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政治講座ⅴ880「米国の暗躍とロシア侵攻から丁度1年後の世界情勢、ウクライナの朝鮮半島化を目論む和平案」
ロシアのウクライナ侵攻はビクトリア・ヌーランドの暗躍によるものだといわれている。今回はその経緯を俯瞰して現在の中国からの和平案の報道記事を紹介する。ウクライナの朝鮮半島化を目論む和平案であることが問題である。
皇紀2683年2月25日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
侵攻失敗なら「ロシアは存在しなくなりバラバラに」 前大統領が投稿
朝日新聞社 によるストーリー • 昨日 19:58
ロシアの前大統領で国家安全保障会議副議長のメドベージェフ氏は22日、自身のSNSへの投稿でウクライナ侵攻に失敗すれば「ロシアは存在しなくなり、バラバラになる」と主張した。
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バイデン米大統領が前日のポーランドでの演説で「ロシアが侵略をやめれば、戦争はすぐに終わる」と発言したことを「うそ」だとし、国民に侵攻の継続を訴えた。
また、メドベージェフ氏はプーチン大統領が21日に表明した米ロ間の新戦略兵器削減条約(新START)の履行の一時停止を歓迎。「米国がロシアの敗北を望むのであれば、我々は核兵器を含むあらゆる武器で防衛する権利がある」と牽制(けんせい)した。(根本晃)
ビクトリア・ヌーランドの暗躍
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以下の文章は、藤井厳喜氏の情報誌『ケンブリッジ・フォーキャスト・レポート』2月号掲載の論考にいささか手を加えたものです。
バイデン政権は、政治担当国務次官にビクトリア・ヌーランド女史(59)を指名しました。実のところヌーランドは、強烈な反ロシア派であり強烈な親中共派でもあります。
ビクトリア・ヌーランドは、ブラウン大学を卒業後、国務省に入省した職業外交官です。父方の祖父はロシアからアメリカに移民したユダヤ人です。そのためか、女史には強烈な反ロシア傾向があり、それゆえネオコンの一員と目されています。
2011年6月から13年2月まで、オバマ政権下で国務省報道官を務めました。その後、2013年9月から翌年の1月のオバマ政権終了時まで、ヨーロッパ・ユーラシア担当の国務次官補の地位にありました。今回は次官補のワンランク上の次官に指名されたわけです。ちなみに政治担当国務次官は、国務省ナンバー3の地位です。
ヌーランドは2012年、国務省報道官だったころ、孔子学院のアメリカの大学での拡大の支持を公然と表明しました。孔子学院を米中2国間における人材交流にとってきわめて重要なものであると賞賛し、チャイナの侵略的野心に関する懸念を全面否定しました。
たとえば、ある記者がヌーランドに「オバマ政権は、チャイナが孔子学院を通じて、そのソフトパワーを米国内で拡大することを心配していないか」と質問したところ、ヌーランドは「まったく心配していない。われわれは孔子学院を支持している。孔子学院は、相互理解の一環だ」と明確に答えています。
【ちなみに、孔子学院はオバマ時代に急速に影響力を拡大し、中国共産党の影響に関する識者たちのたびたびの警告にもかかわらず2017年をピークに100以上の米国の大学で設立されました。複数の政府報告書で、中国政府が学内機関に対して高度な支配を実行し、講師がチベットや香港のようなタブーの話題を教えないように制限していたことが明らかになりました。講師は米国内で教えている場合でも中国の法律に従うことが契約上義務付けられることが多かったのです。】
このような人物が政府高官として再登場したことは、日本にとっても由々しき事態です。
ヌーランドが有名になったのは、2014年2月のウクライナ危機のときでした。女史は、ウクライナの合法政権が、非合法的な暴力を導入した軍事クーデターで打倒されたとき、米国のネオコン勢力の指揮をとりました。ケリー国務長官のもとで、ヨーロッパ・ユーラシア担当の国務次官補としての権限をほとんど独裁的に行使したのです。
2014年2月のウクライナ危機の詳細に触れましょう。
