政治講座ⅴ872「中国の主張する『平和と対話の促進?』とは朝鮮半島化?」
外交上の発言は大変難しい。誤解を生むのも語弊から生じる。外交上のシグナルをどのように読み解くかは千差万別であろうが、中国は台湾侵攻をウクライナ侵攻に重て防御策を練っていると考えられる。他方、米国や西欧はロシアのウクライナ侵攻で下手な前例を作ることを極力避けようとしている。中国はロシアのウクライナ侵攻の勝敗の行方を凝視していたが、ロシアの不利な戦況は中国にも当てはまると危機感を持ったために中国に将来も有利になるように行動し始めたと考えられる。台湾侵攻の時はロシアを味方に引き入れる魂胆は丸見えである。吾輩の推論であるが、当面、現状の勢力圏維持で停戦して、勢力圏の既成事実化を図るのではないか。勝ちもしないが負けもしないという状態を作るのではなかろうか。ウクライナはこれを呑むか。ウクライナはそのような交渉は飲まないと思える。ゼレンスキー大統領は、そのような案には妥協しないであろう。危惧されるのはウクライナの朝鮮半島化であろう。
今回はそのような状況にあると思われる報道記事を紹介する。皆様はどう考える?
皇紀2683年2月23日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
再送中国外相、ウクライナ戦争エスカレート「深く懸念」 王氏きょうモスクワ入り
Reuters によるストーリー • 52 分前
[北京 21日 ロイター] - 中国の秦剛外相は21日、ウクライナ紛争のエスカレートと状況が制御不能になるリスクを「深く懸念」していると表明した。中国政府はロシアのウクライナ侵攻に対する批判を控えており、米政府は中国がロシアに軍事支援を行った場合、重大な結果を招くと警告している。
同相は演説で「一部の国に対し、火に油を注ぐことを直ちにやめるよう要請する」と発言。これらの国は「『今日のウクライナと明日の台湾』をあおることをやめるべきだ」とも述べた。
「いかなる形の覇権にも、中国の内政に対する外国の干渉にも、毅然と立ち向かう」とも表明した。中国外交担当トップの王毅氏は20日、訪問先のハンガリーで、交渉を通じたウクライナ戦争の解決を呼びかけた。
タス通信によると、王氏は21日にモスクワ入りする予定。習近平国家主席は、ロシアのウクライナ侵攻から1年となる24日に「平和演説」を行う見通し。
中国政府は21日、習近平国家主席が打ち出した「グローバル安全保障イニシアティブ(GSI)」に関する文書も公表した。GSIは「不可分な安全保障」の原則を支持する内容。
ロシアも、他国の安全保障を犠牲にして自国の安全保障を強化しないという「不可分な安全保障」の原則に基づく1999年の合意の尊重を西側諸国に求めている。
王毅氏、ウクライナ外相と会談
新華社 によるストーリー •
王毅氏、ウクライナ外相と会談© 新華社
【新華社ミュンヘン2月20日】王毅(おう・き)中国共産党中央政治局委員・中央外事工作委員会弁公室主任は18日、ミュンヘン安全保障会議への出席に合わせ、求めに応じウクライナのクレバ外相と会談した。
18日、ミュンヘンで行われた王毅氏(右から4人目)とクレバ氏(左から2人目)の会談。(ミュンヘン=新華社記者/任鵬飛)
中国に武器供与の自制求める ウクライナ「重大な結果招く」
共同通信社 によるストーリー • 昨日 17:37
【キーウ共同】ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は19日、中国がロシアに武器を提供すれば重大な結果を招くとして、中国に自制を求めた。イタリアのメローニ首相が近く首都キーウ(キエフ)を訪問するのを前に、イタリアメディアの取材に答えた。中国は「中立ではいられなくなる」として、平和実現に向けウクライナを支持すべきだと訴えた。
中国はウクライナ侵攻を理由に対ロ制裁を科す欧米を批判する一方、侵攻は支持せず、中立の立場を取ってきた。米政府は、中国が武器供与に踏み切れば、重大な局面になるとして警戒を強めている。
