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政治講座ⅴ1393「中国の愚民政策」

 共産主義は土地を個人の私有財産を取り上げて国有財産にした。以前は、家庭の子供まで出産制限をして一人っ子政策で家庭を壊した。今度は家庭から子供の教育まで取り上げて、その子供の教育。思想を共産党思想に染め上げようとしている。思想の自由を、教育の自由も、私有財産を取り上げたように共産主義に染め上げてゆく。今回はそのような報道記事を紹介する。

     皇紀2683年9月27日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

はじめに

 自然界は弱肉強食の世界でもある。
資本主義は「働かざる者食うべかざる」が原則であり、その結果が貧富の差として表れる。
他人より裕福になる欲望が社会の発展の原動力となる。
それの貧富の結果を否定して、共産主義・社会主義の理想として、平等を追求した。
すると、働いても働かなくとも果実が平等にすることになる。
旧ソ連において、どのような結果をもたらしたかというと、労働意欲の無い労働者を作り出したのである。
そして、70年で旧ソ連は経済的に行き詰って、政治的にも崩壊することになったのである。
これを打破すべく、ゴルバチョフ書記長の時代にペレストロイカ・グラスノスチ(情報公開)とともに、ソビエト連邦の政治を民主的な方向に改良していった。
しかし、紆余曲折、1991年にエリツインにより止めを刺されることになるのである。
旧ソ連はスターリンなどは理想を実現するために自由・民主を渇望する国民を弾圧したのである。
まさに中国も旧ソ連と同じ轍を踏んでいるのである。
共産党は経済の自由を奪い思想の自由を奪い考える発想まで奪うのである。
子育てする家庭から教育の自由まで奪い、国家が思想の教育をするなど愚策である。そこからは画一的な人間しか育たないのである。
近年の中国の「一人っ子政策」はどのような弊害を生んでいるか。家庭から子供の出産する権利を奪い、人口抑制した結果は中国の人口減少の現象を引き起こしている。
人間の自由と活力を奪う政策が家庭教育を止めて国家が教育する弊害である。
今起こっている中国の経済危機は、そのような中国の体質の結果にも起因していると吾輩は考える。
子供は親の後ろ姿を見て育つ面をもつ。貧乏でも親の頑張っている姿を見て這い上がる力を学ぶのである。
家庭が貧しくとも、親が幼少時代に愛情を注いで育てるから人を愛することのできる人間に育つのである。
国家の共産党の思想教育では愛情は育たないのである。
家庭内の兄弟の中で兄弟げんかしながら社会生活の基礎体力を作るのである。
そのような情緒的な環境は国家には醸し出せないのである。旧ソ連は家庭教育を国家が一手にやったために競争心・労働意欲の喪失に繋がって、活力の無い経済国家となり破綻国家となったと考えられる。
今の中国の若者の就職率の低さこそ問題であり、国家は産業・経済の活力の維持に注力すべき優先事項と思われる。
やるべき優先順位と本質的な理解不足、家庭の愛情不足、一人っ子政策の弊害(甘やかし教育)などやるべきことは沢山ある。そして、現在の中国で起こっている過剰投資に起因する過剰供給などは普通の経済学の常識の欠如に起因すると考えられる。これが共産主義が経済音痴であることの証明でもある。そして、共産主義が家庭教育で思想教育は愚民政策に他ならない。これで旧ソ連が崩壊した。中国の崩壊ももうすぐであることを予感させる。
蛇足であるが、倫理観の無い優秀な医者による生体臓器移植などは人間に対する愛情の欠如に他ならない。法輪功学習者に対する生体臓器移植は中国共産党の悪行として有名である。そして、真実を隠蔽することに長けた中国共産党に指導教育された医者は「法輪功学習者に対する生体臓器移植」を平然と行う。そのような国家に教育を委ねたいとは思わない。

中国「しつけ」すらも法律に 家庭教育に介入で教育統制強化の狙いか

中国でしつけなど家庭教育を強化する「家庭教育推進法」が可決され、2022年1月1日から施行される。同国では2021年9月、学校教育の一環として「習近平思想」が義務化されたばかりだ。さらに家庭教育にも介入することで、教育の統制を強化する意図がある。

