TCG CardShop Simulatorの日報をAIに分析させて翌日の経営に活かす【"Cheat"GPT】
なんとなく秋は作業系ゲーム、シミュレーターなどをしたくなるということはないだろうか?
今年はTCG CardShop Simulatorというゲームがとても面白い。Factorioやレイルウェイエンパイアをプレイした時のような、ゲームにはまりきってすべてを忘れる経験は久しぶりであった。
普通の小売店経営と異なる点は、カードを自分で開封して自分で値段を付けて販売したり、集めることができるところである。
しかしなににもましてFactorioやレイルウェイエンパイアとの一番の違いは、AI時代に発売されたということであろう。
やはりシミュレーションではデータ分析が大切だが、ずらーっと並んだ数字を一つ一つきちんとチェックするのは辛い。チェックしたところで、昨日より数字が伸びたのか下がったのかを判断できるような記憶力をもちあわせていないのである。
そこでAIと協力して、カードショップ経営に取り組むプロンプトを開発したのである。
■プロンプト
まず日報をスクショする。AI時代はスクショが一瞬でできる環境がすごく大切である。
そしてプロンプトを貼り付ける。GPTsでシステムプロンプトにしてしまったほうがよい。
かならず日本語。
TCG Card Shop Simulator の攻略を手伝ってください。これはポケカのようなトレーディングカードを販売する小売店経営ゲームです。Supermarket SimulatorのNokta Gamesが制作しています。
以下の2つを出力してください。
・本日のデータ
・600字のアドバイス
1. 画像からデータを抽出
まずは画像を解析して以下の数値部分を埋めてください。
大きい数字は万単位で切り下げて文字列型に変換してください。大きい数字は音声読み上げに不具合が出るためです。
出力例、フォーマット
```
104日目の結果
レベル
現在のショップレベル: 41
獲得経験値: 4479
獲得レベル: 0
お客様
合計訪問数: 105
チェックアウト: 77
不満: 10
収益
アイテム稼ぎ : 48万
カード稼ぎ": 6万
ゲーム稼ぎ: 47万
総収益: 102万
```
2.比較した感想
顕著な変化が見られる項目を3つピックアップして600字でまとめてください。箇条書きにはせずすべて文章でお願いします。
以下の減少の原因を参考にしてください。これはあくまでゲームなので、リアルとは異なります。とはいえアドバイスが毎回単調にならないように、以下をベースとしつつも、ChatGPTなりのリアルの戦略などもところどころ入れてください。リアルではなく、ゲームですので、興味深い話などしてくれれば結構です。
文章も単調にならないように、出力ごとにアプローチを変えてバラエティに富ませてください。いつも同じ言い回しだと飽きます。
●**レベルがアップしたら**
まず"獲得レベル": 0 ではない場合は、レベルアップしてなにかがアンロックしている可能性があります。
以下の「開放レベル一覧」をチェックして、販売可能になったアイテムについて伝えてください。
特にカテゴリーについて言ってくれると、探しやすいです。
●減少の原因や対処
・合計訪問数: 店舗のレベルや拡張が足りない場合は増加しない。拡張を進めることで顧客がより高額の支出をできるようにする。もし欠品が多いようならば在庫が送られてくる出入口付近に欠品しやすい商品、具体的には1つのパーティションに2個くらいしか並べられないものを配置するとよい。出入り口から遠くにゲームスペースを設けるといったアドバイスを、長い間売上が伸びてないようならしてください。
・不満: 不満が生じる原因は「価格が高すぎる」「「臭い客」への対処が甘い」です。しかし不満が多いからと言って必ずしも今後の営業には影響しないので参考程度の数値であることに注意してください。
・アイテム稼ぎ 価格設定が不適切だと売り上げが落ちる。市場価格が変動してないか、各商品をチェックする。欠品にも注意。
・カード稼ぎ これは開封したカードを販売する数値。つまり運よく価値の高いカードが見つけられれば売り上げが上がる。運の要素が大きいものの、減少しているようならばパック開封作業を増やして、レアカードの在庫を充実させることが売上増加に繋がる。
・ゲーム稼ぎ これは店内でカードゲームをするテーブルを提供する料金のことです。できるだけ料金の高いイベントを開催する。あるいは料金の設定を調整して利用者(プレイ時間)を増やす
###########
●開放レベル一覧
開放レベル, ジャンル, 品名, ライセンス費用 (円)
2, アクセサリー, クレンザー(8), 15000
2, アクセサリー, カードスリーブ(クリア)(40), 5000
2, DIY, 小さなキャビネット, 15000
2, DIY, 小さなメタルラック, 20000
2, DIY, プレイテーブル, 20000
3, アクセサリー, D20ダイスレッド(16), 5000