中国外相「欧米諸国 火に油を注ぐな」 欧米各国によるウクライナへの武器支援を念頭に
TBS NEWS DIG によるストーリー • 55 分前
中国の秦剛外相は、ウクライナに対し支援を続ける欧米諸国を念頭に、「火に油を注ぐことをやめるべきだ」とけん制しました。
21日、北京で講演した秦剛外相は、ウクライナ情勢について「中国は紛争が激化していることを深く憂慮している」としたうえ、「中国はこれまで、常に危機の打開に向け、建設的な役割を果たしてきた」と改めて強調しました。
そのうえで、ウクライナに武器支援などを続ける欧米各国を念頭に、「火に油を注ぐことをやめるべきだ」とけん制、中国は「ウクライナ危機の政治的解決に向け、国際社会と協力して対話と協力を推進する」としています。
また「“きょうのウクライナはあすの台湾”と騒ぎ立てることをやめるべき」とも指摘しました。
アメリカは、ロシアによるウクライナ侵攻から1年となるのを前に「中国がロシアに武器供与を検討している」と懸念を示していて、中国がロシアに対し、今後、どのような対応をとるのかが焦点となっています。
中国、ロシアへの兵器供与検討否定 米の主張は「虚偽」
AFPBB News によるストーリー • 昨日 19:09
【AFP=時事】中国外務省の汪文斌報道官は20日、中国がウクライナ侵攻を続けるロシアに兵器の供与を検討しているという米国の主張は「虚偽」だと厳しく非難した。
米国のアントニー・ブリンケン国務長官は米CBSに対し、中国は現在、ロシア政府への「弾薬から武器」まで「死を招く支援の提供を検討している」と述べていた。 これを受けて汪報道官は「戦場に兵器を際限なく送り込んでいるのは米国であって中国ではない」と反発。「われわれは米国に対し、自らの行動を真摯(しんし)に顧みるとともに、事態を改善し、平和と対話を促し、責任転嫁と虚偽情報の拡散を防止するためのさらなる努力を求める」と訴えた。
一方で報道官は、ウクライナ問題における中国の方向性を一言でまとめるなら「平和と対話の促進」だと述べた。(c)AFP【翻訳編集】AFPBB News
ウクライナ侵攻「巨大な過ち」=専制主義後退へ、日本に警鐘も―米政治学者フランシス・フクヤマ氏
【ワシントン時事】ロシアのウクライナ侵攻開始から1年で、国際情勢は大きく変化した。著書「歴史の終わり」で知られる米政治学者フランシス・フクヤマ氏(70)は、時事通信のインタビューに応じ、ロシアが「巨大な戦略的過ちを犯した」と断じた。ロシアや中国の専制主義体制が民主主義体制に取って代わることはないとする一方、「問題とされているのは、民主主義国が自らを守る決意だ」とも述べ、日米欧各国の覚悟を問い掛けた。
◇欧州秩序への攻撃
フクヤマ氏はウクライナ侵攻を、旧ソ連が崩壊した1991年以後の欧州秩序に対する「プーチン(ロシア)大統領の攻撃」と位置付ける。
経済成長を背景に「ロシアは中国と共に、ここ10年で自信を深めた。地政学的競争の世界に戻ったことは驚きではない」と指摘。
侵攻が成功すれば「長期にわたり欧州秩序全体への脅威となり、不安定な状況が続く」と警戒感を示す。
だが、プーチン氏のもくろみに反し、ウクライナは抵抗を続け、欧米諸国も結束を深める。フクヤマ氏は戦況について、ウクライナが南東部マリウポリを奪還し、南部クリミア半島とロシア本土の補給線を断ち切れば、クリミアで守勢に追われるロシアを相手に「より有利な(和平)交渉に持ち込める」と語る。
◇中国「ピーク超えた」
「歴史の終わり」で「自由民主主義の勝利」を説いたフクヤマ氏は、民主主義への悲観的な見方に「少し大げさだ。欧州でも、分断の問題を抱える米国でも健在だ」と反論する。国際社会で孤立を深めるロシアや、新型コロナウイルス感染を抑え込む「ゼロコロナ政策」で経済が停滞した中国の状況を踏まえ、「専制主義的な政治形態への魅力は、時間をかけて消え去る」とみる。