しかし、一方では「厳しい学歴重視の社会ゆえに、しつけまで学校に押しつけてしまう」という保護者側の実態が指摘されているほか、そのような厳しい環境下であっても就職できず、働く意欲を喪失した「寝そべり族」が増加している現状が社会問題となっている。

「習近平思想」に続き、しつけ法制化 「学歴重視教育」の実態

学力社会の中国では、保護者の思考が学歴を偏重する傾向が強い。1979~2014年にわたり実施された「一人っ子政策」の影響で一子家庭が多く、子どもにかける期待や教育コストが大きい。その反面、特に生活コストの高い都市部では共働き夫婦が増え、しつけを含む子どもの教育を学校側の責任と考える保護者も珍しくない。

親の関心が薄い環境で育った子どもは生活リズムの乱れが目立つほか、社会性や道徳心を欠如する点が問題視されている。全国人民代表大会(NPC)の立法委員会のスポークスマンであるZangTiewe氏いわく、「青少年が不正行為をする理由はたくさん考えられるが、家族教育の欠如または不適切なことが主な原因だ」とのことである。

家庭教育推進法」は保護者側の意識改革を通してしつけや教育の充実を促すと同時に、子どもの学習負担を軽減することが目的だ。家庭教育の指導組織を地方政府が設置し、それぞれの家庭環境を考慮したアドバイスや支援を提供する。

非行行為が認められる子どもの保護者には、特別指導が行われる。また、一部の学習塾には非営利組織化を義務付けるほか、未成年のインターネット中毒を防止するための対応策など、幅広い教育に関する規制を設ける。

すでに、文部省は未成年者のオンラインゲーム時間を金曜~日曜日の1時間に制限すると同時に、学校の宿題を減らし、週末および休日の主要科目の課外個別指導を禁止するなど、具体的な対策を講じている。

中国の学力レベルは世界トップクラス?

確かに、近年における中国の学歴重視教育は、国際学力の高さに反映されているようだ。たとえば、15歳の児童の学力を測定するOECD(経済協力開発機構)の学習到達度調査(PISA)の結果をみてみると、2018年には中国が3分野(読解力・数学的応用力・科学的応用力)で世界79ヵ国・地域中1位となった。

中国で対象となったのが北京や上海などの4行政区で教育を受けた子どもだけだったことなどを理由に、「調査範囲が偏っている」との指摘もあるが、OECD側はこれらの行政区の平均所得がOECDの平均以下である点を挙げ、結果を妥当だと主張している。

大学の学力・質も国際的に高評価を得ている。英高等教育情報誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションが世界93ヵ国・地域の1,500以上の大学を評価した「2021年版世界大学ランキング」では、精華大学が20位、北京大学が23位、香港大学(HKU)が39位と、トップ50に3校がランクインした。

新卒の就職率わずか3割の現実 「寝そべり族」が増加

しかし、親の教育熱や学力の高さと子どもの将来は、必ずしも比例しないようだ。過酷な受験戦争を勝ち抜いた中国の若年層の間では、就職難や生活コストの高騰といった現実世界に幻滅を感じ、あえて最低限の生活を送ることを選択する「タン平(寝そべり族)」が増えているという。家や車を買わない・結婚せず子どもも作らない・消費しない・頑張らないなど低欲望主義に徹する生き方である。

経済の急速な発展により貧富格差が拡大した中国において、エリート校を卒業すれば高収入や安定した生活が約束されていた時代は終わった。近年は厳しい受験戦争に勝ち抜いたとしても、希望に叶う就職先を見つけるのは至難の業だ。コロナ禍で就職難はさらに悪化している。

中国学習サイト「学慧網」の調査によると、2020年新卒者の就職率は全体の3割強という。正式に内定を得ていたのは1割程度だったという大就職難だ。

やっとの思いで就職しても、生活コストが高騰している大都市ではマイホームどころか収入の大半が家賃に消えてしまう。それならば、がむしゃらに努力するのをやめ、他人に迷惑をかけない範囲で質素に暮らしていこうと考える若者が増えるのも無理はない。