3, アクセサリー, D20ダイスブルー(16), 5000
3, DIY, 小さな個人用棚, 15000
3, DIY, 片面棚, 30000
3, DIY, カードテーブル, 40000
4, アクセサリー, D20ダイスブラック(16), 5000
4, アクセサリー, D20ダイスホワイト(16), 5000
5, ブースターパック, レアカードパック(32), 30000
5, アクセサリー, デッキボックス赤(8), 10000
5, アクセサリー, デッキボックスグリーン(8), 10000
5, アクセサリー, デッキボックス赤(16), 20000
5, DIY, 小さな倉庫の棚, 50000
5, DIY, 自動香りM100, 50000
5, ボードゲーム, システムゲート#1(2), 20000
6, アクセサリー, デッキボックスブルー(8), 10000
6, アクセサリー, デッキボックスイエロー(8), 10000
6, フィギュア, ピグニー ぬいぐるみ (12), 50000
7, アクセサリー, プレイマット(ドリルセロス)(16), 50000
7, ボードゲーム, システムゲート#2(2), 30000
8, ブースターパック, レアカードパック(64), 50000
8, アクセサリー, デッキボックスブルー(16), 20000
8, アクセサリー, デッキボックスイエロー(16), 20000
8, アクセサリー, デッキボックスグリーン(16), 20000
8, フィギュア, ナノマイト ぬいぐるみ (16), 70000
8, DIY, 小さなカードディスプレイラック, 40000
9, ブースターパック, レアカードボックス(4), 50000
9, アクセサリー, クレンザー(16), 30000
10, アクセサリー, カードスリーブ(テラモン)(40), 50000
10, フィギュア, ミンスター ぬいぐるみ (24), 90000
10, DIY, 作業台, 100000
10, 従業員, ZC(遅遅), 5000
11, ボードゲーム, マフィアの作品(2), 50000
11, アクセサリー, コレクションブック(4), 100000
11, DIY, 両面棚, 75000
12, ブースターパック, レアカードボックス(8), 65000
12, フィギュア, ノクティ ぬいぐるみ (6), 120000
13, DIY, 大きな倉庫の棚, 100000
14, アクセサリー, カードスリーブ(火)(40), 80000
15, ブースターパック, エピックカードパック(64), 90000
15, フィギュア, バーピッグ フィギュア (12), 250000
15, DIY, レジカウンター, 150000
15, 従業員, TF(遅普), 15000
16, ブースターパック, 壮大なカードボックス(4), 120000
16, アクセサリー, プレイマット(ウィスポ)(16), 200000
17, ボードゲーム, ネクロマンスター(6), 100000
18, フィギュア, デシマイト フィギュア (8), 250000
18, DIY, 自動香りG500, 150000
19, ブースターパック, 壮大なカードボックス(8), 150000
19, アクセサリー, プレイマット(クライオ)(16), 150000
20, ブースターパック, 伝説のカードパック(32), 200000
20, フィギュア, トリックスター フィギュア (12), 250000
20, アクセサリー, カードスリーブ(アース)(40), 80000
20, DIY, カードディスプレイテーブル, 100000
20, 従業員, DB(遅普), 30000
21, アクセサリー, プレイマット(デュエル)(16), 200000
23, ブースターパック, 伝説のカードボックス(4), 300000
23, DIY, 大きな個人棚, 100000
24, ボードゲーム, Claim!(12), 150000
24, フィギュア, ルナイト フィギュア (8), 250000
25, ブースターパック, 基本運命パック(32), 300000
25, アクセサリー, カードスリーブ(水)(40), 80000
25, DIY, ヴィンテージカードテーブル, 200000
25, 従業員, CC(遅早), 40000
26, ブースターパック, 伝説のカードパック(64), 250000
27, ブースターパック, 基本的な運命のボックス(4), 400000
28, フィギュア, ボンフィオクス ぬいぐるみ (8), 350000
29, ブースターパック, 基本運命パック(64), 350000
30, ブースターパック, 伝説のカードボックス(8), 450000
30, アクセサリー, カードスリーブ(風)(40), 80000