ロシアは以前から黒海に面したウクライナのクリミア半島に黒海艦隊の基地を持っており、ウクライナとの間でその駐留権の延長問題を抱えていました。
2010年4月、ロシアはウクライナとの間で合意に達しました。ロシアがウクライナに売る天然ガスの価格を30%引き下げるかわりに、ウクライナは、2017年に終了することになっている黒海艦隊の駐留期限を25年(最大30年)延期することに同意したのです。ロシアとウクライナの両国議会もこの協定を批准しました。それと同時並行で米露の人事交流もさかんに行われ、ロシア=ウクライナ合意に、米国側も同意を与えていました。
ところが4年後の2014年2月に起きたウクライナ政変で、極右の暴力団まで動員して、ヤヌコビッチ政権は非合法的に葬り去られてしまいました。そのどさくさにまぎれて、反ロシア勢力がウクライナの政治的権力を簒奪することを恐れたロシア・プーチンは、クリミア半島の併合を断行しました。
この時、ウクライナのネオナチ的極右暴力団まで動員して同政権を転覆させた張本人のひとりがヌーランドであったといわれているのです。また、ロシアのクリミア半島併合に対して、ウクライナの反露右派政権に武器を供与し、ウクライナにロシアとの戦争をけしかけたのもヌーランド女史だったと伝えられています。
つまりヌーランドは、極端な反ロシアのタカ派で、時のヤヌコビッチ政権を転覆させ、対ロシア冷戦体制を構築しようとしたと推定されているのです。
これは藤井氏が明言していることではありませんが、ヌーランドは、グローバル金融資本勢力に連なるDSの一員である可能性が高いものと思われます。
ヌーランドは2005年7月から2008年5月まで、ジョージ・W・ブッシュ(ブッシュJr)大統領のもとで、米国のNATO常任委員代表を務めており、共和党反トランプ勢力とも深いつながりがあります。
ヌーランドの親中派としての危険性をいうなら、我が国として、尖閣問題は無視できません。というのは、2012年8月15日、尖閣諸島に香港の活動家が不法上陸した際に、ヌーランドは「尖閣問題を平和的に解決することを期待する」と発言しているからです。これは、一見なんでもないようですが、実は外交的に重大な問題をはらんだ発言です。なぜならその発言は、日中両国間に領土問題があることを認めているからです。「領土問題は存在しない」とする我が国の見解と真っ向から対立する考え方です。さらには、尖閣をめぐる領土問題が同地における施政権の日本からチャイナへの移動を誘発した場合、米国がそれを許容する可能性すら含んでいます。
このようにバイデン政権は、日本にとって脅威というよりほかに評しようがない代物なのです。非常に困った事態ですが、そう認識しないよりするほうがはるかにマシであることはたしかでしょう。
ヌーランドのウクライナ内政介入の証拠と米国の民主化工作資金
2014年2月、ジェフ・パイアット(英語版)駐ウクライナ大使との通話内容がYoutubeに投稿された。そこでは2013年末からのウクライナの政情不安についての議論がなされ、ウクライナの今後の体制はアルセニー・ヤツェニュク政権の発足が望ましいものとされ、ビタリ・クリチコやオレグ・チャグニボク(英語版)の排除が合意された。その場でヌーランドは国連によるウクライナへの介入を支持し、ヌーランドの意にそぐわないEUを「fuck EU(EUなんか、くそくらえ)」と侮蔑する発言をした。これによりウクライナやロシアから、アメリカのウクライナに対する内政介入を批判する声が上がっている。米国務省のサキ報道官はこの会話内容が本物であることを認め、2月6日にヌーランドはEU側に謝罪したと発表した。
また、2013年12月には、ウクライナを巡る会議において「米国は、ソ連崩壊時からウクライナの民主主義支援のため50億ドルを投資した。」と発言している。
侵攻1年、ゼレンスキー氏会見 中国和平案に「当事者が考えるべき」
朝日新聞社 によるストーリー •
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアによる軍事侵攻から1年となる24日、首都キーウ(キエフ)で国内外のメディアを集めて記者会見した。中国が同日発表した和平提案について、ゼレンスキー氏は歓迎しつつも「戦争の当事者が考えるべきだ」と述べた。
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ウクライナの首都キーウ、竹花徹朗撮影© 朝日新聞社