共産党が理想とする愛国者の養成

家庭教育に国が介入することに対して違和感を唱える声もあるが、中国政府は家庭内での基礎教育の促進が社会問題の根本的解決に貢献すると期待している。それと同時に、共産党主導の国家と社会主義を尊重し、国家統一と民族団結の意思を固めるための教育も、引き続き強化していく構えだ。

さらに、2020年12月には文部省が「青年期男性の女性化防止案」という法案を発表し、サッカーなどの学内スポーツの推進を学校に呼びかけた。この辺りから、今回の家庭教育推進法の真の目的が、共産党が理想とする愛国者の養成であることが見えてくる。

法治主義が強まる中国において、共産党の愛党精神は希望を失った若い世代の心にどこまで響くのだろう。

文・アレン琴子(英国在住のフリーライター)


「これではろくな人材が育たない」 中国で「家庭教育促進法」が成立 家庭の“しつけ”にも介入する習近平主席の本音

河村忠徳
2021年11月10日 水曜 午後7:30

「家庭教育」にも党や政府が関与

10月23日、中国の国会にあたる全人代の常務委員会で「家庭教育促進法」が成立した。実際に施行されるのは2022年1月1日になるが、子育てに対する親の責任が法律に明記されることになった。

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法律の中身を確認すると未成年者の保護者が「家庭教育に責任を負う」とされていて、「学習時間や休息、運動などの合理的な調整」「インターネット中毒にならないように管理する」など、しつけも含めて子どもの教育に親が目配りすべき項目が細かく記載されている。また未成年者が不良行為に及んだ場合は、保護者が公安機関などから指導されるという条文も盛り込まれた。
さらに、この法律には「中国共産党や国、社会主義を愛し、国家統一や民族団結を守る意識を家庭内で教育すること」も明記された。今後、共産党や政府は今まで以上に家庭教育に関与を強めていくとみられる。

相次ぐ教育改革

中国はこれまでにも子どもに対する規制を相次いで打ち出していて、中国のメディアやゲーム産業を管轄する国家新聞出版署は8月、18歳未満の子どもによるネットゲームの利用を厳しく制限する方針を発表した。さらに9月からは、小・中学生の宿題と塾通いの2つを減らす「双減政策」もスタートさせた。これは中国版「ゆとり教育」にあたる。子どもたちの宿題や塾通いの負担を減らして行き過ぎた教育熱を抑え、教育コストを軽減する事が目的だ。
中国の宿題の多さはこれまでも大きな社会問題となってきた。過去の調査では、小・中学生が毎日宿題に費やす時間は平均2.83時間で世界最長クラスとされる。日本の小・中学生の平均は40分から50分で日本に比べても圧倒的に多い。

自殺に追い込まれる子どもたち

宿題の重圧から自殺に追い込まれる子供も少なくない。
5月、四川省に住む中学1年生(13歳)の双子の男の子が家出した後、川で遺体となり発見された。2人は自宅に「勉強が必要な事も分かるようになったが、こんなに厳しい要求の下ではもう生活できない」と書かれたメモを遺していた。
また10月にも江西省で12歳の姉と10歳の弟が高層マンションから飛び降り自殺をした。姉の遺書には「私はとても疲れている。目を開けてみるとまだいっぱいの宿題が終わっていない。いくら努力しても永遠に終わらない宿題がある」と綴られていた。
中国の民間教育機構が2018年に発表した報告によると、2016年10月から2017年9月までの小・中学生の自殺は267件あり、最も多い理由は家庭内のトラブル(72例)で、次が学習ストレス(55例)となっていた。学歴偏重社会の行き過ぎは少子化の原因とも見られていることから、中国政府は教育改革を進めてきた。その流れが家庭にも及び「家庭教育促進法」が成立したのだ。