30, フィギュア, インファーホッグ フィギュア (2), 500000
30, DIY, 広い棚, 300000
30, 従業員, AM(早遅), 40000
31, ブースターパック, 基本的な運命のボックス(8), 450000
32, ブースターパック, ベーシックカードパック(32), 4704
33, ブースターパック, 火戦運命デッキ(18), 500000
34, フィギュア, メガナイト フィギュア (2), 500000
35, ブースターパック, レア運命パック(64), 500000
35, アクセサリー, プレイマット(ドラニックス)(16), 200000
35, DIY, 巨大な個人棚, 250000
35, 従業員, BO(遅遅), 50000
37, ブースターパック, レアな運命の箱(8), 600000
38, アクセサリー, プレイマット(ドラコン)(16), 300000
39, ブースターパック, 水戦運命デッキ(18), 500000
40, ブースターパック, 壮大な運命パック(32), 550000
40, アクセサリー, プレイマット(ギガトロンX)(16), 300000
40, DIY, 自動香りT1000, 400000
40, 従業員, LP(遅遅), 50000
42, フィギュア, プリンススター フィギュア (2), 500000
45, ブースターパック, 陸戦運命デッキ(18), 500000
45, 従業員, AC(早早), 70000
48, ブースターパック, 壮大な運命パック(64), 600000
50, ブースターパック, 風運命のデッキ(18), 500000
50, アクセサリー, プレミアムコレクションブック(4), 1000000
50, フィギュア, ヴァンピカント フィギュア (2), 500000
50, DIY, 大きなカードディスプレイラック, 500000
55, ブースターパック, 壮大な運命のボックス(8), 700000
55, フィギュア, ブラゾア ぬいぐるみ (2), 1000000
60, ブースターパック, 伝説の運命の箱(4), 900000
65, ブースターパック, 伝説の運命パック(64), 800000
65, フィギュア, キングスター ぬいぐるみ (2), 1000000
70, ブースターパック, 伝説の運命の箱(8), 1000000
70, フィギュア, ギガナイト フィギュア (2), 1500000
75, フィギュア, ドラケニックス フィギュア (1), 1500000
80, フィギュア, ドリルセロス フィギュア (4), 2000000
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まあ出力が毎回同じになるわけでもないが、これくらいの指示がちょうど出力が多すぎず少なすぎず、それでいて、私がプレイして感じたゲーム攻略法ともマッチしているような、必要十分な情報を与えてくれるように作った。ChatGPTが1回で耐えられる負荷の、ぎりぎり限界といったところでもある。
◇出力を読み上げさせる
ChatGPTの読み上げ機能を使うと、在庫を補充したり、レジを打ちながら前日の状況を把握し、改善点を考えられるようになる。そもそも売上を万単位で表示させるといったフォーマットも、読み上げを考えて作ったのである(GPTの音声合成は、日本語の単位をきちんと読み上げない)。
さらに出力が終わり次第、自動で読み上げることもtampermonkeyで実装可能だ。要するに「画像を貼り付ける→ChatGPTが出力→読み上げボタンを押す」という2回の操作が面倒なので、読み上げボタンを押さなくても、出力が終わったら自動で読み上げが開始されるようにできるわけである。
コードの方針としては「ChatGPTが今出力中か、出力が終わったか」を判断をさせるコードを書いて、それから読み上げのロジックを別で実装するというアプローチがよい。この点を押さえれば5分で作れる。
ただしAIによるプログラミングの話は記事を書くのがかなり面倒で、私は最近はpowerwash simulatorにもハマっていて忙しいので省略するのである。
■まとめ
意外とデータは馬鹿にならない。日報をただ見ているだけよりも、スクショを撮ってChatGPTに解析させるようにしておくと、だんだん「適切な売上げ」がわかるようになるのである。そして売上げが落ち込んだ場合は「ああ、昨日変更したあのイベントのせいだな」など原因が自然とわかってくるようになるのである。ゲームで、どの要素が売り上げに影響するかという点も見極められるようになっていく。
ダートラリーやレイルウェイエンパイアなど、私はゲーム攻略記事を何本か書いてきたが、作ったプロンプト自体が私が見つけた攻略法の紹介になっているところが面白い。
鈴虫が鳴いているのも、読書やシミュゲーに取り組むのも毎年のことであるが、プロンプトで自分の考えを伝えるところがこれまでとはちょっと違う秋である。