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オンラインマジックの弱点

1年前くらいに結構note書いてました。
番外編として、オンラインマジックの弱点というテーマで書いてみました。

先日マジック見たいーという話になって、
Zoom越しにマジックしたんです😌
盛り上がった(気がした)んですが、
別の日に参加者の一人から「オンラインだとなんか冷静になっちゃうので、ネタが解っちゃう」と言われました。

理由は分かっていたので、
ちょっと解像度上げて3つに整理してみました◎

①ミスディレクションが効きにくい 

画面越しになるので、「注意の引き付け」がめちゃくちゃしにくいです。

対面でやる場合、人の視線を別の方向に向けるようなアクションを起こすのですが、
画面上だと観客は画面のフレームの中を注視しているので、そのフレームから見えなくなったアクションと言うのは目に付きやすいです。
「注意の誤誘導が効きにくい」と言う状態です。

(復習)
ミスディレクション(Misdirection) とは
Mis =誤った
Direction =方向、指示、演出
って言う単語で、本来の意味は「間違った情報を与える」とか「間違った指示をする」
注意の誤誘導で、手品でよく使われています。
https://note.mu/tsukamagic/n/n3ee49e1b607d


②観客の注意資源に余裕がある

似た話ではあるのですが、観客側の視点に立つと、画面越しにマジックを見るのは結構集中出来るんです。

対面の場合、周りに人がいたり、
ざわざわしていたり、マジシャンや仲間と目があったり、触られたりして五感ほぼフルに使うケースが多いのですが、
オンラインでは「部分的な視覚」と「スピーカーによる聴覚」しか利用出来ないんですね。
つまり、相手の脳のメモリーに余裕がある状態にさせてしまっています。

【参考:マルチタスクと注意資源という考え方】
https://note.com/tsukamagic/n/nf046d093c4a5

③心理的圧迫感を掛けにくい

今ソーシャルディスタンスなど言われていますが、
話してて「なんか距離近い人」っていませんでした?
人にはパーソナルスペースと言う概念があり、他人に入られると不快になる距離感があります。
この、「他人が入ってきたときの心理的圧迫感」により、
「意識がその一点に集中される」
みたいなことが起こるんですが、
オンライン上でその効果は難しそうです。
トランプを取ってもらう動作ですら、相手のパーソナルスペースに入れると、観客は無意識に心理的圧迫感を感じて「集中」が生まれます。

【参考:パーソナルスペースについて】
https://note.com/tsukamagic/n/n04d4efa85aac


どうやら結構オンラインの弱点が多そうです。
ちなみにテレビでやるマジックもある意味オンラインでは?と思いましたが、
視聴者はマジシャン・観客も含めたフレームで見ることになるのと、ガッツリ演出が入っています。

オンラインの場合は、少し別のやり方(いい騙し方)を考えた方が良さそうです。
また気が向いたら書きます😌