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政治講座ⅴ2027「米国は中国の関税迂回の穴を埋められるか」

以前掲載したブログもご参照あれ!
政治講座ⅴ2022「トランプ人事は米国軍部粛清か?米国滅亡への道程か?」|tsukasa_tamura

 世界経済をグローバル化して儲けようとしたのが米国の戦略であったが、軍需産業のために戦争の拡大を続けてきた米国経済は青息吐息である。
 世界に市場開放する程の余裕は失せたのである。
だから中国を標的に中国に進出した企業を米国に呼び寄せる政策に方向転換したのである。しかし、中国共産党も横暴で覇権主義を唱えているが、米国のやり方も横暴であることは否定できない。それだけ米国は製造業などの経済が弱り切っていることは否定できない。製造業で弱った米国経済を立ち直らせるために金融業に主軸を置いたが、世界最大の債務国の米国は累積債務が膨らんでくることは目に見えるようである。財政の立て直しが急務である。
 イーロン・マスク・テスラ最高経営責任者(CEO)を今回新設する政府効率化省(DOGE)のトップに指名した。共和党大統領選挙の候補で候補辞退後に「トランプ氏支持」を選択したビベック・ラマスワミ氏が政府効率化省を共に率いる。
 トランプ氏は「2人は共に政府官僚主義を解体して過度な規制を撤廃し、浪費される支出を削減し、連邦機関を再建するための道を整える」とし「これは『セーブ・アメリカ』(Save America、米国を救う)運動の核心」と説明した。これで米国が復活できるか。イーロン・マスクの双肩と手腕にかかっている。

     皇紀2684年11月16日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司 

報道記事紹介

お金は知っている 破天荒に見えて実は周到な〝トランプ流対中高関税〟のからくり 増えた関税収入で「米国を再び偉大に」の目玉、減税策の税収減を賄う


お金は知っている 破天荒に見えて実は周到な〝トランプ流対中高関税〟のからくり 増えた関税収入で「米国を再び偉大に」の目玉、減税策の税収減を賄う

先の米大統領選で圧勝したトランプ前大統領の発言は粗野で破天荒のように感じる向きが少なくないが、実は用意周到に計算されている。

トランプ氏は大統領選挙期間中、中国からの輸入品に対して60%以上日本など中国以外からの輸入品には一律10%以上の追加関税をかけると宣言してきた。対中高関税は第1次トランプ政権(2017年1月から4年間)が仕掛けた米中貿易戦争の米側の主力武器で、バイデン現政権にも引き継がれた。しかし、その「戦果」は米側にとっては極めてはかばかしくない。

米国の貿易統計で23年と17年を比較してみると、米国の対中貿易赤字はそれぞれ2790億ドル、3750億ドルと1000億ドル近く減っているが、世界全体に対する米赤字は各1兆600億ドル、8050億ドルと2000億ドル以上も増えている。中国側は東南アジアやメキシコなどを経由する迂回(うかい)輸出を急増させたからだ。
米中貿易戦争は19年12月に「休戦」となったが、中国側が2000億ドルと約束した米国からの輸入増は23年の17年比で約180億ドルにとどまっている。高関税を中心とする米国の対中強硬路線は、米国の貿易赤字縮小や対中輸出増には結びついていないことは明らかだ。

それでもなお、来年1月に復権するトランプ氏はなぜ対中高関税にこだわるのか。その答え減税財源確保にある。

2018年勃発の貿易戦争では、中国製品についておおむね10~25%の追加関税をかけたが、今回は60%以上にするとトランプ氏は息巻いている。中国以外への10%、中国への60%追加関税が、来年1月発足の第2次トランプ政権で実施される場合、米国の関税収入はどれだけ増えるのか。米国の23年の輸入額をもとに粗計算してみると(グラフ参照)、中国以外が約2680億ドル、対中国が約2560億ドルで合計5200億ドル余に達する。

MAGA(米国を再び偉大に)」を標榜(ひょうぼう)するトランプ氏が米有権者を引きつけた目玉は減税である。トランプ氏は法人税率の引き下げや、チップ・社会保障給付金・超勤手当への非課税措置、自動車ローン金利と州・地方税分の税控除などを約束してきた。

米議会の超党派組織「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」によれば、こうした減税案は米財政赤字を10年間で約4兆ドル、年平均で4000億ドル増やすことになる。だが、高関税による税収増で、法人や個人向け減税にともなう税収減を十分賄える計算になる。しかも、追加関税は、輸入品価格に上乗せされるので、消費者のフトコロを直撃するが、その分、減税によって消費者に還元させることができる。こうみると、トランプ流高関税と減税の組み合わせはうまくつじつまが合ってくる。「MAGA」の決め手が高関税なのである。

米メディアは高関税は物価を押し上げるし、減税はインフレを高進させると問題視しているが、輸入物価上昇は消費を実質的に抑えるので、家計向けの減税で需要を喚起するのは経済学的にも合理的な選択なのだ。 (産経新聞特別記者)

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