中国政府はこれまでウクライナ侵攻を続けるロシアに支持も非難もしていない。だが、侵攻1年となる24日、ロシアとウクライナ双方に直接対話の再開や停戦、和平交渉の開始を呼びかける文書を発表した。
ゼレンスキー氏は、中国の提案には、領土の一体性やロシア軍のウクライナ領からの完全撤退が含まれないとして、「提案とは考えていない」と語った。
中国武器供与なら第3次大戦も=ウクライナ大統領が警鐘―仲介認めず「習氏と会う」
3 時間前
【キーウ時事】ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、ロシアの侵攻開始1年を迎えて首都キーウ(キエフ)で記者会見した。この中で「中国が公正な世界の側に付くと信じたい。中国がロシアに武器を供与しないと強く信じたい」と述べ、中国の動向を注視していると説明。一方で、中国の武器問題が「第3次大戦のリスク」をはらんでいると警鐘を鳴らした。
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ゼレンスキー大統領(AFP時事)© 時事通信 提供
西側諸国による対ロ制裁に反対する中国は24日、ロシア、ウクライナ双方に対話を促し、仲介の用意を示す文書を発表した。これについてゼレンスキー氏は「和平案と受け止めていない。中国は自分の立場を示しただけだと思う」と指摘した。
ゼレンスキー氏は、ロシアのプーチン大統領個人と接触する可能性を改めて否定。ロシアと対話に臨む場合でも、ウクライナが提示しているロシア軍撤退など10項目の和平案に基づくことが必要だと条件を付けた。
自国内で分離・独立の動きを警戒する中国が文書の中で、ウクライナと同様に「領土一体性」を重視している点は評価した。ロシアによるクリミア半島を含むウクライナ東・南部の「併合」は、領土一体性の侵害と国際社会が非難している。
また、ゼレンスキー氏は質問に答える形で「私は習近平(中国国家主席)と会うつもりだ。両国に有益で世界の安全保障に寄与する」と語った。中ロの引き離しを視野に入れているとみられるが、会談の時期や場所には言及しなかった。
「中国に幻想抱くな」 独首相、中ロ関係を警戒
AFPBB News によるストーリー • 昨日 11:52
【AFP=時事】ドイツのオラフ・ショルツ首相は23日、独公共放送ZDFのインタビューで、中国はこれまでロシアのウクライナ侵攻に反対したことがないと指摘し、「中国に幻想を抱いてはならない」と警告した。
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中国外交トップ、王毅共産党政治局員は22日、ロシア・モスクワを訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領、セルゲイ・ラブロフ外相と会談。ロシア政府によると、ウクライナ紛争の「政治的解決」に向けたアプローチを提示したとされる。
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ウクライナ侵攻をめぐり、中国はこれまで、戦略的パートナーであるロシアとの緊密な関係を維持しながら、中立的な立場を取ってきた。
だが、米国と北大西洋条約機構は、中国がロシアへの兵器供給を検討しているのではないかと懸念している。(c)AFP【翻訳編集】AFPBB News
中国の停戦呼びかけに林外相「ウクライナの人々が決める問題」
朝日新聞社 によるストーリー •
■林芳正外相(発言録)
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(中国外務省が発表したロシアとウクライナの双方に停戦などを呼びかける文書について)ロシアはウクライナに対する攻撃を現在も続けている。プーチン大統領は「併合したウクライナの一部地域は交渉の対象ではない」と述べるなど歩み寄ろうとする兆しが一切見られない。ウクライナが懸命に祖国を守る努力を続ける中で、将来を決める交渉にいかに臨むべきかはウクライナの人々が決めるべき問題だと考える。
