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政治講座ⅴ1346「ロシアは旧ソ連に祖先返り」

日露戦争で疲弊したロシア帝国は共産主義者によって滅んだ。その後発足したソビエト連邦も1991年に崩壊し分裂した。旧ソ連の属したロシアとウクライナに分裂したが、今、ロシアがウクライナに侵攻しているのである。
ロシアが言論弾圧した先には何があるのであろうか。恐怖政治の始まりである。今回は密告横行の報道記事を紹介する。

     皇紀2683年9月9日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

「ソ連に戻ったよう」 ロシア、反戦者の密告横行

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ロシア政府サイトに似せて作られたジョークアプリ「私の密告」の画面© 産経新聞

ロシア国内でウクライナ侵略を批判した人を密告する動き横行している。スマートフォン上で、「悪ふざけ」として作成され運用されている「密告アプリ」への投稿を露メディアが分析したところ、約2割が侵略に批判的な発言をした人を通報する内容だった。正規の通信当局への通報でも戦争に批判的な言動の告発が増加。国民から、旧ソ連時代の監視社会を想起させるとの嘆き声も出ている。

アプリは今年から本格的な運用が始まった「私の密告」。露政府のポータルサイトを模したデザインとなっているが、実際は「露当局と関係はなく、気晴らしが目的」との注意書きが明記されている。これまでに9千件超が寄せられた。

通信アプリ「テレグラム」で52万人の購読者を持つ露独立系メディア「説明は可能」が8月中旬、アプリから提供されたデータを分析。密告した人の半数が、当局と無関係な「ジョーク」目的のアプリだと気づかず知人らを批判する内容を送信していた。このうち20%が、侵略を批判した人の名前や交流サイト(SNS)のURLを記載して処分を求めていた。

具体的には「隣人がプーチン大統領を『ロシアを戦犯にする愚か者だ』と罵倒した」「同僚が特別軍事作戦(侵略の露側呼称)を批判した」といった通報で、密告された男性は、同メディアに「密告したのは政治的意見で対立した元同居人だと思う。旧ソ連時代に戻ったようだ」と話した。

旧ソ連では、スパイの摘発や反体制派弾圧を担った国家保安委員会(KGB)が盗聴などで国民を監視人々は密告を恐れ、体制批判を避けていたとされる。

密告の横行は露政府の統計にも表れている。露通信規制当局は昨年8月、同年1~6月のインターネット上の違法行為に関する国民からの通報が、前年同期比でほぼ倍となる約6万3500件に達したと発表。戦争に対する批判を告発する内容が多かったという。

ロシアはウクライナ侵攻後、軍や政権への批判を法律で事実上禁止し「違反者」を摘発。露人権監視団体「OVDインフォ」によると、交流サイト(SNS)上で軍の信用を傷つけたなどの容疑でこれまでに650人以上が訴追された。密告が訴追につながった事例もあるとみられる。

ある露社会学者は「国民の間では現在、反戦を訴えれば周囲と対立したり、密告されて拘束されたりする恐れがあると考え、沈黙する風潮が強まっている」と語っている。

参考文献・参考資料

「ソ連に戻ったよう」 ロシア、反戦者の密告横行 (msn.com)

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