不動産に関しては「企業の合理的な資金需要に対応する」とし、公共住宅の建設など新たな発展モデルを構築すると表明した。
会議は1997年以降、5年に1度開催され、今回は2017年以来6年ぶり。会議では「金融強国の建設を加速する」として「金融チームの専門性を支えとし、監督を全面的に強化してリスクの予防と解決を重点的に行う」と強調した。金融業務の監督や問責を行う制度も構築する。習近平国家主席(AP)© 東京新聞 提供
「快楽主義」改めよ、中国共産党がバンカーに警告-西側模倣にもくぎ
Bloomberg News
2023年3月2日 13:51 JST
習指導部は金融システム統制強化-投資銀トップ音信不通、腐敗摘発
経済や金融を含め、共産党が全て管理と示唆-香頌資本の沈萌氏
中国共産党は国内バンカーらに対し、自身の考え方を正して「快楽主義的」な生活様式を改め、西側のやり方の模倣をやめるよう求めている。
一連の指示は、共産党中央規律検査委員会が先週公表した3500字に及ぶ論評に含まれていた。習近平指導部は金融システムへの統制強化を進めており、こうした取り組みがまだ終わらないことをあらためて示している。
全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕が5日に迫る中、共産党の習総書記は経済・金融政策を調整する「中央金融工作委員会」を復活させ、その責任者に側近を据えることで監督をさらに強化する構えだ。
中国が金融監督体制見直しか、「中央金融工作委」復活検討-関係者
中国では、投資銀行の華興資本で会長兼最高経営責任者(CEO)を務めていた包凡氏が突然音信不通となったばかり。さらに、金融セクターを対象としたこれまでで最も広範な腐敗摘発によって、この1年半で数十人に上る当局者らが失脚している。中央規律検査委は先週の論評で、「金融エリート」論の打破をバンカーらに訴えた。
北京を拠点とする投資銀行、香頌資本のディレクター、沈萌氏は「経済や金融面を含め、共産党が全てを管理するという点をこうした動向の全てが示唆している」と指摘。「政策当局は円滑な発展の潤滑油として金融業界を中国経済の中心に据えている。自国経済が下降すれば、主に責められるのは金融セクターだ」と話す。
対米関係の悪化に伴う経済への影響を管理しながら成長を取り戻しつつ、金融セクターのリスク抑制も図る習指導部にとっては、極めて重要な局面にある。順調に進まなければ金融業界に批判の矛先を向けることも考えられ、指導部にとっては都合の良い手段となる可能性もある。
昨年の共産党大会で異例の3期目入りを決めた習総書記にとって、今年の全人代は国家機構の見直しに向けた機会となる。党大会後最初の全人代では、指導部が重要な政府機関を再編することも多く、2018年には習氏が数十年ぶりに大掛かりな見直しに着手し、国家の主要機能に対する影響力強化を図った。
中国、新疆ウイグル自治区で自由貿易区開発へ 欧米の批判よそに
Joe Cash によるストーリー •
Joe Cash
[北京 31日 ロイター] - 中国政府は31日、欧米から人権侵害が批判されている新疆ウイグル自治区で、実験的な自由貿易試験区を開発する計画を示した。巨大経済圏構想「一帯一路」に組み込む狙いがある。
計画では、自治区当局者らの自治権を拡大し、政策の実行や近隣諸国からの投資誘致を行えるようにする。
自治区政府の当局者らと、中国共産党傘下の「新疆生産建設兵団」が自由貿易試験区の開発を担う。新疆生産建設兵団はこれまでに米国、カナダ、欧州連合(EU)から、ウイグル族などに対する人権侵害で制裁を受けている。
中国政府としては、同自治区を自由貿易試験区にすることで、ドルではなく人民元をコモディティー取引などの決済通貨として利用する国が増えることも期待している。
中国は南太平洋諸国への金のばらまきをやめたのか?―独メディア
Record China によるストーリー • 3 時間
2023年10月31日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレ(中国語版)は、オーストラリアのシンクタンク「Lowy Institute」のレポートを引用し、太平洋地域への影響力を米国やオーストラリアと競っている中国が、クック諸島やフィジーなどの太平洋諸国への援助額を減少させていることを伝えた。
