政治(金融)講座ⅴ959「米銀破綻は日本に飛び火?」
銀行が破綻しないとは断言できないが、この激動の時代、起こり得ることではある。決算書上の貸倒引当金の積み上げと自己資本比率などから債務超過に陥っているかが判断材料ではあるが、銀行の体質的問題点は、不良債権の査定で、匙加減を甘くすることである。それが、ある日貸倒引当金の準備無しで融資先の破綻が銀行経営の破綻に繋がることである。隠蔽・粉飾の誘惑に負ける経営者が会社を破綻に追い込むことに繋がる。戦後、大蔵省の指導で護送船団方式で銀行は守られてきたが、今や、銀行も潰れる時代である。
日本のバブル崩壊を銀行で経験した者としては、これは序章にすぎないと考える。日本の不動産バブルへの過剰融資と自己資本比率が非常に低く、それが、不良債権の顕在化とともに、債務超過への奈落の底に落ちていった。ほとんどの銀行が合併したが延命措置の一環であり、実質的にはほとんどの銀行は債務超過に陥っており、倒産したようなものである。預金者保護の為に延命措置として、債務超過した部分に公的資金で資本注入して健全経営に戻したのである。自己資金比率や預金保険制度がある。日本の場合は次の表のとおりである。
今現在の日本では自己資本比率という融資額の縛りがあり、要求払いに対応できる資金は確保なされていることになっており、取り付け騒ぎに発展する事態はないものと思われる。
もし不安ならば、ポートフォリオと言う手法で資産の分散を図ることである。
なお、下手な情報を流したら刑事罰(偽計業務妨害罪)刑法233条に該当するのでご注意ください。
刑法 第三十五章 信用及び業務に対する罪(信用毀損及び業務妨害)第二百三十三条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
くれぐれもSNSなどで信用を毀損するような情報を流すと犯罪に該当するのでご注意ください。
皇紀2683年3月25日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
米銀破綻は日本にも確実に飛び火する…!地方銀行に忍び寄る、ヤバすぎる「破綻のメカニズム」
鷲尾 香一 によるストーリー • 6 時間前
日銀の利上げが引き金に
金融システムを揺るがした米銀の経営破綻。これを米国の出来事と見過ごすことは出来ない。もし、日銀が利上げに踏み切れば、国内でも同様に銀行破綻が起きる可能性があるからだ。
米国のテクノロジー企業への融資を中心に行っていたシリコンバレー銀行が3月10日、経営破綻した。同行の22年12月末時点の総資産は約2090億ドル(約28兆円)で、米銀の経営破綻としては08年のリーマンショックで破綻したワシントン・ミューチュアルに次ぐ資産規模となった。
Photo by GettyImages© 現代ビジネス
なぜ、日銀が利上げに踏み切れば、国内でもシリコンバレー銀行と同様の経営危機に陥る銀行が出てくるのか。それには、シリコンバレー銀行が今回の経営破綻に至った理由を正確に理解しておく必要がある。
シリコンバレー銀行の主要顧客はテクノロジー企業を中心としたスタートアップ企業やベンチャーキャピタルだ。これらの企業から巨額の預金を集めたが、融資先が少なく、資金需要がなかった。このため、同行は米国債やMBS(住宅ローン担保証券)、地方政府債などで総資産の約57%を運用していた。
「取り付け騒ぎ」で経営破綻
ところが、米国の利上げにより、市場金利が大幅に上昇したことで、米国債の価格が下落し、MBSの価格下落に拍車がかかったことで、資産の巨額の含み損が発生した。一方では、利上げにより預金金利の引き上げという負担が生じた。
同時に、利上げによって、テクノロジー企業に投資していたベンチャーキャピタルや投資家が投資先を変更したことにより、同行の主要顧客であるテクノロジー企業が資金調達難に陥った結果、スタートアップ企業による預金の引き出しが相次いだ。