中国に関しては、地方政府の巨額負債や出生率低下などで「国力は既にピークを迎えた」と判断。バブル崩壊に伴い経済成長が停滞した90年代以降の日本の状況と「とても似ている」と指摘する。国内問題が外交政策にどのような影響を与えるかは予測し難いものの、中国が国力の衰退前に台湾統一に踏み切る恐れもあると分析する。
日本に対しては、最近の訪日時の印象から、台湾有事に「国民が全く準備できていない印象を受けた」と警鐘を鳴らす。
ウクライナ侵攻や中国の軍事的脅威を受け、日本政府は防衛費増額に踏み切ったものの、「台湾攻撃を自国の存亡を懸けたことだと解釈しているかどうかについて疑問がある」と懸念。中国による台湾統一は「日本に深刻な悪影響を及ぼす」として、真剣に考える必要があると警告した。
王毅氏、プーチン大統領と会談…独自のウクライナ「和平案」説明か
読売新聞 によるストーリー •
【瀋陽=川瀬大介】中国外交トップの王毅(ワンイー)共産党政治局員は22日、訪問先のモスクワでプーチン露大統領と会談した。王氏は、中国がウクライナ側にも示している独自の「和平案」について説明した可能性がある。
露大統領府の発表などによると、プーチン氏は会談の冒頭で「両国の協力は国際情勢の安定に非常に重要だ」と強調。習近平(シージンピン)国家主席の訪露を「我々は待ち望んでおり、(これまでに)合意している」と述べた。
中国外務省の発表によると、王氏は「中露関係は第三者からの干渉や脅迫を受け入れない。中国はロシアと戦略協力を強め、両国の正常な利益を守ることを望む」と応じた。王氏はプーチン氏の最側近ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記、セルゲイ・ラブロフ外相とも会談した。
王氏はドイツ・ミュンヘンでの18日の演説で、「ウクライナ危機の政治解決に関する中国の立場」と題した文書を近く発表すると明らかにした。王氏とミュンヘンで会談したウクライナのドミトロ・クレバ外相は21日の記者会見で、王氏から「和平案」の概要を伝えられたと明らかにし、「慎重に検討する」と述べた。
中国からの正式な和平案「目にしていない」 ゼレンスキー氏
2/22(水) 9:29配信
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は、中国からの正式な和平案を目にしたことがないとし、ウクライナ独自の和平案に対する国際社会からの支持を期待していると述べた。 ゼレンスキー氏は、イタリアのメローニ首相との共同会見で、ウクライナは戦争終結のために全ての国々が関与することに関心を寄せていると語った。 ゼレンスキー氏は、国連の場でのウクライナ独自の和平案に対する支持を期待しているとし、「ひとつの、唯一の立場が不可欠だ」と述べた。ゼレンスキー氏は、中国からのいかなる公式な文書も目にしていないと言い添えた。 中国の外交部門トップの王毅(ワンイー)・共産党政治局員は20日、中国国営メディアに対し、中国は、ウクライナでの早期の停戦と恒久的な平和を達成するために他国と協力する用意があると述べていた。王氏は21日、ロシアを訪問した。 ウクライナのクレバ外相は21日、王氏と中国の和平案の要点について共有したが、ゼレンスキー氏の和平案の方が優先されると明らかにした。
プーチン氏はこれからどうする……開戦前に交渉した前アメリカ駐ロシア大使に聞く
BBC News によるストーリー •
バーバラ・プレット・アッシャー、BBC米国務省担当編集委員
ロシア政府と交渉するのはどのような感じなのか。ウラジーミル・プーチン大統領はなぜウクライナを簡単には諦めないのか。アメリカの前駐ロシア大使がBBCに説明した。
ジョン・サリヴァン氏は、ロシアによるウクライナ侵攻の前まで、アメリカ大使としてモスクワにいた。
戦争を防ごうとロシア当局と話をした人物だが、「向こうは本気でやりとりしてこなかった」と言う。