「一人っ子」世代の子育てに「相当な危機感」

拓殖大学海外事情研究所の富坂聰教授は今回の「家庭教育促進法」の成立について、習主席の強い危機感を指摘する。「法律が成立した背景にはこれまでの教育改革の流れがある。そこに焦点を当てると、こういった教育に舵を切る理由は習主席が従来の教育では『ろくな人材が育たない』と見ていて、これは相当な危機感と言えます。」
確かに、中国では未成年者の非常識な行動が目立つ。スマホのゲームで親や祖父母のお金を勝手に使い、数百万円課金してしまったり、公共施設で傍若無人な振る舞いをするなど「常識が欠如」した子どもの増加が問題になっている。
背景には1980年代から90年代生まれの「一人っ子」世代が親になり、自らの子どもに対する家庭教育に自信を持てない事があるという。一人っ子世代は両親だけでなく双方の祖父母の合計6人からかわいがられ、金銭面のサポートだけでなく甘やかされて育ち「小皇帝」などとも呼ばれた。この小皇帝と呼ばれた世代が親となり家庭での子育てに不安を感じているというのだ。

親たちの反応は・・・SNSでは“本音”も

北京市で小学生の子を持つ親に「家庭教育促進法」について話を聞いてみると、ほとんどの親は賛成の立場で話をした。
「多くの家庭は子どもの家庭教育に頭を悩ませている。親たちは時間がないか、子育てをする実力がないかのどちらかだ。そのような中で国がこうして関与してくれるのは良いと思う」
「子どもに小さい時から愛国の感情を育てさせれば、大人になってから社会に貢献できるようになる」
一方、次のような意見もあった。
「国から家庭教育をやらなくてはいけない、やらないと罰せられるというのは堅苦しいと思う」
ただ、テレビ局のインタビューでは顔や発言内容など記録が残るため本音を口にする事は難しく、どうしても中国政府を意識した発言にならざるを得ない。そこで、匿名で書き込みができる中国のSNSを確認すると「親は自分の時間も確保できないのに、子どもの面倒を見る時間がどこにあるの?」「法律で家庭教育を規制すると、なおさら子どもを産みたくなくなる」といった本音もみられた。

異例の3期目めざす習主席の本音

習主席は毛沢東主席が提唱した「共同富裕」を再び掲げ、巨大IT企業や芸能界などの規制に乗り出した。さらに、教育分野では塾や宿題を規制して子どもや親の負担軽減を図ることで、庶民の支持取り付けを目指している。
11月8日に開幕した共産党の重要会議「6中全会」では、毛沢東、鄧小平の時代に続く第3の歴史決議が採択される見通しだ。習主席の下で「新時代」の到来を宣言することで、自身の権威を一層高める狙いだ。歴史決議は習主席が、2022年秋の党大会で異例の3期目続投をめざす上で重要な布石となる。しかし、盤石に見える政権運営の裏には、庶民の支持獲得に敏感にならざるを得ない習主席の本音が見え隠れする。「家庭教育促進法」で共産党への忠誠などを明文化したのも、習主席の不安の表れと取れる側面がある。国民の心が共産党から離れる事を恐れる中で出てきた法律と言えるのかもしれない。
今後、この「家庭教育促進法」は本当に中国の家庭に根付くのか。法律では人の心まではしばれない。長期政権をめざす習主席だが、国民の支持を維持できるか否かは今後の政権運営にかかっている。

「未富先老」に直面する中国の農民工 年金格差30倍「定年など無縁だ」

河津啓介・中国総局長
2023年9月23日

街角でトランプなどをして時間をつぶす農民工たち=北京市で2023年9月15日、河津啓介撮影

 14億の巨大人口がいよいよ減少に転じた中国深刻な少子化に加え、高齢化も日本を上回るスピードで進む豊かになる前に老後を迎える「未富先老」の過酷な現実が社会的に弱い立場の人々に重くのしかかっている。
 中国の都市は農村からの出稼ぎ労働者「農民工」に支えられている。建設現場や飲食店、宅配サービスなど幅広い業種で不可欠な存在だ。一方で、都市と農村を区別する戸籍制度によって、年金や医療、教育などの社会サービスで差別的な待遇を受けている。
 9月中旬、北京市の街角で、平日の午前中にトランプや世間話をして時間をつぶす男性たちがいた。声をかけると、日雇い仕事にあぶれた農民工だった。肌は日に焼け、服のあちこちがすり切れている。白髪交じりの中高年も少なくなかった。中国の定年退職年齢は男性が60歳、女性は職位によって50歳か55歳で、日本より早い。数人に老後の身の振り方を尋ねてみた。