中国外交部は「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」と題する文章で、ウクライナ情勢を巡る中国の立場を発表した。我が国としてはウクライナ情勢を巡って、中国とも意見交換を行ってきている。引き続き責任ある対応を強く求めたい。(米ニューヨークで記者団に)
豪州、ウクライナに新たに無人機供与「勇気と決意に敬意」
【シンガポール=森浩】オーストラリア政府は24日、ロシアの侵略から1年を迎えたウクライナに無人機を追加供与すると発表した。費用は3300万豪ドル(約30億円)で、豪州政府は「監視、偵察能力を提供する」としている。
侵略開始以降、豪州はウクライナに5億豪ドル規模の軍事支援を行っている。24日にはロシア企業40社に新たな制裁を科すことも発表した。アルバニージー首相は同日の会見で、「侵略と戦うウクライナの人々の勇気と決意に敬意を表したい」と強調した。
また、ウォン外相は同日の地元メディアによるインタビューで、中国がロシアに武器を供与する可能性があると報じられたことを受け、「中国は戦争終結のためにできる限りのことを行うべきだ」と反発した。
「停戦の呼びかけにだまされるな」 安保理で米国務長官が中国けん制
毎日新聞 によるストーリー • 43 分前
ロシアによるウクライナ侵攻から1年を迎えた24日、国連安全保障理事会は閣僚級会合を開いた。米国のブリンケン国務長官は「いかなる理事国も、ロシアのウクライナに対する戦争を支援しながら平和を呼びかけるべきでない」と述べ、「一時停戦や無条件停戦の呼びかけにだまされるな」と強調した。名指しは避けたが、双方に停戦などを呼びかけた中国をけん制した形だ。
国連安全保障理事会の閣僚級会合で演説する米国のブリンケン国務長官(右手前)=米ニューヨークの国連本部で2023年2月24日、AP© 毎日新聞 提供
中国外務省は24日、ウクライナ情勢をめぐり自国の立場を説明する文書を発表した。その中で、ロシアとウクライナ双方に歩み寄りを求め「早期の直接対話を再開し、全面的な停戦を達成すべきだ」と強調。「中国が建設的な役割を果たし続けることを望んでいる」と仲介に意欲を示した。
ただ、現時点で停戦すれば、ウクライナ東・南部4州を一方的に併合したロシアの領土奪取を認めることにもなりかねない。ブリンケン氏は米メディアに対し、中国がロシアに殺傷力のある武器の支援を検討していると述べていた。会合でブリンケン氏は「武力によるロシアの領土奪取を正当化するような平和は、侵略しても逃げ切れるというメッセージを送ることになる」と警告した。
日本からは林芳正外相が演説した。林氏は「世界のどこであれ、力や威圧によって領土を変更する試みは断固拒否されねばならない」と強調。ウクライナへの主力戦車の供与を決めた英国のクレバリー外相も「ウクライナが勝利し、主権と領土の一体性が回復されるまで、ウクライナが必要とする支援を提供する」と表明した。
中国の戴兵・国連次席大使は「ロシアとウクライナに対し、いかなる前提条件もなしに交渉を再開するよう求める」と主張。「国際社会は冷静になって戦闘を一刻も早く停止し、長期的な平和と安定を実現する方法を考えるべきだ」と述べた。ブラジルのコスタ国連大使も、侵攻を非難するとしつつ「平和構築について語りたい人々にも声を上げるべき時が来た」と語った。
中国の提案について、ウクライナのクレバ外相は米ニューヨークの国連本部で記者団に対し「同意できる要素もあれば、同意できない要素も少なくとも一つはある。(ロシア軍の即時撤退やウクライナの領土の一体性の確保を求めた)国連総会の決議に沿ったものでなければならない」と述べ、内容を精査した上で結論を出すとの考えを示した。【ニューヨーク隅俊之】
参考文献・参考資料
侵攻失敗なら「ロシアは存在しなくなりバラバラに」 前大統領が投稿 (msn.com)
政治講座v203「ロシアのウクライナ侵攻における黒幕(米国政府とヌーランド女史)を解説」|tsukasa_tamura|note
侵攻1年、ゼレンスキー氏会見 中国和平案に「当事者が考えるべき」 (msn.com)
中国武器供与なら第3次大戦も=ウクライナ大統領が警鐘―仲介認めず「習氏と会う」 (msn.com)
「中国に幻想抱くな」 独首相、中ロ関係を警戒 (msn.com)
中国の停戦呼びかけに林外相「ウクライナの人々が決める問題」 (msn.com)
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