- 運営しているクリエイター
記事一覧
クラウドネイティブとスモールスタートのミスマッチ
「コンテナをベースに各サービスを分割した、クラウドネイティブを意識した構成でシステムを開発しました。これを稼働させてサービス開始したいのですが、小規模な利用者数から始める(スモールスタート)ときは、クラウド上で稼働させると小さなコストから始められる(スモールスタート)のですよね? 例えば……月額〇万円ぐらいで……?」
そう聞かれて、答えに口ごもる。そう期待するのは、すごくよく分かる。でも期待した
クラウドネイティブから見たクラウドの小史
Linux Foundation傘下に、クラウドネイティブを定義したりそれに関連するプロジェクトをホスティングする、CNCF(Cloud Native Conputing Foudation)という団体があります。ここで2020年までエグゼクティブディレクターを務めたDan Kohn氏による「A Brief History of the Cloud」というスライドを見つけたので、内容をまとめてみ
meta社のTwitter風サービス「Threads」のスタートダッシュ
Twitterの「API有料化で始まるディスラプト」への大揺れが収まる気配もなく、とってかわるのはMastdonかBlueskyかといった議論も盛んな中、FacebookやInstaramを運営するmetaからも「Threads」というTwitterライクなサービスが提供開始された。iPhoneのApp Storeには「Threads, an Instagram app」が数日前からあり、インスト
もっとみる社内プロンプトインジェクションという生成系AIリスク
生成系AI(GAI:Generative AI)が非常に面白いだけでなく、業務にも役立つことが徐々に認識されてきています。以下では、生成系AIならではの特性と、それを活用する三井化学株式会社の事例を取り上げました。
生成系AIの業務導入事例が増えている一方、利用による情報漏洩リスクも指摘されています。そこで単純に利用禁止にすると活用を進める他社/他者に「取り残されるリスク」になるため、両方を解消
オモシロ捏造から見える生成系AIの真価
登録式プレビューだったbingのAI、通称「あたらしいbing」が5月17日に一般公開されましたが、これの裏側で動いているAIはいまをときめくGPT-4だと明かされています。個人的には、回答の元になっている(と思われる)情報へのリンクが付く点が気に入っていて頻用しています。
地頭と言えば鎌倉時代の……先日、iPhoneのbingアプリでAIに「地頭力という言葉の初出は?」と聞いたところ、次のよう
パスワード定期変更問題の現在地
PPAPと並んで「セキュリティの旧習」と名指しされるのは、きっと「パスワードの定期変更」でしょう。これは2003年に米国立標準技術研究所(NIST)が発行した「SP800-63」にも盛り込まれたルールだったものの、2017年版である「SP800-63-3」ではするべきではないこととされました。
2018年3月には総務省が、同4月にはMicrosoftが同じ旨の発信をしています。しかし当時の報の中
「3つの“ChatGPT”」問題が解消してた
最近のChatGPTの話題でどうしても気になっていたのが、以下の三つの意味で「ChatGPT」という言葉が使われていて、誤解を生じかねなかったこと。
人工知能モデルとして、「ChatGPT」が使用しているモデル
ChatGPTが使用しているモデルをツール(アプリケーション)に組込むために使う、「ChatGPT」API
ChatGPT APIの利用サンプルでもある「ChatGPT」ツール
O
クラウドのコアコンセプトと偽物のクラウド
SalesforceのCRM、GoogleのGMailとGoogle Map、AWSのS3とEC2といった当時広まりつつある何か新しい潮流について、エリック・シュミット氏が「クラウドコンピューティング」と呼んだのが2006年、NISTと呼ばれる米国立標準技術研究所が「The NIST Definition of Cloud Computing(NISTによるクラウドコンピューティングの定義)」を公
もっとみるDevBizOpsとCPU増強の費用対効果
今週初めに問合せ対応で「CPUリソース増強の費用対効果」を相談された。その時考えたことが、一昨日のAWS Innovate Modern Appication Editionのオープニングセッションで話されていた「DevOpsの共通言語づくり」「メトリクスをBizも関与して決めていく」ということと同じというか、表裏の関係だと気づいた。そんなDev・Ops・Bizで決める監視項目の話を書き留めておき
もっとみるCCoE(Cloud Center of Excellence)ってなんだろう
ゴールデンウィーク直前に、漠然と「CCoE:Cloud Center of Excellenceってなんだろう」と考えていました。「組織内のCloud利用の中核組織」と言ってみても「つまりそれって何」と自分で思ってしまうのです。これは今後も継続的に考えていくことになると思うのですが、入り口段階として参考リンクとメモを残しておこうと思います。
CCOEのまとめ記事以下の2件は、コンパクトなまとめと
すべてのAWSリージョンは3AZ以上に
3月にはAWSは大阪リージョンを正式リージョン化し、現在も6リージョンを準備中です。これは「地域」の追加ですが、それより小さいエリアを指す「アベイラビリティゾーン(Availability Zone:AZ)」追加の発表も、今月初めにありました。北京リージョンに、3つ目のAZが追加されたという発表です。
個人的には、リージョン追加の発表より北京リージョンへの3つ目のAZ追加の発表の方に、「ついに」
AWS大阪リージョン ファーストインプレッション
今週、AWS大阪リージョンが正式に開設されました。これまでのローカルリージョンの期間は選ばれた人(申請制製で審査あり)しか使えなかったので、なんなら「ついにGA(一般公開)」と言ってもいい気がします。目についた範囲での情報と軽く触ってみた感想をまとめておきます。……みたいなのは最近はファーストインプレッションじゃなく「使ってみた」「やってみた」とかいうのかな。まあどちらでもいいですね。
AWS大
クラウド時代と競技プログラミング
この1週間ほど、社内イベントで開催されているプログラミングコンテストにエントリーしてみました。昨年1月に独習・速習したPython、使わずに1年いたらすっかり忘れてたので、いい復習機会になっています。
最初のうちはやりたい処理をそのまま書いていけばクリアできるけど、徐々に処理時間制限1秒との戦いが始まります。言語組込や標準ライブラリの持つリッチな関数を捨て、ループ処理と四則演算やら文字列処理やら