大量退職期で高齢化加速

 60歳まで生き延びられるかさえ分からない。一日一日をやり過ごすのに精いっぱいだよ」。河北省出身の50代男性が苦笑いした。「金がなくて医者にかかれない。病気になれば死を待つだけだ」と声を落とす人もいた。新型コロナウイルスが猛威を振るった時期、多くの仲間が亡くなったという。
 中国の65歳以上の人口は既に2億人を超えた。さらに1960年代のベビーブーム世代の大量退職期を迎えており、その規模は毎年2000万人とされる。
 高齢化の波は、農民工にも及ぶ。改革・開放政策導入後の80年代に若くして都市に出てきた最初の世代が老いの入り口に立っている。政府の調査では50歳以上の割合が16・4%を占め、この5年間で7ポイントも上昇した。
 「農村生まれの私たちに定年や年金生活は無縁。体が動く限り働き続けるしかない」。安徽省出身の熊さん(55)が北京市内の茶館で身の上話をしてくれた。
 18歳で北京に出てきた。最初は住み込みの家政婦として働き、今は一般家庭の清掃代行で生計を立てる。同郷の夫は調理師で、夫婦の収入は月約1万元(20万円)。10平方メートルの部屋が2人の住まいだ。大学進学した子ども3人を育てるため、老後に備える余裕などなかった。医療費が高いため、重い病気やけがではない限り病院には行かない。

ソ連の教育制度が世界最高だったわけ(写真特集)

ソ連特集    2018年7月06日

アレクセイ・ティモフェイチェフ

 ソ連は、独自の教育制度を創出し、それは、野心的な近代化プログラムの実現を可能にした。その結果としてソ連は、世界の2超大国の1つに変貌。徹底した教育改革は、幼稚園レベルから始まって、教育プロセスのあらゆる要素に触れるものだった。

 1. 1917年のロシア革命の前には、大人口を抱えるロシア帝国全土に、わずか数十の幼稚園しかなかった。ソ連の建国者、ウラジーミル・レーニン率いるソビエト政権が成立し、男女平等に関するスローガンを実現し始め、女性のあらゆる社会生活への積極参加を宣伝し出すと、すべてが劇的に変わった。それは就学前教育施設のネットワークの発展を見込んだものだった。

ミハイル・オゼルスキー撮影/Sputnik

 2.ソ連の建国者ウラジーミル・レーニンは、保育園と幼稚園を「共産主義の萌芽」と呼んだ。彼によれば、これらの施設は、「実際に女性を解放できるし、現実に社会生産と社会生活における女性の役割を高めることで、男女不平等をなくす

アナトリー・セデルニコフ撮影/TASS

 3. 1920年代半ばから、幼稚園のネットワークは都市だけでなく郊外、農村部にも現れ始めた。1941年までに、200万人のソ連の児童が保育園と幼稚園に通うようになった。その後30年間で、この数字は1,200万人に跳ね上がった。

ヤニス・クルミニシ撮影/TASS

 4. 1959年には、保育園と幼稚園を統合する新制度が導入された。その結果、国は生後2ヶ月から、就学年齢の7歳までの児童を養育することになった。

ジトルーヒン撮影/TASS

 5. 1917年の10月社会主義革命の前には、ロシア帝国における識字率は著しく低かった。19世紀末の時点で人口の21%しか読み書きができなかった。ソ連は、いわゆる「リクベズ(文盲の清算)」のキャンペーンを開始し、特別に設立された事務所のネットワークが全国をカバーした。が、1926年時点で新たに百万人が識字能力を得ただけだった。

Sputnik

 6.しかし、1939年には既に4,000万人が、「リクベズ」のプログラムのおかげで基本的な読み書きができるようになっていた。しかし真のブレークスルーは、1930年に生じた。この年、一般初等教育がソ連で導入。1940年代初めまでに、人口の大多数が文盲である問題は、ほぼ解決された。

 7.しかし、当時を知る人が後に振り返っていることだが、一般普通教育に関する指令の後、既存の学校が新入り、新入生を吸収することは難しかった。そこで、学校は3つの時間帯に分けられねばならなかった。初等課程の生徒は8時に始業して正午に終了し、次に中等課程の生徒が来て、午後6時から10時または11時まで授業があった。