シリコンバレー銀行はこの預金流失に対応するため、含み損を抱えている保有有価証券の売却を余儀なくされ、巨額の含み損が現実損となり、経営破綻に至った。
つまり、シリコンバレー銀行経営破綻の大きな特徴の一つは、集めた預金を融資するという“銀行の本業が振るわず、有価証券での運用に頼った”ことで、利上げによる金利上昇が保有有価証券に巨額の損失を発生させた点にある。
問題は、銀行の本業が振るわず、有価証券での運用に頼ったのが国内の銀行にもあることだ。
では、いったいどこが危ないのか。
事例:「取り付け騒ぎ」で経営破綻した銀行
東京渡辺銀行1927年
日本で最初の取り付け騒ぎの発生した銀行。
1927年の帝国議会衆議院予算委員会で片岡直温蔵相が「東京渡辺銀行がとうとう破綻を致しました」と 失言したことにより取り付け騒ぎが発生し、後に経営破たんしました。この事件は昭和金融恐慌発生の原因にもなり、他の銀行も取り付け騒ぎが起こりました。
山一證券1965年5月21日
『西日本新聞』が「山一證券、経営難乗切りへ、近く再建策発表」とのスクープ記事を発表すると、証券市場は恐慌状態になり、22日から山一證券の窓口には長蛇の列ができ、連日1万人を超える顧客が殺到し、1週間で177億円の取引口座が解約された。同証券広島支店では顧客整理のために警官が出動し、神戸支店では投石によって支店のガラスが割られた。不安心理に駆られた顧客は、他社にも殺到した。武田『高度成長』(岩波新書、137頁)から。
豊川信用金庫1973年12月
愛知県の豊川信用金庫で取り付け騒ぎが発生し、約26億円の預貯金が引き出されました。女子高生たちの冗談から町全体に豊川信用金庫が危ないとの噂が広ったのが取り付け騒ぎの原因となりました。
なお、実際の財務は健全であったため倒産などはせず、現在も営業を続けています。
東洋信用金庫1991年
大阪市淀川区に本店のあった信用金庫。1991年に、偽造した預金証書を用いた不正融資事件を起こしたため、 預金者が預貯金を引き出す取り付け騒ぎが発生しました。
コスモ信用組合1995年
高利のマンモス定期で預金を集めた信用組合。1995年に業務停止命令を受けた際に預金者が預金の引き出しを求めて殺到し、取り付け騒ぎとなりました。
木津信用組合1995年
大阪府大阪市浪速区に本店のあった信用組合で、1995年8月30日に経営破綻しました。木津信用組合の業務停止命令前後には預金者が預金の引き出しを求めて殺到し、取り付け騒ぎとなりました。
能代信用金庫1995年5月2日
報道機関が「能代信用金庫が清算する」と発表したため、預金者が預金の引き落としを求めて殺到し、取り付け騒ぎとなりました。この日に引き落とされた金額は約27億円にも上ったとされています。
紀陽銀行1997年
和歌山県和歌山市に本社のある地方銀行。1997年の経営不安から取り付け騒ぎが発生し、 数日間で約3000億円が引き出されました。
山一證券1997年
日本では4番目に規模の大きな証券会社でしたが、経営不振から1997年12月に自主廃業をした際に、 各地の支店に証券口座を解約する顧客が押し寄せ取り付け騒ぎとなりました。
足利銀行1997年
栃木県宇都宮市に本店のある地方銀行。経営不振から1997年に取り付け騒ぎが発生し、 1年間で約3000億円が引き出されました。
佐賀銀行2003年
佐賀県佐賀市に本店を置く地方銀行。2003年12月25日に女性が「佐賀銀行が26日に倒産する」とのデマチェーンメールを流したため、 取り付け騒ぎが発生し約500億円が引き出されました。このメールを流した女性は書類送検されましたが不起訴処分となりました。
参考文献・参考資料
米銀破綻は日本にも確実に飛び火する…!地方銀行に忍び寄る、ヤバすぎる「破綻のメカニズム」 (msn.com)
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