記事は初めに、「Lowy Institute」が31日付で公開した最新レポートの内容について紹介した。「2008年以来、中国はクック諸島やフィジーなど、主に国交を結んでいる太平洋地域の国々に39億ドル(約5876億円)の金銭的援助を提供してきたが、16年にピークを迎えた後は下降傾向にあり、今では地域全体の総援助額の割合で、40%を占めるオーストラリアやアジア開発銀行(ADB)に次いで、9%の第3位になっている」ことや、「『Lowy Institute』のライリー・デューク(Riley Duke)研究員は、米AP通信の取材に対し、中国と太平洋諸国間の貸借勘定で、特にインフラ整備への融資への興味が下降している点から中国が米国やオーストラリアなどとの間の援助競争で負けたのは明らかだと指摘している」ことに加えて、「AP通信は、中国の援助が下降している主な原因として、トンガのように中国への負債を抱えた各国が、中国資金への興味を失ったためだと分析している。先に米国が『中国の資金は財政的に豊かではない国にとって債務のわなだ』と警告したように、各国の主権を脅かしている」と伝えた。
次に記事は「中国の海外援助の減少傾向は、太平洋地域に限ってのことではない。特に新型コロナ流行後の中国は、海外での大規模なインフラ整備や融資計画を基本的に放棄している」として、「一帯一路を提唱し始めた13~19年の7年間、太平洋諸国に対する中国の援助計画の規模は平均約4000万ドル(約60億円)だったが、近年は平均約500万ドル(約7億5340万円)にまで減少している。中国からの融資支出総額はコロナ前に2億8500万ドル(約430億円)だったのが、21年には2億4100万ドル(約363億円)にまで落ち込んでいる」と説明した。
記事は「21年11月に習近平(シー・ジンピン)国家主席は『一帯一路の次の段階』の原則として、専門的なリスク管理を重視し、中国企業やその関連組織が『小規模だが素晴らしい(small but beautiful)』プロジェクトを優先的に考慮すると述べた。また、今月の第3回一帯一路国際協力サミットフォーラムでも、習主席は『質の高さ』を基本とし、象徴的なプロジェクトや小型の民生プロジェクトを推進することを強調している」として、「援助規模や金額が減少しても、中国が太平洋地域への関与をやめることを意味しているわけではない。例えば、中国は19年に台湾と断交したソロモン諸島やキリバスへの援助を増やしたように、リスクを避けて、政治関係を確固たるものにし、資本回収を高めるための援助方針の転換を意味している」と論じた。(翻訳・編集/原邦之)
中国の中小銀行は、どのように金融リスクを回避するのか
AFPBB News によるストーリー • 2 時間
【東方新報】現在の中国経済は、不動産リスク、地方政府の債務リスクのほか、金融リスクもまた無視できない重要な問題となっている。システム的な金融リスクをどう防止するかは、今後一定期間、金融業務の重要な任務となった。
危険をはらんだ金融情勢から見て、政府も企業も一般個人にも隠れた金融リスクが存在する。不動産や地方政府の投資プラットフォームの債務問題は、金融機関の資産の価値に直接影響を及ぼし、またシャドーバンクや中小銀行のリスクなど全て重点的に注目すべき範囲である。
中小銀行のリスクは民衆レベルの財産の安全に関わるだけでなく、金融体系全体の安全に対してさらに大きな影響を与えるからだ。
資金の不正流用問題で経営破綻を起こした「包商銀行、不正融資や不良債権膨張で経営破綻した錦州銀行、違法な資金集めや融資などで経営破綻し突然現金引出しと送金を停止し預金者による大きな抗議活動が発生した地元銀行4行による「河南村鎮銀行事件」は、いずれも社会の大きな注目を浴びた。
中国の中小銀行とは、工商銀行など大手6行·および全国規模の株式会社組織の商業銀行以外の、地方都市商業銀行、農村の信用組合、農村商業銀行、村鎮銀行などの末端レベルの金融機関だ。中小銀行は中国の銀行業界の9割以上を占める。