「ロシアは自国の安全保障を要求したが、ウクライナの安全保障については建設的に話そうとしなかった。決定済みの論点以上のことは決して言わなかった。見せかけだけだった」
アメリカは紛争を終わらせるため、対話を続ける努力をもっとすべきか。そう尋ねると、サリヴァン氏はプーチン氏について「開戦前、交渉に関心がなかったし、今も交渉には関心がない」と述べた。
ロシアは目標を変えていない
アメリカのジョー・バイデン政権は、ウクライナへの軍事支援とロシアに対する制裁について世界各国の支持を集めることに力を入れている。また、アメリカ単独でもウクライナに何十億ドル分もの兵器を供与している。
プーチン氏は21日の年次教書演説で、「西側諸国が戦争を始めた」、「西側がロシアに『戦略的敗北』をもたらそうとウクライナを利用した」、「存在そのもののために戦っているのは、ウクライナではなくロシアだ」という見解を繰り返した。
ロシアは「特別軍事作戦」の失敗にもかかわらず、当初宣言した目標(ウクライナの「脱ナチス化」と「非軍事化」)は変えていないと、サリバン氏は言う。ロシアが掲げるそうした目標は、つまり「キーウにある政府の排除と、ウクライナ国民の服従」を意味すると、前大使は解釈する。
これは、ソヴィエト連邦の崩壊でばらばれになったロシア民族を再集結させるという、プーチン氏が描いている構想の一部でもある。
「民主的に選ばれた政府が、とりわけ(ウォロディミル・)ゼレンスキー大統領が率いる政府が、キーウに存在することを、(プーチン氏は)認めるわけにいかない」とサリヴァン氏は言う。「その政府が存在する限り、彼は決して満足しない。なぜなら、その政府はロシアにとって、そして彼が作ろうとしている大ロシア国家構想にとって、脅威だと考えているからだ」。
では、プーチン氏はどうなれば戦争をやめるのか。
「勝つことはできないと、彼が確信する必要がある」とサリヴァン氏は言う。「勝利は到底不可能だと確信するまで、彼は攻撃を強めるだろう。戦場でどれほど重大な敗退をすれば、その確信に至るのかはわからない。ただ、現時点ではその状態に全く近づいていない」。
サリヴァン氏はまた、プーチン氏は長期的な展望の持ち主だと話す。「達成したいビジョンがあり、それを簡単には諦めない」はずだと。
一方で、ウクライナ人も簡単にはあきらめないはずだと、サリヴァン氏は考えている。そして、ウクライナを構成する4400万人のスラヴ民族に自分への拒否感を植え付けたことが、プーチン氏による戦争の戦略的失敗のひとつだと、前大使は言う。
「ウクライナ人は許さないし、忘れない」とサリヴァン氏は言う。「仮にゼレンスキー大統領が戦争を終わらせようと、領土で譲歩し、基本的に降伏したいと思っても、ウクライナ国民がそれを許さないだろう」。
このような軍事的、政治的、イデオロギー的な対立がある以上、アメリカは長期戦に備えなければならない。
バイデン氏は、侵攻1年に合わせてキーウを電撃訪問し、アメリカの支援継続を強調した。しかしサリヴァン氏は、今年中にこの紛争が終わるとはみていない。
「その先のことは分からない」とサリヴァン氏は言う。「ただ、プーチン氏は出口を求めていない。この特別軍事作戦の目標は達成されると、常に繰り返している」
参考文献・参考資料
再送中国外相、ウクライナ戦争エスカレート「深く懸念」 王氏きょうモスクワ入り (msn.com)
中国に武器供与の自制求める ウクライナ「重大な結果招く」 (msn.com)
中国外相「欧米諸国 火に油を注ぐな」 欧米各国によるウクライナへの武器支援を念頭に (msn.com)
中国、ロシアへの兵器供与検討否定 米の主張は「虚偽」 (msn.com)
ウクライナ侵攻「巨大な過ち」=専制主義後退へ、日本に警鐘も―米政治学者フランシス・フクヤマ氏 (msn.com)
王毅氏、プーチン大統領と会談…独自のウクライナ「和平案」説明か (msn.com)
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