ミハイル・オゼルスキー撮影/Sputnik

 8.ソ連時代の最初の数十年間は、教育における巨大な実験の時代だった。その実験は、ひとつには歴史の科目に関わっており、歴史は独立した科目としての地位を失った。歴史的事件は、他の社会科学の枠組みの中で、混乱した形で学習された。歴史が「名誉回復」され、学校の課程に戻ったのはようやく1934年のことだった。

TASS

 9.大祖国戦争(独ソ戦)は、教育インフラ全体に甚大な影響を与えた。ヒトラーによる侵略の爪痕から回復するまでには、何年もかかった。当局は、高等学校相当の教育の落ち込みを回復させるために大いに尽力。個々の生徒にもっと注意が払われるようになり、教師のための様々な便宜も導入された(リンクはロシア語)。

アレクサンドル・ショギン撮影/TASS

 10.米ソ冷戦と技術競争が激化するなかで、ソ連は自然科学、とくに数学にますます注力するようになった。1950年代後半に、数学者ムスチスラフ・ケルディシュらを中心に、ソ連における数学の真の躍進が始まったと言われる。特別な数学学校が設立された。1950年代からソ連宇宙開発計画の成果を挙げたのは、これらの学校の卒業生だった。

ドミトリー・チェルノフ撮影/Sputnik

 11.学校教育のほかに、ソ連では、特別なクラブのネットワークが存在し、生徒は無料で参加し、学ぶことができた。それらの学科や活動は多種多様で、写真から航空機設計までいろいろあった。

ヴィタリー・カルポフ撮影/Sputnik

 12.ソ連の学校を振り返る際には、ソ連版ボーイスカウト「ピオネール」について語らないわけにはいかない。その活動にはある程度イデオロギー的な色彩があったが、本質的にはボランティア活動への参加だった。例えばピオネールたちは、古紙や金属片を再利用のために収集した。また、自己管理、運営の経験を積み、高齢者を手助けした。

ミハイル・ポティルニケ撮影/TASS

 13.ソ連は、高等教育の発展にも人材、資源を投入した。革命直後、ソビエト政権は多くの大学を新設した。1930年代には、大規模な産業化プログラムのために新たな専門家が必要とされ、さらに多くの大学が設立された。その後、1950年代には、大学、研究所創設の新たな波が生まれた。こうして1975年までには、ソ連で高等教育を受けている学生の数は約500万人に達していた。

ヴィタリー・カルポフ撮影/Sputnik

 14.これらの学生の中には、ソ連に友好的な発展途上国からの留学生もいた。1960年、ソ連当局は、民族友好大学を設立した。その目的とされたのは、若者たちに、とくに中南米、アジア、アフリカの恵まれない背景を持つ人々に、適切な教育を受ける機会を与えることだった。

ピョートル・ノソフ撮影/TASS

 15.ソ連で高等教育を受けることは、知識を得るだけでなく、しばしば手作業、肉体労働をさせられることも意味した。夏の間、学生たちは、いわゆる学生建設班を編成し、ソ連経済の発展上重要ないくつかの拠点に配置された。その背後にある理念は、労働尊重に基づく職場倫理意識を学生に教えることだった。

リズノフ撮影/TASS


参考文献・参考資料

衆愚政治 - Wikipedia

「これではろくな人材が育たない」 中国で「家庭教育促進法」が成立 家庭の“しつけ”にも介入する習近平主席の本音|FNNプライムオンライン

中国「しつけ」すらも法律に 家庭教育に介入で教育統制強化の狙いか | THE OWNER (the-owner.jp)

中国の「家庭教育促進法」についての中国のみんなの意見は日本の報道とだいぶ違う|中国情報局@北京オフィス (note.com)

ソ連の教育制度が世界最高だったわけ(写真特集) - ロシア・ビヨンド (rbth.com)

[写真](2ページ目)総額10兆円の明るい廃墟、593mの世界一高い未完成タワー…中国のスゴすぎるゴーストタウンはなぜ爆誕してしまったのか? | 文春オンライン (bunshun.jp)

ペレストロイカ - Wikipedia

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