これら中小銀行は国内各地の現地経済に密着し、現地事情に詳しく、地方経済建設、零細企業、低所得者層、老齢者層など向けの「普恵金融」「三農(農業、農村、農民)」向けの金融サービスなどで重要な役割を果たしている。
「包商銀行」や「河南村鎮銀行事件」の取り付け騒ぎなど、2019年を境に多くの地方銀行、小規模銀行が内包していたリスクが暴露され始めた。
「預金払い出し停止トラブル」の発生は、銀行の経営規範の欠如やインターネットプラットフォームによる地域をまたぐ資金集めによるリスクの拡大が原因だった。また「村鎮銀行」と現地の監督管理部署双方の腐敗と不正金融の事例も多かった。
同じく注目すべきは、地方政府の一部が、歪んだ成績追及意識にとらわれ、現地の銀行業務に不適切な干渉を行い、潜在的な負債の増大の原因となったことだ。
不動産や地方融資プラットフォームと長期にわたって深く結びついた中小銀行は、多くの潜在的債務を抱えており、この構造や機能をうまく転換することができず、リスクを蓄積し続けている。
総じて中小銀行は、国有銀行や株式会社組織の大銀行に比べ、収益力が弱く、リスク耐性とダメージ修復能力がぜい弱で、しかもハイリスクな組織が多い。中国人民銀行が公表した「22年第4四半期金融機構評価結果」によれば、リスクが高いと評価された銀行は346行で、そのうち地方都市商業銀行16行、農村合作機構(農村商業銀行、農村合作銀行、農村信用社)202行、村鎮銀行112行で、全体の95.4パーセントを占めた。
中小銀行の資産の質にも問題があり、地方都市商業銀行の不良貸付率は1.90パーセント、農村商業銀行は3.25パーセントで、大手商業銀行の平均レベル1.62パーセントよりも高い。
中小銀行のリスクは「マクロ的リスク」と「ミクロ的リスク」に分けることができる。
「マクロ的リスク」は、国内においては経済のギアチェンジ(投資と消費の低調、政策金利引き下げ、経済構造転換期における不動産リスク)の加速、対外的には全世界的な経済減速と米国の対中圧力という経済環境の圧力に対応しなければならないことだ。
「ミクロ的リスク」には「四つのぜい弱」があり、リスク増大の原因になっている。
一つ目は、中小銀行の経営リスクの分散の能力が弱いことだ。中小銀行の役割は地域経済へのサービス提供であり、また「商業銀行法改正案」でも中小銀行は地域を越える進出や業務の総合化が厳格に制限されている。それゆえ、中小銀行の業務範囲は必然的に、地域、業種、顧客が集中化する。経営リスクの分散が容易ではない。
これは中西部と東北地区の中小銀行の経営が困難で、上海市を中心とする長江デルタ地域の中小銀行は業績が安定していることによく表れている。
二つ目は、「造血能力(業績拡充能力)」の弱さだ。最近国有銀行や大型商業銀行の中小銀行の営業領域への進出が目立つ。例えば大手行の零細企業向け優遇ローンの20年年末実績と23年6月末とを比較すると、31.7パーセントから39.1パーセントに増加している。その反面、地方都市商業銀行の実績は14.5パーセントから13.5パーセントに、農村金融機構では33.9パーセントから28.7パーセントに、それぞれ減少している。
このほか、中小銀行の「規模のメリット」がぜい弱なことも問題だ。特に22年以降の資産拡張能力が大型商業銀行に比べ見劣りが目立つ。また大型商業銀行がデジタル化やプラットフォーム型経営を通じて低コスト資金を大量に集めているのに対し、中小銀行ではこれは簡単ではない。 さらに、非上場の中小銀行が資本を補充しようとするには、劣後債などの「二級資本債」や地方政府の公益的事業のための「専用債券」などの手段に限られる。しかし、この分野にもまた大手行の進出が見られ、中小銀行の債券発行コスト上昇につながっている。
三つ目は、リスク管理能力が弱いこと。リスク管理に関わる人材、技術、手段が不足し、リスク予知や判別能力が劣っている。また一部の中小銀行は利益追求のため、本来の預貸業務から離れて業務を拡大し、銀行間の短期負債に依存した投資業務などに手を出し、流動性リスクを高めている。
四つ目は、経営規範順守の能力が劣ること。「三会一層」(株主総会、取締役会、監査役会と高級管理職層)の経営管理は形骸化し、株主構成は不均衡で、株主の監督不行き届きで、問題が噴出している。
では、中小銀行のリスクをどのように解消したら良いのだろうか。
昨年、中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)が「地方金融監督管理条例」を公布、中央機関の金融監督をベースとした中小銀行リスク解消のための政策を明らかにした。
その原則は、市場の自主的な力と行政的な力とのバランスをとった分類的な措置だ。
具体的には、「最終貸付人措置(流動的な支援)」「預金保証措置」「行政による経営管理措置」の3種類の行政措置と、「自己救済措置」「同業相互救済措置」の2種類の市場の自主的措置に分けられる。
流動的な債権債務リスクの発生時にまだ自己対処能力が見込める銀行には、出来る限り自己解決を求め、行政は適時適量の支援を行う。回復が見込めず財務状況が悪化し続ける銀行は市場から排除し、市場影響が大きい銀行に対しては行政介入による解決を図る。
このほか、合併や再編の推進にも力を入れる。合併や再編に際してはその目的を明確にし、リスクの解決が目的の場合は不良資産の処理に重点を置く。また業容発展が目的の場合は、新しい銀行のための特色ある発展戦略を策定する。
中央銀行の政策は「扶優限劣(優良行を扶助し、劣悪行に制限を加える)」の原則で、優良な中小銀行の業績拡充能力と抗リスク能力を高めることだ。中小銀行の合理的な収益幅と利息レベルを保持した上で、彼らが地方経済、中小企業、現地住民へのサービス戦略、特色化と差別化の発展戦略を鼓舞しなければならない。
中国経済の最大の特徴は「多重的な二元構造」である。都市と農村、沿海と内陸、北方と南方などがそれだ。そしてそれは、異なる金融ニーズに対する異なる金融体系を必要とし、中小銀行の価値と発展空間は長期に存在するということを意味する。
中小銀行が現場や顧客と密接に連絡をとるオフラインの非標準的(個別的)なサービスモデルの推進が求められている。
また中小銀行が資本を補充するためのチャネルの拡充も必要だ。それには持続可能な資本補充のメカニズムの構築がカギとなる。
さらに、中小銀行の経営規範の順守能力を強化し、株主構造の最適化を図らなければならない。中小銀行の株主の「加重責任制」の推進を模索する必要がある。これは銀行の主要な株主に対して、出資限度内で有限責任を負う原則を超えて、出資限度以上の「非有限責任」を要求するということだ。
優良な中小銀行に対しては、さらに多くの政策支援や監督管理上の優遇措置を与えることも検討に値する。差別化した監督管理と科学的で多元的な評価体系の確立が必要だ。
差別化された特色ある中小銀行に対しては、革新的な金融新商品や資格申請に優先待遇を与え、また預金準備率や中央銀行への貸出申請などの際の優遇も検討の必要がある。(c)東方新報/AFPBB News
【翻訳編集】(c)東方新報/AFPBB News
参考文献・参考資料
中国とラオス・カンボジアが「運命共同体」に?━━「1都市に1000棟の廃墟ビル」「静かなビーチが一変」一帯一路の光と影 (msn.com)
中国、地方債務リスクの解決図る-「長期メカニズム」構築へ (msn.com)
中国は「金融強国」になれるか、6年ぶりの「中央金融工作会議」 中国共産党が監督強化へ (msn.com)
「快楽主義」改めよ、中国共産党がバンカーに警告-西側模倣にもくぎ - Bloomberg
中国、新疆ウイグル自治区で自由貿易区開発へ 欧米の批判よそに (msn.com)
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中国当局、50%への短期金利急騰で金融機関に説明求める=関係筋 (msn.com)
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中国の中小銀行は、どのように金融リスクを回避するのか (msn.com)
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